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公開日2023.07.12

最終更新日2023.09.22

現役民泊経営者が解説する失敗しない民泊の始め方とは?

民泊をこれから始めようと考えた際に、何から手をつければ良いかわからないということが非常に多いです。今回は実際に民泊を運営している筆者が、民泊物件探しから民泊運営を開始するまでの「1から民泊を始める方法」についてお伝えしています。

民泊とは?

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そもそも民泊にはホームステイのような「家主在住型民泊」とホテルのようにゲストのみが宿泊する「家主不在型民泊」があります。どちらの場合にも民泊に区分されますが、各自治体に「民泊を運営する」ということの届出を出す必要があります。

また、届出の種類によっては年間180日しか運営できない場合もあり、民泊運営の制限があることもあります。とはいえ、東京都内や大阪、沖縄などの主要観光都市や地方の場合でも観光地に近い場合は180日のみの運営でも十分な売上を立てることができます。

民泊を始める時の申請の種類

実際に民泊を始める際には、先ほどお伝えしたように行政から民泊運営の許可を得る必要があります。申請の種類としては以下の3種類です。

民泊運営に関する申請の種類

  • 民泊新法(住宅宿泊事業)
  • 旅館業(簡易宿所)
  • 特区民泊

それぞれ、特性や制限などが異なるため詳しくお伝えしていきます。

民泊新法(住宅宿泊事業)

民泊新法の場合は、保健所への届出のみで民泊運営が可能なので、比較的簡単に始められる方法です。一方で、年間180日しか民泊運営ができないという制限があるため、短期間にしっかり売上を立てられるように宿泊単価を上げる工夫が必要です。

なお、民泊新法の場合でも火災報知器や消化器などの消防設備、緊急時の駆けつけ要員の体制など法律に基づく体制が求められるため、すぐに民泊を始められるものでもないのが実情です。とはいえ、これからお伝えする3種類の中では最もハードルの低い民泊運営方法になります。

旅館業(簡易宿所)

旅館業の場合は一般的なホテルと同じ扱いになるため、年間365日運営できるのが特徴です。その代わり、消防設備や非常用設備などは厳格に決められており、消防設備の設置費用がかさむ可能性があります。

また、場所に関しても学校や幼稚園などの教育施設から〇〇m離れている必要があるという要件があったり、住宅街では運営できなかったりと立地に関する制約も多いのが特徴です。これらのハードルを乗り越えられる場合は1年中運営できるため、最も売上を立てられる方法になります。

特区民泊

特区民泊はここまでお伝えしてきたような消防設備や立地条件などの規制が比較的緩く、簡単に民泊を始められる特別な地域になります。具体的なエリアとしては、福岡県福岡市や東京都大田区など特定の地域のみになります。

これらの地域では運営日数の制限もなく、365日運営できるのが特徴です。一方で、民泊運営者の中でも人気エリアになり、プロが参入していることが多いため、初心者の場合は赤字になるリスクもあります。

そのため、民泊を始める場合は民泊新法か旅館業のどちらかでのスタートすることをおすすめしています。

失敗しない民泊の始め方

このように3種類の方法で民泊の申請が可能ですが、実際に民泊を運営するにはその他にもやるべきことが非常に多いのが実情です。どのように民泊の準備をして、運営を始められるようにするのか、全体像をお伝えします。

民泊を運営できる物件探し

まずは民泊を運営できる物件を探すことから始まります。大きく分けると、民泊運営が可能な賃貸を借りるか、一戸建てやアパート一棟などを自社で所有する2種類の方法があります。

賃貸の場合は転貸可能な物件でなければ民泊運営ができません。一方で、費用はかかってしまいますが、物件を購入して所有物件として扱えば家賃もかかりませんし、利益率も高くなるので予算がある場合は物件を購入するのがおすすめです。

民泊の条件に合う消防設備の設置

民泊物件を確保した後に、民泊の許可を通すためには民泊に適した消防設備の設置が必要です。旅館業や民泊新法などそれぞれの申請種類によって必要な消防設備は異なります。

消化器や火災報知器のみで済む場合もあれば、誘導灯やマンション全体に非常ベルを設置しなければならない場合もあります。

場合によっては消火設備の設置に数百万円もかかることもあるため、物件の契約を結ぶ前に管轄の消防署に相談に行くことをおすすめします。

保健所に事前に相談

先ほどは消防設備が民泊の許可には欠かせないとお伝えしましたが、保健所の審査もあります。民泊や旅館として適切なトイレや台所、ベッドなどの設備が設置されているか?を確認されます。

生活をする上で必要な水回りや就寝スペースがあれば問題ないですが、法律が関わってくる場所でもあるため、保健所にも「本当に民泊運営ができるのか」について事前相談をすることをおすすめします。

家具やアメニティの設置

このようにして民泊の届出を行うと晴れて民泊運営ができるようになりますが、ゲストを迎えるためには家具家電、アメニティが必要になります。玄関の鍵は物理的な受け渡しが不要なRemoteLOCK(リモートロック)のような電子錠に付け換えたり、ベッドやテーブル、ソファーを置いたりするなど快適な居住空間を作れるようにしましょう。

ここでの注意点は生活に必要な物品の設置は必要ですが、ハイブランドで統一する必要はないという点です。あくまでも見た目がきれいで、使い心地が良いものを選ぶだけで十分ゲストの満足度は高まります。

