事例

〜システム拡張性の高い「TOBIRA」で社員や来客の入退室を一元管理~

働き方にも地球環境にも優しいグローバル企業が採用した入退室管理システムとは

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日本ロレアル株式会社 

https://www.loreal.com/ja-jp/japan/

110年以上にわたり「美」の創造を使命としビジネスを展開する世界最大の化粧品会社ロレアルグループの日本法人、日本ロレアル株式会社。日本はロレアルグループの戦略的拠点のひとつであり、マーケティングや営業のほか、研究開発所、製造工場、およびシュウ ウエムラとタカミの2つのブランドの本社組織を有する。

世界ナンバーワンの化粧品メーカーであるロレアルグループの日本法人、日本ロレアル株式会社様では、地球環境や社員の働き方に配慮したオフィスとして、2022年10月に本社オフィスをリニューアルオープンしました。SDGs(持続可能な開発目標)に対し時代の先端を行く取り組みを展開する日本ロレアル社がオフィスリニューアルにあたり目指した新しいオフィスの在り方と、その入退室管理システムとしてTOBIRAを導入された経緯、およびその効果について伺いました。

 

<インタビュイー>

日本ロレアル株式会社  オペレーションズ本部 リアルエステート部
マネージャー 嶋村 健作様(写真左)
ファシリティースーパーバイザー 佐藤 浩志様(写真右)

 

(掲載内容は取材日:2023年1月時点の情報です)

課題

オフィスの在り方やニーズの変化に伴う改革・革新の必要性

  • オフィス移転から20年弱が経過し、アクティビティ・ベースド・ワーキングやサステナビリティなど時代のニーズに対応しきれていない環境
  • オンプレミス型のセキュリティシステム運用による物理的・経費的な負荷
  • グローバル企業として課される高いアクセスコントロールシステム要件
解決策

複数のシステムと連携する拡張性の高い「TOBIRA」で社員や来客を一元管理

  • 価値を生み出す源泉となる社員の協働を促進するオフィスデザインとアップサイクル素材の活用
  • クラウド型のTOBIRAで端末や場所による制限を受けない運用
  • 本国の要件を満たす入退室管理システムTOBIRAの導入
効果

来客対応の業務効率と社員のセキュリティに対する意識の向上

  • ゲートの共連れや社員証忘れが減り、社員のセキュリティ意識がアップ
  • クラウド受付システム「RECEPTIONIST」とTOBIRAの連携により、来客時対応の手間が大幅に軽減
  • クラウドでの一元管理で入退室管理の物理的・経費的な負担が軽減。他拠点への導入も検討中
Q.日本ロレアル株式会社様についてご紹介ください。

A.日本ロレアル株式会社は、フランスに本社を置く世界ナンバーワンの化粧品会社、ロレアルグループの日本法人で、今年で日本での事業開始から60周年を迎えます。

ロレアルグループのパーパス(存在意義)として掲げる「世界をつき動かすような美の創造」のため、売上など財務面での成長だけでなく、社会貢献やサステナビリティへの配慮など、非財務面の成長も重視し、企業活動を展開しています。

日本市場では、ランコムやメイベリンニューヨークをはじめとするグローバルブランド、ならびにシュウ ウエムラやタカミといった日本発のブランドを合わせた約18のブランドを展開しています。メイクアップ、スキンケア、ヘアケア、香水など、美に関わるあらゆる製品を幅広いラインアップで展開しています。

日本ロレアル株式会社 嶋村 健作 様
Q.オフィスリニューアルの背景を教えてください。

A.2006年にこの新宿パークタワーにオフィスを構えてからこれまで、オフィスの在り方やニーズは大きく変わりました。

それに伴い、より現状に即したオフィスに改革・革新していかなければという必要性が高まり、オフィスリノベーションプロジェクトを立ち上げました。我々はリアルエステート部に所属しており、社員が働くオフィスを整備・導入し、社員が働きやすく、効率良く仕事ができる環境の構築を担っています。今回のプロジェクトを実行する上で、私たちが重視したポイントは4つありました。

