2020年8月、新店舗のオープンに伴いRemoteLOCK 8jをご導入いただき、無人店舗を実現するセキュリティとして活用いただいています。本インタビューでは、無人店舗という新しい業態の狙いやそれを実現する仕組みについてお伺いしました。
(掲載内容は取材日:2020年9月時点の情報です)
< STAMPの無人店舗が入っているb8ta Tokyo ー有楽町駅至近ー >
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解決策 |
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効果 |
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- Q.STAMPについて教えてください。
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自分の体型にフィットとした服をご提供するため、3Dスキャナーで体型をスキャン。体型に合わせたカスタムオーダーができる体験型の店舗です。スタッフはいない無人の店舗となっており、採寸は無料・セルフで行っていただく仕組みです。
店頭では体型のスキャンデータを取って、そのままor後日にオンラインでご注文が可能。ご注文から1ヶ月で、自分の体型にあったオーダーメイドのジーンズが届きます。
- Q.事業スタートの経緯。ターゲットはどんな人?
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弊社FABRIC TOKYOはオーダーメイドのスーツを提供するアパレルメーカーです。通常店舗ではスタッフが接客の上でスーツの販売を行っていますが、STAMPではカジュアルウェアの提供、店舗も無人という新しい業態に挑戦しています。
FABRIC TOKYOでは以前から、"まだ自分たちが取りきれていない顧客層がある"という課題感をもっていました。そのため事業スタートの目的はズバリ、新規顧客層の取り込みです。
市場のヒアリングを進めていく内に、IT企業やスタートアップなどで働く人が特に、洋服に困っていることがわかりました。STAMPでは、スーツを着ずに働くIT企業やスタートアップ、デザイナーなどの皆さまをメインターゲットに考えています。「オン・オフの垣根なく着られて、快適性があり、自分らしさを表現できる服がほしい」という要望にこたえるSTAMPの事業を通じて、"自分らしく働く"を実現するお手伝いがしたいと思っています。
- Q.店舗の利用方法を教えてください。
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来店は予約制になっています。来店予約はQRコードからLINEの友達追加をして行います。LINEで会員登録と来店予約をすると、最後にその時に入室できるリモートロックの暗証番号が表示されます。
暗証番号を押して店舗内に入ると計測場所になっています。タブレットの指示にしたがってスキャンが出来るようになっていますが、何か質問などが出てきた場合はLINEでやり取りをしています。また、予約なしで来店があった場合は、予約なしの方向けにQRコードが表示されますので、予約枠の空きがあれば、その場で申し込みもできます。
- Q.店舗の無人化。その狙いを教えてください。
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やはり固定費がない(少ない分)、ビジネスモデルとして商品をリーズナブルに提供できています。店舗固定のスタッフがいないので、わかりやすく言うとアルバイトスタッフ代で月30万円が浮いています。
店舗の出店費用について、通常1店舗を出店するには家賃や店舗設備が数千万円単位となり、それなりの費用が掛かってしまいますが、店舗形態を変えることで、1.2坪という非常に小さいスペースでお店が出せており、出店費用が抑えられています。
出店の自由度があがることで今後、空きスペースの活用など通常だと店舗にできなかった場所への出店も可能性があると考えています。
- Q.「店舗」なのに接客はしなくていいんですか?来店の反応を教えてください。
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無人のお店というのが話題になって、逆に楽しみにして来られるお客様が多いです。情報感度が高いからか、意外にも利用方法などは戸惑わずにやっていただけているようです。
私たちの店舗では、体型を測るためお客様にとってセンシティブな情報もあります。実際、自分の体型がデータ化されて数字として示されると、場合によってはちょっとショックだったり、インパクトがある出来事だったりします(笑)。そういうシーンでは、逆に接客スタッフがいないことがプラスにはたらき、無人だからこそ心理的な負担が少なくなり、気軽に利用していただけると思っています。
また出店先のb8taのコンセプトでもありますが、スタッフから無理な販売などは行わず、あくまでお客様にゆっくり自分のペースで体験を楽しんでほしいと思っています。
- Q.顧客とのコミュニケーションはどうデザインしていますか?
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先ほどの話とも関係しますが、一般的な店舗は、「販売」の場であり、お客様にご購入いただけるようにスタッフサイドも販売のノルマなどをもっているのが普通だと思います。
ところが実際の買い物の仕方は異なっていて、リアルの店舗とオンラインのショップの両方を行き来するなど複雑化しています。私たちの店舗では、お店は購入(販売)場所ではなく、商品を知っていただく最初のタッチポイントだと思っています。
そのため店頭では体験にこだわり、その後のメルマガやLINEなどの継続的なコミュニケーションの中でお客様になっていただければと考えています。
- Q.実は2店舗目からのスマートロック 導入。1店舗目とは何が違いました?
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1店舗目では、STAMPに併設して自社のショップがあったため、何かあれば自社のスタッフが対応できるようになっています。実際、細々した問題が発生することもあるため、人による対応もしています。
ポップアップストア、リアル店舗に続く2店舗目では、本当に人がいなくても成立することを実証する必要がありました。そのため、誰でもフリーに入れる状況ではなく、予約システムとセキュリティが重要になったため導入にいたりました。無人化の仕組みの理想は、ATMのような安定運用ができることだと思っています。
- Q.数あるスマートロックの中でRemoteLOCK 8jを採用した理由を教えてください。
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そもそも論にはなってしまいますが、スマートロックが色々あるとは言え、
・来店者向けに、アプリやICカードでない仕組みであること
・時間単位の予約スケジュールに対応できることを満たせるものを考えるとその時点でほぼ選択肢がないですよね(笑)。そうした使い勝手は重要だと思う一方で、 店舗・ブランドのコンセプトから「見た目で興味をひく」店舗づくりにもこだわっていました。そういった面で決め手となったのはデザインで、自分たちのブランド・世界観にマッチするのがRemoteLOCK 8jでした。
- Q.今後の事業展開や構想を教えてください。
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現在はオーダーメイドのジーンズを提供していますが、ジーンズに留まらずTシャツやジョガーパンツ、ジャケットなど今後徐々にアイテムを拡大させていきたいと思っています。また、3Dスキャンした体型データがあるので、アバター化して洋服を着せてみれるのも面白いねと話しています。
店舗数の拡大はもちろんありますが、将来的には、洋服にまつわるインフラとなるプレーヤーとなりたいと考えています。
RemoteLOCKチームよりコメント
いかがでしたでしょうか? 最新のテクノロジーを駆使した店舗で、取材時の体型スキャンも非常にワクワクした体験でした。株式会社FABRIC TOKYO様では、ビジョンも含め非常に先進的な取り組みをされており、無人型店舗をご検討するみなさまに広く参考にして いただける事例かと思います。東京駅近郊にお立ち寄りの際は、ぜひ一度STAMPの店舗に立ち寄ってみて頂ければと思います。