事例

〜活動の拠点にRemoteLOCKを導入。手間を抑え、施設のセキュリティを確保~

遊休資産を活用したコワーキングスペースで関係人口を創出、移住者・定住者を増やす地元密着型の地方共創とは

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株式会社FoundingBase 

https://foundingbase.jp/

“「自由」をUpdateする”というMISSIONのもと、地方を軸に事業展開している地方共創ベンチャー企業。魅力あるContents(事業 / サービス / Community, etc)をベースにした仕掛けが重要であると考え、社員自らが現地に移住し、地域住民と共にContentsを創り出し、地方経済活性化の歯車を動かし続けている。

国をあげて地方創生の取り組みが行われている昨今、公民連携の動きも活発になっています。地域と深く係わりながらまちづくりを手掛ける株式会社FoundingBase様では、京都府宮津市の地方共創を手掛けられています。宮津市のまちおこしにかける想い、ならびに関係人口創出のための拠点となる「クロスワークセンターMIYAZU」に導入したRemoteLOCKの活用状況について、ご担当の筒井様からお伺いしました。

 

<インタビュイー>

株式会社FoundingBase Contents Director / 宮津team 筒井 章太様

 

(掲載内容は取材日:2022年8月30日時点の情報です)

課題

人口の減少、市としての知名度の低さ

  • 戦後60年で半分にまで減った宮津市の人口
  • 天橋立を有するものの市としての知名度が低く、観光客の回遊が少ない
解決策

遊休資産を活用した拠点を開設、サテライトオフィス運営やワーケーション推進で地域を盛り上げ関係人口の創出、定住者・移住者の増加を図る

  • 旧記念文庫会館をリノベーションし、サテライトオフィス・コワーキングスペースを運営
  • LINEで手軽に予約、ワーケーションや交流の中核となる場として施設を運営
  • 施設の入室管理をRemoteLOCKでオンライン化
効果

地域内外の方々と魅力あるコンテンツや仕掛けを創り出し、住民も来訪者からも「選ばれるまち」に

  • スマートロックによる柔軟な入室管理で入居者の利便性を向上
  • 工数をかけず最小限の時間で施設のセキュリティを確保
Q.事業内容とご担当の業務について教えてください。

A.株式会社FoundingBaseは、「自由」をUpdateするというMISSIONのもと、地方を軸に事業展開している地方創生企業、まちづくり企業です。プロジェクトの一環で、京都府宮津市の指定管理者として「クロスワークセンターMIYAZU」の運営を担い、移住者・定住者を増やすための関係人口創出事業を行っています。

「まちづくり」を細分化すると、「観光事業」「教育事業」「関係人口創出事業」「一次産業振興事業」「シティプロモーション事業」などに分けられます。FoundingBaseでは、それぞれの自治体の限られた資源に合わせて、そのまちが持続可能な状態になるために必要な事業を開発・構築しています。

例えば、遊休不動産の利活用やその町に滞在したくなるようなコンテンツや仕掛けを提案し、地域内にお金の循環を生み出す事業を展開しています。一例として、大分県の豊後高田市では、人工海岸にキャンプ施設を設け、BBQ場やトレーラー、サウナを設置するなどアクティビティの充実を図りました。結果として、ありがたいことに九州地区の口コミランキング上位にあがるようなキャンプ場になりました。

加えて、教育事業もメインの柱として行っています。”地域が好きな人を育む”というコンセプトで、地域に特化した公設塾をつくり、その地域ならではの遊びや生き方を最大限楽しめるような施設や教育コンテンツを作っています。

地方創生を手掛けている他の企業と違うのは、現地に社員が移り住んでその町の方々と一緒に、事業主体者としてプロジェクトを動かす「地方共創」を掲げていることです。現在、日本全国21の自治体で事業を行っており、ありがたいことに、ある地域の活動を知って「うちでもやりたい!」とお声掛けいただくケースも増えてきています。

FoundingBase 全国の自治体での取り組み

出典:株式会社FoundingBase 活動レポート
全国の自治体での取り組みが紹介されている

私が手掛ける京都府宮津市は、「天橋立」という有名な観光資産はあるものの、観光で訪れる方の多くは天橋立が宮津市にあるということをご存じありません。「天橋立は宮津市に存在する」と知って、宮津市の魅力にもっと触れて「また宮津市に行きたい」「宮津市で暮らしたい」と感じていただきたいです。また、市民の方にもより自分たちのまちの良さを認識してもらい好きになってもらうための取り組みを、ここクロスワークセンターMIYAZUを中心に活動しています。

Q.クロスワークセンターMIYAZUについて教えてください。

A.最終的に移住・定住者が増えるようになるために必要な関係人口を創出するための活動の拠点が、クロスワークセンターMIYAZUです。

天橋立という素晴らしい景勝地を持つ観光地でありながら、観光客が市で消費するお金、顧客単価が同規模の観光地と比べて低いという課題を宮津市では持っていました。天橋立で写真を撮って、近くの商店街でお土産を買って日帰りで帰る、といった観光客の行動パターンがほとんどでしたので、天橋立周辺エリアに観光客が留まり、市内全体として観光による財政効果を最大限に得られていない状態でした。

コロナ禍で、リモートワークなど多様な働き方が受け入れられやすくなりました。そこで、ワーケーションで誘致を図る目的で、国の地方創生テレワーク交付金を活用し、記念文庫会館を改修して「クロスワークセンターMIYAZU」が生まれました。