まず、オフィスはロレアルにとって非常に重要で不可欠な場所であるという点です。「コラボレーション」「イノベーション」「クリエイティブなワーク」というのは社員が集って協働することから生まれると考えており、オフィスはそういった価値を創造するための重要な場だと捉えています。

次に、アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW:業務に合わせて時間と場所を自由に選択できる働き方)です。このコンセプトのもと、社員は固定のデスクを持たないフリーロケーションで業務を行っており、リニューアルでは約60%の部分を協働用のスペースとしました。

加えて、ロレアルが考える美の表現と日本の美・クラフトマンシップへの敬意です。たとえば社員が日常的に美に触れ業務ができるようオフィス内に店頭と同じ什器を設置しています。また日本らしい美を表現するため、4つに分かれたエリアを、四季を感じるようなデザインに仕立てており、各所に日本の伝統的な職人技術を採用しています。

最後に、サステナビリティへの配慮です。今回のプロジェクトでは廃棄物を極限まで削減しました。廃棄予定の自社化粧品も、再活用できないか知恵を絞り、約4,400個の化粧品をタイルや塗料といったオフィス建材にアップサイクルしています。

新宿本社オフィスエントランス(提供:日本ロレアル株式会社)

▲ 新宿本社オフィスエントランス
(提供:日本ロレアル株式会社/Nacása & Partners Inc.)

コラボレーションスペースと店頭を再現したリテールデザインスペース(提供:日本ロレアル株式会社)

▲ 店頭を再現したリテールデザインスペース
(提供:日本ロレアル株式会社/Nacása & Partners Inc.)

Q.リニューアルにあたり、どんな課題をお持ちでしたか。

A.社員の働き方やニーズが時代背景と共に変わるとともに、「セキュリティ」の面からも、最新のアクセスコントロールシステムを導入したいというニーズがありました。

その上で、グローバル企業として設定された高いセキュリティガイドラインを満たすシステムを探していました。自社に合うシステムを展示会やウェブ検索などで探す中、まずビジターオペレーションシステムとして、クラウド受付システム「RECEPTIONIST(レセプショニスト)」の導入を決めました。また、当社の基準を満たすセキュリティゲートとして、クマヒラ社の機器の導入が確定していました。これらのシステムと連携する入退室管理システムとして「TOBIRA」の名前が候補に挙がりました。

これまでのアクセスコントロールシステムはオンプレミス型が主流でサーバを準備する必要があり、物理的・経費的な負担が避けられませんでした。そこで、新たに導入する入退管理システムはクラウド型であることを重視し、検討していました。

TOBIRAはクラウドで管理でき、サーバを用意する必要もありませんし、API連携で他のシステムともつなぐことができる拡張性に優れている点、ならびにコスト的にも魅力を感じていました。なんといってもWebのブラウザでコントロールできるのが非常に便利です。これまでのシステムですと、パソコンにソフトをインストールする必要があり、PCの交換やOSのアップデートの度に非常に手間がかかり、ネックになっていました。

オンプレからの脱却ができる点、Webブラウザで運用できる点、他のシステムと連携できる拡張性の3点が当社の運用に合っていました。

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Q.リニューアルから3ヶ月経ちましたが、オフィスの入退室管理に変化はありましたか。

A.リニューアル後、共連れや社員証忘れが減るなど、セキュリティの意識が向上しました。また、来客時の対応の手間が大幅に減り、業務負担の軽減にもつながっています。

リニューアル前に見られたゲートの共連れ通過も、TOBIRA導入後は見られなくなりました。以前は社員証を忘れた場合に貸し出すビジターカードがなかなか返却されないケースも度々発生していたのですが、現在は共連れも発生しにくく、社員証忘れの頻度が減るという効果が見られています。QRコードは毎日自分で発行しないといけないので、社員証忘れの抑止力となっているようです。総じて社員のセキュリティ意識が高まっていると感じています。

お客様の来訪時は、RECEPTIONISTを利用して端末から印刷したQRコードをTOBIRAに読み込んで入室いただきます。受け入れ側としては予定さえ登録しておけば応接スペースへの入室までお客様ご自身で対応していただけますので、来客時の対応の手間が大幅に減りました。

