目的を追い求めた入室管理システム選定の極意とは?
株式会社Rebase 様
「一人ひとりの『らしさ』であふれる世界」をビジョンに掲げ、「らしさ」を実現するためのきっかけとして人と空間のマッチングサービスを手掛ける。レンタルスペースの予約・集客プラットフォーム「インスタベース」は、2022年4月時点で全国約19,500件のスペースが掲載され、誰もがいつでも気軽に空間を利用できる。スペース掲載者にとっては、遊休スペースを無料で時間貸しスペースとして予約受付を始めることができ、遊休スペースの収益化、集客強化や予約・決済管理の効率化にも寄与している。
株式会社Rebase様では、2022年4月に本社を代官山から表参道に移転されたことを機に、オフィスの入室管理にRemoteLOCK 8j-Fを導入いただいています。オフィス向けの入室管理システムやスマートロックが数多くある中で、RemoteLOCKを採用いただいた背景や、別途、導入されている機械警備システムとの使い分け、セキュリティカードの併用についてもお伺いしました。
※正式販売開始前のRemoteLOCK 8j-F試作モデルをいち早くご導入いただいています。
インタビュイー: 株式会社Rebase 社長室 竹山枝理香 様
(掲載内容は取材日:2022年4月28日時点の情報です)
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- Q.事業内容について教えてください。
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Rebaseは「人と場所のマッチング」を通して、様々な人の出会いや活動を支援・促進する事業を手掛けています。レンタルスペースの予約・集客プラットフォーム「インスタベース」は、おかげさまで、認知度、掲載数ともに増えており、2022年4月時点で、全国約19,500件のスペースを掲載させていただいています。
インスタベースでは様々な用途に対応した多種多様なスペースを掲載しています。一見するとビジネス向けのスペースに見えても、ヨガやレッスン、ママ会が行われていたりと、お客様のニーズに合わせてお客様が自由に利用できる、使い方が決まっていないことが特徴です。
最近では、屋上を活用したサウナ付きのスペースや、チェックインがない時間帯のホテルの客室を、レンタルスペースとして時間貸ししているケースも増えています。本来はレンタルスペースではないカラオケ店、エステ店、飲食店、工場、屋外、グラウンドから裏山まで全てのスペースにおいて、インスタベースに掲載することで遊休の時間を収益化する可能性を秘めています。今後もますます様々なスペースを掲載していくことで、お客様に新たな用途を生み出していただける機会が増え、インスタベースを通して遊休スペースの利活用が広がっていくと考えています。
- Q.オフィス移転の背景や、オフィス設計への想いについて教えてください。
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2022年4月1日に本社を代官山から表参道に移転しました。今回の移転を機に、社内の結束をさらに強くすることを目的にしています。社内の結束を生むために必要な要素として、①固定席以外のフリーなスペースを作ること、②コミュニケーションが生まれる環境を作ることの2つを軸に、必要なスペース、レイアウト、動線などの検討を重ねました。
オフィスづくりにあたっては、どうしても作り手視点のデザインになりがちです。ただ、実際に使うのは社員全員なので、そのメンバーが「毎日出社したくなるオフィス」にしないと移転の意味がないと考えました。アンケートやヒアリングを通じて社員それぞれの声や想いが詰まった新オフィスは、当初描いていたさまざまな場所でコミュニケーションがうまれ、人と人を繋ぐオフィスを具現化できたと考えています。
- Q.入室管理システムの選定のポイントを教えてください。
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オフィスセキュリティとして最初に思い浮かんだのは、駆けつけ型の警備会社への一括での依頼でした。通常の機械警備や緊急時の駆けつけはなどは外せなかったため、そこと合わせて鍵や入室の制御、防犯カメラも合わせてお願いすることを考えました。ただ、その見積もりは数百万円のオーダーになり、コスト的に見合いませんでした。
そこで、以前にも複数箇所で利用したことがあり、操作にも慣れているRemoteLOCKをオフィスでも活用できないかと社内で議論になりました。その中で、課題となったのは暗証番号での解錠です。レンタルスペースの場合、暗証番号であることでキーレス化でき、鍵の受け渡しをなくすことができます。他方で、オフィスの場合は、執務室を出入りする度に暗証番号を押すのは手間がかかり、社員目線で考えるほど、番号での解錠は現実的ではありませんでした。