私達の宮津市での活動の目的は、「最終的に移住・定住者が増えるようになるために必要な関係人口を創出すること」です。私自身は、宮津での地域共創の責任者として活動しており、移住・定住者が増えるためには、まずはまちの方々がいきいきとしていることが大前提だと考え、その次のステップとして、魅力あるまちに外から人を招いてくる、といった流れを考えています。

最初のステップとして、少しずつまちを好きになってもらう、変化を起こしていくための取り組みを展開しています。例えば、朝活イベントやヨガ、移住者トークナイト、海ゴミアートイベントといったイベントの実施。また、教育系コンテンツとして全国のFoundingBaseの拠点と連携し、それぞれが担当している生徒を招いて越境イベントを開催しています。また、施設内に設けたコワーキングスペースは、LINEやFacebook、Twitterなどから登録して気軽に予約、利用できる環境を構築しています。

2つ目のステップでは、「外から人を呼んでくる」ために、ワーケーションツアーの実施や、地域研修ツアーといった旅程の一貫でクロスワークセンターMIYAZUを使っていただくような取り組みを行っています。天橋立の魅力を堪能しつつ、それだけじゃない魅力も感じてもらう、つまり、宮津市というまちのファンになってもらうための仕掛けです。

クロスワークセンターMIYAZU

視線の導線を意識した仕切りやBGMにもこだわって創られた空間

「フミダス!ツアー2022」の様子

8月に開催された「フミダス!ツアー2022」の様子。北は北海道、南は九州まで全国5拠点12名の地方に住む中高生が地元を飛び出し、宮津に集い、まちづくりについて学んだ

フミダス!ツアー2022 報告会の様子

フミダス!ツアー2022 報告会の様子。現地の方々も30名近く参加するなど、高い関心が伺える

Q.RemoteLOCK導入の経緯を教えてください。

A.記念文庫会館として利用していた建物をクロスワークセンターMIYAZUとして改修した際、市の担当者の方が入室を遠隔管理するセキュリティシステムとしてRemoteLOCKを導入されました。

担当の方からは、「複数ある電子ロックシステムを比較検討した結果、実績が豊富でコワーキングスペースでの使い勝手も良い点や、地方での導入も積極的に提案されている点を評価し、RemoteLOCKを導入した」と伺っています。

現在、クロスワークセンターMIYAZUではRemoteLOCK 5iを11台導入し、私たちが管理者として運用しています。1-2階にあるサテライトオフィスそれぞれの扉と、当センターの事務所の扉や勝手口にRemoteLOCKを設置しており、トラブルなど全くなく使えています。

RemoteLOCK 5i

サテライトオフィスのテナントさんには、大学の学生さんから年配の方まで幅広い世代の方がいらっしゃいます。アプリが不要で暗証番号だけで解錠でき、誰にでも使っていただける点が便利です。

コワーキングスペースは、現在は受け付けスタッフがいる9−21時のみ利用が可能ですが、入居者の方々は受け付け不在の早朝や夜間の時間帯も24時間出入り可能な運用を行っています。これもスマートロックならではの利便性ですね。入居者の方々に向けて利便性の向上を図りつつ、暗証番号を知っている方のみが入れるため、セキュリティも担保できると考えています。

また、セキュリティという面では、施設の責任者として、定期的にRemoteLOCKの管理画面で不審な利用履歴が無いか確認するなども行っています。手間がかからず、最小限の時間でセキュリティをある程度担保できるという今の仕組みは、このクロスワークセンターMIYAZUの運営にちょうどよいと思っています。

Q.今後の展望について教えてください。

A.おかげさまで現在、クロスワークセンターMIYAZUのレンタルオフィスは全てテナントさんが入居しています。一方で、UターンやIターンで宮津市に居を構え、ご自宅でビジネスを始められるローカルプレーヤーの方も少なからずいらっしゃるのですが、こういった方々にオフィスとして使ってもらえるスペースを提供できれば事業や交流が活性化するのでは、と考えています。

地域の起業家に、名刺に記載いただけるオフィスとしてスペースを提供することで、地方共創を加速できると思います。ローカルの事業者や起業家はノウハウや交流を常に求めていますので、そういったニーズをマッチングできたら、と。古民家を仕切って、「トキワ荘のローカルプレーヤー版」といった形でも提供できたら面白いですよね。

今後も、「まちづくり会社」として、ここに住んでいる大人も子どもも、来訪される方も、宮津というまちを好きになってもらえるような事業やコンテンツづくりを継続していきます。宮津が記憶に残るまちになり、また、数十年経った際に宮津が「選ばれるまち」になるようにしていきたいと考えています。

その中で、私達が現場にいて感じた課題をテクノロジーの力で解決できるのであれば、どんどん導入すべきだと思っています。施設のセキュリティや管理の効率化、利便性を高めるといった文脈でRemoteLOCKを活用する可能性は十分にあると思います。今後は、施設運営などのソフト面はFoundingBaseが、入退室管理に関してはRemoteLOCKが、といった枠組みで、お互い連携して地方のまちおこしを提案していきたいです。

株式会社FoundingBase Contents Director / 宮津team 筒井 章太様

お話を伺った、株式会社FoundingBase Contents Director / 宮津team 筒井 章太様

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