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公開日2018.08.14

最終更新日2021.11.18

民泊ではまだ主流?キーボックスのメリット・デメリットとは?

民泊やレンタルスペース経営をはじめようとすると必ず検討しなければならないのが「鍵の受け渡し方法」と「鍵の管理方法」です。多くの方が「カギをどうやって渡そう」と考えると思いますが、実は「管理方法」、つまり物理的な鍵をどのように持っておくべきかも同時に考える必要があります。今回は民泊等における鍵の受け渡しで多く用いられている「キーボックス」のメリット・デメリットについて考察します。

 

1.そもそもキーボックスによる鍵の受け渡しって?

 

keybox

 

まずキーボックスについて改めて説明いたしますと、「暗証番号で開けることができる物理鍵を入れられる箱」です。開け方は主にダイヤル式やボタン式で、暗証番号は4桁が主流です。主にドアノブやドア近くの手すりなどに取り付けておき、暗証番号を予め利用者に伝えておくことで鍵の受け渡しを行います。

 

ダイヤル式の例:日本ロックサービス「鍵の預かり箱」

ボタン式の例:  計電産業「カギ番人」

 

なお、最近は物理鍵だけでなく、カードキーを入れられるタイプもあります。

 

2.キーボックスのメリット

 

キーボックスのメリットを改めて整理すると、以下のようになります。

価格の安さについては言うまでもなくメリットです。キーボックスを導入する際は少額の初期投資のみで、導入後は故障がない限りずっと利用できる点はとって嬉しいことです。中の人は以前の民泊利用出張で故障にあたってしまったことがありますが、それは不運としか言いようがなかったかも知れないです…泣

 

キーボックスのメリット まとめ

・本体価格は3,000~5,000円程度でランニングコスト不要

・工事不要の簡単設置

・誰でも分かるユーザインターフェース

ただ、実は最大のメリットは「誰でも分かるユーザインターフェース」ではないかと思っています。鍵の受け渡しで主流だった(今も主流ですが)のは「万人に受け入れられ続けてるから」ではないかと。暗証番号を伝えればほぼ全ての人が使い方が分かる(番号を合わせる・押すだけ)というのは素晴らしいユーザインターフェースです。

 

また、工事が不要で「ドアまたはドア周辺に取り付けておくだけ」という設置の簡便さも導入ハードルの低さという点でメリットです。

 

この記事を執筆するにあたり見つけた「キーボックスの種類・設置場所」のブログでぜひ取付例をご確認ください。

 

参考:古賀裕士の不動産コラム「いろんなカタチのキーボックス」(2018/8/13閲覧)

 

 

3.キーボックスのデメリット

利便性が高いキーボックスですが、利用する際に注意しておく点もいくつかが挙げられます。例えば、物理的な箱である以上避けられない問として、現地に行かなければキーボックスは暗証番号を変更することが出来ません。そのため安全な鍵の受け渡しを目指せば目指すほど、利用頻度に合わせて暗証番号を変更しなければならないので、いわゆる「オペレーション負荷」がかかってしまいます。

キーボックスのデメリット まとめ

・暗証番号を使い回すとセキュリティリスクが高まる(勝手に使われる)

・集合玄関があると設置場所選定が難しい

・鍵の紛失(故意・過失)、不正コピーが避けられない

・暗証番号の設定ミス(ヒューマンエラー)が発生

 

一時期、変更していない暗証番号を使って勝手に部屋に入ったり、部屋内の犯罪に使われた事例がニュースになったことがあるように、物件管理者が変更の手間を惜しんだことも犯罪に巻き込まれてしまった要因の一つだったのではないかと考えられます。

 

また、集合玄関があると「建物外」に設置しなければならなくなり、鍵管理者はもちろん、利用者、さらに周辺住人が心理的に不安になるかも知れません。

 

最後に盲点になるのが「鍵の紛失」「不正コピー」。ウェブではなかなか出てこない「声」なのですが、お客様(特に法人またはビジネスとして不動産業をされている個人の方)との打ち合わせで印象的なのがこれです。

 

リスクを放置(または覚悟)でそのまま利用するということもあるかもしれないのですが、法人の場合社会的制裁を負う可能性が高いため、紛失・不正コピーを防ぎたいという要望はありつつ、いまはコストと手間に考慮したうえでやむを得ずキーボックスを利用しているとのこと。

 

また、紛失した場合は鍵をコピーする必要がありますが、安全性を本当の意味で担保する場合、シリンダー交換をしなければならないためシリンダー代と交換手間賃で1万円以上はかかります。「セキュリティリスクをどこまで許容できるか」という以前のブログ記事に関連する話ですが、民泊・レンタルスペース経営者の信念・哲学によってきそうです。

 

最後に…以前、中の人が遭遇したキーボックス自体の故障もありますが…これはレアケースですが念のため共有させていただきます。

 

4.スマートロックなら鍵の受け渡しが不要になる?

RemoteLOCK_cloud-image

こうしたセキュリティリスクを回避するべく生まれたのが「スマートロック」と呼ばれる製品群で、そもそも物理的なカギを使わないキーレスの運用が実現できます。その他にも、、最近よく目にする物理鍵を使ったサービスで「鍵の受け渡しサービス」というものがあります。鍵の受け渡しサービスでは「暗証番号の使い回し」「設置場所選定」というキーボックスの2つのデメリットを外部委託することで回避できるようになっています。

 

鍵の受け渡しサービスは、ターミナル駅近くに周辺地域の鍵を預かる場所が設置されており、鍵の利用者はなんらかの認証を行い、鍵を受け取るというサービスです。

 

有名どころだとキーステーションや、キーカフェがあり、キーカフェはRemoteLOCKと同様Airbnbの公式パートナーになっているため、予約と同時に受け渡し方法の通知ができるようになっています。キーカフェはランニングコストが高めですが、チェックイン代行を兼ねるサービスもあるようですのでフロントの人件費を外部委託する、と考えると割安感があるかもしれません。

追記:キーステーションも2018年airbnbパートナーズという日本のパートナー一覧に参画しています。

 

 

5.【まとめ】利用はカンタン、導入も手軽な「キーボックス」。番号の使いまわしや、鍵の紛失リスクには要注意!

 

「1つもしくは少数の物件で、かつ、暗証番号の変更が容易に出来る状況にある場合」は、キーボックスは非常に有効な鍵の受け渡し手段です。本記事で紹介したキーボックスのメリットをしっかり活かしながら、注意しておくべきデメリットをオペレーションでうまく解消できる場合、と言い換えられます。

 

安価で、簡単に設置できるため少数物件であれば簡単に準備することが出来ますし、暗証番号の変更が出来る状況(近くにお住まい、常駐)であれば毎回もしくはほぼ毎回チェックアウト後に変更すればセキュアな運用も可能です。

 

鍵の紛失、複製の可能性はついてはどうしてもリスクとして残りますが、少数物件であれば交換やシリンダーの入れ替えも、発生件数・率を考慮に入れるとそこまで高額なコストにはならないと考えられます。(逆に物件数が多ければ多いほどその管理コストが発生する)

 

本記事が鍵の受け渡し手段の検討の一助になれば幸いです。

 

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