事例

地域とつながる「旅籠」の雰囲気 と ホテルの便利さを両立した 新しい時代の旅館

セルフチェックインとスマートロックでスタッフの負担と混雑を緩和

HATAGO井仙 井口 智祐 様

株式会社 いせん

https://isen.co.jp/


雪国の玄関としての駅前ホテル「HATAGO井仙」、もう一歩地域に入って地域を体感する拠点としての「ryugon」。異なる2つの雪国の宿を柱に、地域の食材を生かしたレストラン事業、広域にまたがる雪国観光圏の「コンサルティング事業」など、幅広く事業展開を行う。

約100年前、JR越後湯沢駅とともに駅前に誕生し、2005年にリニューアルオープンした「HATAGO井仙」は、地域と宿が一体となったかつての「旅籠」をコンセプトとしながら、ホテルの機能性も兼ね備えた、新しい時代の旅館です。JR越後湯沢駅から徒歩1分という好立地から、冬場はスキーの周遊観光の拠点として機能する全16室の同施設に、スマートチェックインシステム機能をもつaipassと連動し、暗証番号で解錠可能な「RemoteLOCK 8j」を導入した理由を伺いました。

 

インタビュイー:井口 智祐 様

 

(掲載内容は取材日:2024年12月18日時点の情報です)

課題

冬場のチェックイン作業の煩雑さと混雑の緩和

  • スキー目的のお客様の複数回チェックインへの対応
  • チェックイン時間帯の混雑ピークの解消
解決策

チェックイン作業のセルフ化

  • aipassとRemoteLOCKを連携しセルフチェックイン・キーレス化を実現
  • スタッフはチェックイン対応業務から解放され、接客業務に集中
効果

フロント業務を効率化、スタッフの効率的な配置が可能に

    • フロント対応業務負担を半減し、スタッフは併設のカフェやレストランでの接客対応に注力可能に
    • チェックイン時混雑のピークを平準化することで、需要に合わせた効率的なスタッフ配置が可能に
Q.HATAGO井仙のコンセプトについて教えてください

A.町と共存し駅前の賑わいを取り込み、江戸時代の「旅籠」のように町と一体となった宿というコンセプトです

大型化が進む温泉旅館は、土産やレジャーなど観光地の機能を館内に集め、宿泊客を館内に囲い込みがちです。一方で、HATAGO井仙は、お客様には旅館を拠点として観光地でのアクティビティを楽しんでいただく、という地域と一体となった宿をコンセプトとしています。

HATAGO井仙の外観
▲HATAGO井仙の外観

実際に、HATAGO井仙を利用されるお客様は、ここを拠点に周遊観光を楽しもうというお客様が多く、特に冬場はスキーを目的とした周遊観光のお客様が9割程度を占めます。

館内には、地元魚沼の食材を使った料理や、地酒、地ワインを提供するレストランがあり、宿泊機能付きの高級レストランとして、食事を楽しみに来られる方も多くいらっしゃいます。

和モダンスタイルの客室「HIBIKI」の様子①
和モダンスタイルの客室「HIBIKI」の様子②
▲和モダンスタイルの客室「HIBIKI」の様子。
その他和洋室/リビングタイプ/露天風呂付など、様々なテーマをもった8タイプ16室の部屋を提供する
Q.RemoteLOCK導入前の課題を教えてください

A.冬場のスキー目的のお客様のチェックイン手続きが課題でした

スキー目的のお客様は、朝早くに宿に到着し、スキーを楽しんだ後遅くに帰ってきてチェックインを行います。そのため、スタッフが有人で対応する場合は、1組あたり約2回の対応が必要となり、16室の宿にも関わらず、最大で32回ものスタッフによる対応が生じてしまいます

また、チェックイン時間を設定していたため、お客様のチェックインは14時から15時に集中してしまい、特に冬場はチェックインのための行列が発生してしまうことがありました。

Q.RemoteLOCKを採用いただけた理由を教えてください

A.フロント業務を効率化し、より便利なサービスをお客様にご提供しつつ、当旅館の強みである併設のカフェやレストランでの心のこもった接客業務に集中できると考えたためです