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写真撮影

ここまでで物件は今すぐゲストを迎え入れられる状態にできていることでしょう。最後は民泊集客サイトに登録する民泊の内観写真を撮影します。

スマートフォンで撮影しても良いですが、素人感のある写真の場合だと予約の入りが悪くなる傾向にあるため、可能な限りプロカメラマンに部屋を撮影してもらう方が良いでしょう。

民泊集客サイトに登録

最後にゲストからの予約を獲得するために民泊集客サイトに宿を登録しましょう。一般的に以下のようなサイトに登録することでゲストからの予約が入りやすくなります。

集客サイト(OTA)の例

  • Airbnb
  • 楽天トラベル
  • じゃらん
  • Agoda
  • Booking.com

このような民泊集客サイトは月額料金が不要なことが多いため、予約が入る可能性を高めるためにも複数サイトに掲載することをおすすめします。

このようなステップを踏むことで、無事に民泊物件の確保から民泊運営を開始するところまで進めることができます。民泊運営開始まで、慣れている人であれば1ヶ月程度、初めての場合は2〜3ヶ月程度かかると見積もっていただくのが良いでしょう。

実際に民泊を始めるとどれくらい稼げる?

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それでは、実際に民泊を始めるとどれくらい売上を作れるのか気になるところです。実際に池袋で民泊を運営しており、全国の民泊施設の運用代行も行っている筆者が、現実的な売上シミュレーションをお伝えします。

今回は年間180日の運営制限がある民泊新法と、年間365日運営できる旅館業のそれぞれの売上予測を出していきます。

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民泊新法の場合

まずは年間180日しか運営できない民泊新法で運用する場合の試算です。民泊として半年しか運用できませんが、残った期間はマンスリーマンションとして貸し出すことで実質的に365日稼働させることができます。

東京都内の1Rの部屋の場合、宿泊者数が最大2名で月間平均18日ほど稼働することが多いです。宿泊単価は1泊1.2万円程度のため、月間21.6万円が売上になります。

年間180日しか運営できないため、10ヶ月間を民泊として運用し、残りの2ヶ月はマンスリーマンションとして月18万円ほどで貸し出すことが可能です。そのため、年間売上は252万円になります。

なお、より多くの宿泊者を泊められる1LDKや一戸建ての場合は月間20日以上稼働し、宿泊単価が3万円前後のため、月間50万円以上の売上を立てることが可能となります。

旅館業の場合(365日稼働)

先ほどの民泊新法とは異なり、年間365日運用可能な旅館業の場合はマンスリーマンションとして貸し出さずに、売上がしっかり立つ民泊として運用可能です。1Rマンションの場合だとホテルと競合するためあまり365日運用する恩恵を受けにくいですが、1LDKや一戸建ての場合は旅館業の恩恵を非常に受けられます

例えば、月間20日稼働して宿泊単価が3万円の場合、民泊新法の場合は180日のみの運用のため、年間売上が540万円です。しかし、旅館業の場合は365日運用できるため、年間720万円の売上になります。

このように、規模が大きい民泊ほど旅館業を取る恩恵を受けられます。

失敗しない民泊の始め方のコツとは?

民泊を始めるということは賃貸の初期費用に家賃、家具家電など多額の費用が必要です。事業としてできるだけ成功確率を高めるためには以下の内容に気をつける必要があります。

押さえておきたい、民泊開業のコツ

  • 立地選びを妥協しない
  • 初期費用とランニングコストを抑える
  • 適切な料金設定

立地選びを妥協しない

民泊を始める際にできるだけ失敗したくないというご相談をよくいただきますが、最も重要なポイントは「立地」です。予約が入りやすい立地でなければ、どれだけ素敵な宿を作っても予約が入らないのが実情です。

例えば、東京であれば山手線沿線や浅草方面、横浜や大田区などの観光地や空港が近い場所。大阪であれば梅田や難波などのメインの観光地エリアが予約の入りやすい立地と言えます。反対に地方であれば観光地から近かったり、海が見えるオーシャンビューの立地などがおすすめです。

このように、民泊許可物件があるから参入するのではなく、しっかり予約の入る立地に物件を構える必要があるのです。

初期費用とランニングコストを抑える

実際に民泊を運用するにあたって、可能な限りコストを抑えて初期費用を早期に回収し、利益率を高める必要があります。例えば高級ブランドで家具家電を揃えてしまうと初期費用が高くつくため、ニトリやIKEAなどの安めの価格帯で質の良いものを取り揃えることがおすすめです。

また、民泊運用代行会社を入れる場合でも毎月10〜20万円かかることも多いですが、可能な限り安い代行会社を活用することをおすすめします。例えば、月額9,800円から民泊運用代行を行なう民泊管理バンクなどはコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。

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適切な料金設定

最後に、周辺の物件価格と同程度の料金設定にすることが重要です。初期費用や家賃、運用代行手数料などの経費を考えると宿泊単価を上げたいという気持ちになりやすいですが、単価を高くしすぎて、稼働率が下がってしまっては本末転倒です。

民泊新法の場合は毎月15日程度の予約が入る価格帯に設定しておくことで、最終的に毎月の売上額を最大化することが可能です。

【まとめ】正しく民泊を始めればうまくいく!

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今回は民泊の始め方についてお伝えしてきました。民泊の申請に関しては法律が絡み、必要書類も複雑になるため、行政書士に頼ることをおすすめします。一方で、申請業務以外の民泊の準備や民泊集客サイトへの登録などは比較的簡単に対応できるため、ご自身で進めていただくのが良いでしょう。

また、民泊は立地とコストカットをどこまでうまくできるかが、民泊運営での成功の分かれ道です。しっかりと立地と民泊運用代行会社を見極めていただければと思います。

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