そんな時に、RemoteLOCKの営業担当者にご相談したところ、タイミング良くICカード(FeliCa)で解錠できる新製品がリリースされるという話を聞きました。ご紹介いただく中で機械警備用のセキュリティカードをRemoteLOCKの解錠にも活用できることがわかり、セキュリティカードを2枚持たずに済むことで、まさにやりたかった運用が実現できると感じました。
実は入室管理システムの検討の中では、RemoteLOCK以外のスマートロックも比較しました。オフィスに特化したスマートロックもありましたが、勤怠管理との連携や退室履歴の取得など、当面の間使用予定がない機能が多くありました。その一方で、RemoteLOCKは必要な機能が揃っていることに加えて月額費用が10分の1程度と低コストでした。
プロジェクトとして急いでいたり、目的が定まっていないと、どうしても1社にまるごとお願いしたり、機能的に充実しているものを選びがちになると思います。ただ、コストや実際の運用を考えた時に、「このパッケージの中のこの機能って本当に必要なのか」、「払っている金額分の機能を使いこなせるか」などを突き詰めて考えると、実はパッケージだともったいなかったり、オーバースペックなケースも多々あります。その点、今回の入室管理システムの検討にあたっては、必ずしもやらなくていいこと、捨てられる要素は排除し、「低コスト」で「機械警備システムとうまく併用できること」の2点にフォーカスした選定ができました。
- Q.RemoteLOCKの導入にあたって大変だったことはありますか?
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オフィスの内装工事の会社とRemoteLOCKの設置工事の会社がそれぞれ別だったので、その会社間の作業分担やスケジュールの調整は大変でした。今回は、ドアを新設したり、RemoteLOCKに電源を取り込むにあたっての電気工事も必要でした。後半からは内装会社と鍵の工事会社で直接やり取りしてもらうようにしたことで、スムーズに進みました。
カードのIDm情報(固有のID番号)は警備会社からもらうことができました。IDm情報にそのカードを利用する社員の氏名を紐づけたCSVファイルを作成し、そのファイルをRemoteLOCKの管理画面に登録するという手順で簡単に権限発行が行えました。
- Q.オフィス運営の中でRemoteLOCKをどのように活用していただいているのでしょうか?
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社員はセキュリティカードで、毎朝の警備システムの解除、最終退社時の警備設定を行います。それと同じカードを使い、社員は入口に設置されたRemoteLOCKを解錠しています。また、入社や退職があると、RemoteLOCKの管理画面上でカード情報の登録や削除を行っています。
社員は基本的にはカードで解錠していますが、例えば自動販売機の業者の方には、専用の暗証番号を発行して、番号で解錠してもらっています。鍵を開けるためだけに毎回、入口で出迎える手間がなくなり、カードの紛失も発生しません。
そのほかにも、イベントなどで外部の方の出入りが多い時に、入口の解錠、施錠時刻を手元で柔軟に変更できることは、とても便利だと感じています。警備会社の入室管理システムの場合、数日前までに設定変更の申請が必要なケースもあります。そうした手間がなく、状況に合わせて管理者自身で必要な時に入室を制御できるのはRemoteLOCKの良さだと思います。
- Q.貴社の今後の展望について教えてください。
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先日、住友不動産株式会社、株式会社構造計画研究所と業務連携を発表させていただきました。この提携は、住友不動産株式会社の新築分譲マンション(一部)に付帯の共用施設が入居者限定で予約・利用が可能となるというもので、その予約・利用にインスタベースの「コミュニティ機能(※2)」を活用いただいています。マンションの入居者はサードプレイスとしてご自身のマンション共用施設を利用できるほか、インスタベースに掲載されているレンタルスペースをご利用いただくこともできます。
こうした取り組みの背景には、生活者のライフスタイルの一端を担う存在になりたいという想いがあります。「日常生活の中で、実はインスタベースが使われていて、社会のインフラとしての役割を果たしている。」、そんな世界を目指し、今後もさまざまなパートナー様と連携したり、現在のサービスの機能拡充を通じて、新しい価値を生み出す挑戦を続けていきたいと考えています。
※1「FeliCa」は、ソニー株式会社の登録商標です。
※2限られた人にのみ空間を貸し出すことができる予約受付機能。