チェックインの混雑緩和とスタッフの負担低減のために、オンラインチェックインシステムを導入することをまずは考えました。

チェックイン時のお客様への必要な情報のご説明は、その場でマシンガントークをするのではなく、事前に情報をお届けすればよいのです。また、併設のカフェやレストランで心のこもった接客業務を行うことで、フロントでの手続きについては自動化してもよいのではないかと考え、セルフチェックイン機能をもつaipass(アイパス)と鍵の受け渡しを自動化するRemoteLOCKを導入しました。

チェックイン用のPC
▲宿泊者は、玄関をくぐった先の囲炉裏のスペースに設置されたPC上で、チェックイン手続きを行う
RemoteLOCK8j
▲チェックイン後に表示される暗証番号を使って客室のRemoeteLOCK 8jの開錠が可能

また、足元の課題への対策はもちろん、将来的に「旅の形」がアップデートされていくことを見据えてRemoteLOCKを導入したという側面もあります。 例えば、仲居さんがお茶をいれてくれるのが従来型の良いサービスであったとしても、若い世代では迷惑に感じる場合もあります。将来的には民泊のように、お客様が自由に過ごされる旅の形が好まれるかもしれません。

そのような変化の中で、従来型の対面接客を重視した運営を行うのか、フルオートメーションの運営を行うのかの「白」か「黒」かをはっきりさせるのではなく、両方の選択肢を持ちながら、その間にある自分たちにとって最適な運営方法を絶えず探っていくことを大切にしています。そのような意味でRemoteLOCKは将来に備えて必要なソリューションです。

※RemoteLOCK 8jは販売を修了しました。(後継はRemoteLOCK 9jを販売中)

Q.RemoteLOCKを導入した効果を教えてください

A.冬場の、鍵の受け渡し業務を含むチェックイン手続きが格段に改善しました

混雑緩和への影響が非常に大きいです。セルフチェックインが可能になったことで、チェックイン時間が分散し、チェックイン待ちの行列がなくなりました。また、フロントで対応するスタッフも、必要な工数がおよそ半分になり、空いた時間は接客などに回すことができるようになりました。

混雑のピークが平準化されたことで、フロントへの配置が必要なスタッフの最大人数が減少し、旅館全体でより柔軟なスタッフ配置が可能になりました。スタッフのリソースを業務の需要に応じてうまく調整できることが、宿泊施設運営に求められる「技術」と言えますので、この点も大きなメリットです。

また、お客様からの反応としては、海外からいらっしゃるお客様は、セルフチェックインやRemoteLOCKを全く問題なくご利用いただいています。一方で、国内のご高齢のお客様ですと、どうしても手続きに戸惑われることもあります。そのような場合は、お客様のご希望に応じてRemoteLOCKを開錠できるカードキーをお渡しすることで、対応をしています。

Q.今後のRemoteLOCKに期待することを教えてください

A.フロント業務の改善だけでなく、旅館の生産性・収益性への寄与も期待しています

現状のオペレーションでは、お客様がすでに退室済みであるかがわからず、いつ客室の清掃に入っていいのかわからない、という弱点があります。もし、お客様の在室有無をバックオフィスから遠隔で確認することができれば、スタッフはすぐに清掃に入ることができ、清掃タイミングを最適化することができます。
さらに、スタッフの客室清掃を、在室時間から計測することができれば、これまで難しかったスタッフの生産性の可視化にもつながります。

宿泊業において、スタッフの生産性を可視化・評価・改善していくことは、スタッフの生産性を正当に評価し、適切な賃金アップにつながるという意味で、宿泊業界の人手不足・低賃金という問題の解決に向けて非常に重要です。RemoteLOCKには、一長一短のオペレーション改善にとどまらず、旅館の生産性・収益性改善まで目を向けた追加機能やソリューションラインナップの展開に期待します。

『HATAGO井仙』に導入!
セルフチェックインを実現、『RemoteLOCK』の詳細はこちら!

宿泊向け資料請求サムネイル_210730_01