システム連携による「省力化」で生まれた余力を「体験価値」へ転換

導入企業・自治体について
GOLD STAY 様(ゴールドトラスト株式会社 様)
収益不動産デベロッパーとして不動産の投資・開発から運用まで対応。
「街に暮らすように泊まる」「3rd HOME」をコンセプトに、キッチンや洗濯機を備えた多人数向けアパートメントホテル「GOLD STAY(ゴールドステイ)」を展開。
愛知県名古屋市を中心に不動産投資・開発・運用を手掛ける収益不動産デベロッパーのゴールドトラスト株式会社。同社が運営するアパートメントホテル「GOLD STAY(ゴールドステイ)」は、「街に暮らすように泊まる」「3rd HOME」をコンセプトに、全室40㎡超・キッチン・洗濯機完備という多人数向けの滞在空間を提供しています。今回は、RemoteLOCKを導入した理由と、「tabiq(事前チェックイン)」「suitebook(PMS)」とのシステム連携による省人化および、そこで生まれた余力をホスピタリティへ転換する独自の取り組みについてお話を伺いました。
インタビュイー:
堀田 未友希 様・山田 桃子 様
(掲載内容は取材日:2026年6月22日時点の情報です)
導入前の課題と導入効果
| 課題 |
多人数向けアパートメントホテルの運営効率化と、鍵管理ストレスの解消
|
|---|---|
| 解決策 |
3社システム連携による無人チェックインと、暗証番号式スマートロックの導入
|
| 効果 |
省力化で生まれた余力を「体験価値」へ転換し、高い顧客満足度を実現
|
インタビュー
- Q.noue「GOLD STAY」のコンセプトについて教えてください。
-
A.多人数向けの滞在型施設として、「街に暮らすように泊まる」空間をご提供しています。
収益不動産デベロッパーであるゴールドトラスト株式会社が、新規事業としてホテル事業への異業種参入を果たして立ち上げたのが、アパートメントホテル「GOLD STAY」です。「GOLD STAY」では、「街に暮らすように泊まる」「3rd HOME」をコンセプトに掲げ、ビジネス客が多く、1〜2名向けのホテルが主流だった名古屋エリアにおいて、「家族や友人と一緒に3〜6名で同室に泊まりたい」というグループ旅行やインバウンドのニーズに着目。キッチンや洗濯機を備えた滞在型施設として、いち早くこのニッチ市場を開拓しました。
▲GOLD STAY 名古屋 大須 の客室の様子。人数や滞在目的などに合わせて定員3,4,5,6名の部屋を選択することができる。 「GOLD STAY」では、ホテル自体を目的地(コンテンツ)として楽しんでいただける空間づくりにこだわっています。東山動植物園や名古屋港水族館との公式コラボルーム、人気美容ブランドのアイテムを揃えた『ReFaルーム』などを展開しており、口コミを見たお客様がこの部屋を目的に訪れる好循環が生まれています。
▲人気の東山動植物園・名古屋港水族館コラボルーム。企画を機に動物園ファンになったスタッフが、自身の体験をお客様と楽しく共有するなど、自然体のおもてなしが生まれるきっかけにもなっている。
▲GOLD STAY 名古屋 栄の「ReFa Room」。名古屋発の人気美容ブランド ReFa とコラボレーションした客室で、ReFa のアイテム全8種類を贅沢に体験できる。
▲GOLD STAY 名古屋 大須に併設されたサウナ・岩盤浴施設。ReFaアイテムでの美容体験と掛け合わせ、心身を癒やすウェルネスツーリズムを実現している。
- Q.施設運営において、システム連携やスマートロックを導入された背景を教えてください。
-
A.少人数での「省人化運営」と、グループ滞在における鍵の利便性を両立させるためです。
GOLD STAYでは開業当初から、多人数・長期滞在型のホテルを少人数オペレーションで効率的に回す「省人化運営」を前提として考えていました。そのため、事前チェックインシステム「tabiq」、宿泊管理システム(PMS)「suitebook」、そしてスマートロック「RemoteLOCK」の3社システム連携の導入を決めました。検討当時、すでに各システム同士が連携済みで、まるで一つのパッケージシステムのようにスムーズに使えることが、私たちの施設の運営規模にぴったりとはまったのが大きな決め手でした。
実際の運用では、予約が入ると自動的にRemoteLOCKの暗証番号が発番され、宿泊前日にはゲストへ事前案内のメールが自動送信されます。現地ではタブレット端末でチェックイン手続きを済ませるだけで客室の暗証番号が表示されるため、スタッフを介さずに非接触・無人で入室まで完結するフローが確立されています。
また「暗証番号式」のRemoteLOCKは、多人数宿泊と非常に相性が良いと感じています。物理鍵やカードキーの場合は人数分の発行が必要になり、紛失や追加発行による現地対応の手間やコストが発生してしまいますが、暗証番号であればグループシェアが簡単なのでその心配がありません。ゲスト視点では、施設内の岩盤浴施設・サウナやコンビニへ行くなど、グループ内で別行動をする際にも『誰が鍵を持つか』を気にする必要がなくなり、ゲストの滞在の自由度と快適さが大きく向上しています。
これらの仕組みが、私たちが当初から目指していた運営のシンプル化と、グループ滞在における快適さを高い次元で同時に実現してくれていると考えています。
▲客室ドアに設置された「RemoteLOCK 8j」。GOLD STAY 名古屋 栄(全21室)と大須(全15室)のすべての客室において、開業当初から導入されている。 ※RemoteLOCK 8jは販売を終了しました。(後継はRemoteLOCK 9jを販売中)
- Q.システム連携によって、現場の業務にはどのような変化がありましたか?