オフィスリニューアル前は、来客用カードを用意して受付で貸し出しており、中にはそのまま持って帰られる方がいらしたり、置き忘れてしまったりと、カードの回収まで労力を要することが発生していました。セキュリティ上の問題もありますので、紛失の場合には来客用カードが回収できるまで追跡し、どうしても回収できない場合はカードの無効化が必要になるなど、時間とコストがかかっていました。

現在のシステムですと、入退室が可能な日時が限定されており、面会終了後はQRコードを廃棄できるなど、管理面での業務負担軽減になっています。

エントランス横のセキュリティゲートはTOBIRAで制御

▲TOBIRAでセキュリティゲートの入退室を管理

社員証や来客用QRコードで解錠

▲社員証や来客用QRコードで解錠

エリアごとにTOBIRAを設置して入退室を管理

▲エリアごとにTOBIRAを設置して入退室を管理

クラウド受付システム「RECEPTIONIST」端末イメージ

▲クラウド受付システム「RECEPTIONIST」端末イメージ
(提供:株式会社RECEPTIONIST)

Q.TOBIRAを導入することによってリニューアル前にお持ちだった課題は解決できましたか。

A.はい。TOBIRAの導入で、どのPCでも、どこからでも入退室管理が行えるようになりました。

当社のセキュリティ要件の都合上、以前は社員証の登録や削除は、現地で、かつ限られたPCでしかできませんでした。TOBIRAを導入し、管理者ごとにふさわしい権限を付与することによって、どこからでも、かつどのPCでも登録や削除ができるようになりました。また、労務管理を担当している部署に入退室ログの閲覧権限を付与することで、私たちの部署でデータを出力して報告するという対応が不要になりました。今後は、新しく入社した社員や退職者の管理を担当窓口である人事本部にも権限を割り当て、管理してもらおうと考えています。

導入当初はQRコード読み取りの反応が悪かったのですが、フラッパーゲート内のQRコードリーダーの位置を変えていただくことでだいぶ改善しました。映画館や空港、駅のゲートなど、非常に反応が良い機器のスピード感には達していませんが、日々利用することで慣れる部分もありますので、コストをかけ過ぎず、「必要十分」となる落としどころを探って運用しています。

Q.入退室管理について今後の展望をお聞かせください。

A.拡張性の高いTOBIRAを勤怠管理システムと連動させて出退勤情報管理の効率化を図りたいと考えています。

加えて、TOBIRAなら離れた拠点もクラウドで管理できますので、複数拠点の入退室管理の一元化を検討しています。出退勤に関しては、勤怠管理システムとTOBIRAを連携させて、TOBIRAに記録される入退室のログを出退勤データとして利用し、勤怠管理の効率化を図りたいと考えています。また、本社以外でも、大阪や名古屋、その他の離れた拠点のアクセス管理もTOBIRAでしたら一元管理できますので、さらに管理業務の効率化ができると考えています。 環境への貢献も非常に重要ですので、現在紙で印字しているQRコードをペーパーレス化することも今後検討したいですね。

常に時代のニーズや社会の動きに合わせて働き方を変えていきたい、革新していきたい、という思いを強く持っていますので、今後は他のシステムとのさらなる連携も視野に入れてご相談させていただくこともあるかと思います。

Q.貴社の今後の展望を教えてください 。

A.冒頭のお話とも重複しますが、非財務面の成長として2030年までの目標を掲げたサステナビリティプロジェクト「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」を展開し、地球の限界を尊重したビジネスモデルに変革するという目標に向かって動いています。

プラネタリー・バウンダリー(地球の限界値)が近づいている中、ロレアル一社だけで持続可能な世界へ移行するには限界があります。そのため、さまざまなステークホルダーを巻き込んでエコシステムを構築することで、より大きなインパクトをもたらしていきたいと考えています。

我々は、オフィスや働く環境を整える担当の部署として行っている廃棄物の削減、リサイクルやアップサイクルなどのプロジェクトの立案・推進を行っています。会社全体やステークホルダーの皆さまを巻き込むことで、より広く活動を展開していきたいと考えています。

日本ロレアル株式会社の嶋村健作様 佐藤浩志様

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