-
A.フロント手続きの時間が大幅に短縮され、生まれた余力を「あたたかみのある接客」へと還元できるようになりました。
システム連携による省力化の効果は、現場のオペレーションに変化をもたらしました。
通常、6名などのグループ客が対面でチェックインを行う場合、10分近くの時間がかかっていました。名古屋市では行政の指導により宿泊者全員分の正確な情報登録が必要となるため、多人数での対面手続きはフロント混雑の原因になります。しかし、事前チェックインを活用することで、現地での手続きはわずか2〜3分に短縮されました。繁忙期におけるフロントの負担軽減の差は、かなり大きいと感じています。さらに、宿泊者情報がPMS(suitebook)へ自動連携されるため、スタッフが手入力でデータを登録する手間も省かれています。
現在では宿泊代金の精算もすべて「事前決済」に統一し、チェックアウト時の対応も削減しています。事前決済のみとすることには当初不安もありましたが、実際には客足にも全く影響はありませんでした。宿泊当日のお客様の負担も減り、スムーズな運営を実現しています。
鍵の受け渡しや事務的な手続きをシステムに任せることで生まれた「余力」は、スタッフがゲストと深く向き合う時間へと還元されています。フロントスタッフは、単なる「事務作業の担当者」ではなく、街の魅力や楽しみ方を提案する「アンバサダー」として、荷物のお手伝いや街の魅力を伝える会話など、人にしかできないあたたかみのある接客(コンシェルジュ業務)に注力できるようになりました。
アパートメントホテルにおける省人化は、人を減らすことが目的ではなく、人が価値を発揮できる業務に集中させるための手段です。スタッフ発案による周辺の「トレジャーマップ」制作など、余力の「顧客体験の質」への再投資が、ゲストの「想像以上だった」「ホテルにいるだけで楽しい」といった感情価値を高め、非常に高い口コミ評価やリピート率向上に直結しています。
▲チェックイン後のゲストに、スタッフ手作りの「トレジャーマップ」を見せながら街のスポットをご案内。定型業務を自動化したことで、このような「アンバサダー」としての深い接客が可能になった。
- Q.今後の展望についてお聞かせください。
-
A.IT活用によるDX化にとどまらず、「体験×データ×不動産」を進化させてブランドコンセプトをさらに深めていきます。
不動産デベロッパーの視点から見ると、RemoteLOCKのようなスマートロックやシステム連携によるDX化は、単なる効率化ツールに留まらず、建物の「収益性」「安定性」「流動性」を高め、結果として不動産の資産価値そのものを押し上げる重要な要素になっています。
今後は、単なるITの活用ではなく『体験×データ×不動産』をさらに進化させ、地域とリアルタイムで繋がる仕組みづくりなどを通じて、『街に暮らすように泊まる』というブランドコンセプトをより深めていきたいと考えています。
- Q.最後に、これからアパートメントホテルの省人化やホスピタリティ強化を目指す事業者の方に向けて、メッセージをお願いいたします。
-
A.効率化とホスピタリティは両立可能です。人が価値を発揮できる業務に集中させる設計が競争力に繋がります。
「効率化とホスピタリティは本当に両立できるのか?」という問いは、業界共通の課題だと思います。私たちからのメッセージとしてお伝えしたいのは、アパートメントホテルにおける省人化は、「人を減らすこと」が目的ではなく、「人が価値を発揮できる業務に集中させるための手段」であると考えるべきだということです。
チェックインや鍵管理といった定型業務をシステムに任せることで、スタッフは顧客体験の向上や滞在価値の創出に注力できるようになります。一方で、無人化にはゲストの不安やトラブル対応といった課題も伴うため、すべてを機械に任せるのではなく「人が介入すべきポイント」を見極めることが重要です。
効率化とホスピタリティは決して対立するものではありません。適切な運営体制やオペレーションを設計することで確実に両立できるものであり、その「設計力」こそが今後の宿泊業界における競争力になっていくと感じています。














