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公開日2023.11.06

最終更新日2023.12.11

存在感を増す「ラグジュアリーホスピタリティ」需要。特に注目されている運営形態は?

近年、「ラグジュアリーホスピタリティ」を体現したホテルが、日本でも存在感を増しています。単純に「高級」だけではなく、質の高い「おもてなし」が提供されるホテルですが、特に注目を集めている4つの運営・施設形態をご紹介するとともに、なぜ需要が伸びているのか、その理由についても解説します。

存在感を増す「ラグジュアリーホスピタリティ」ホテル

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世界的に、高級ホテルの需要が大きく高まっています。日本でもその傾向は強く、特に「ラグジュアリーホスピタリティ」を提供する超高級ホテルの建設が相次いでいます。

そもそも「ラグジュアリーホスピタリティ」とは何か、そして、注目されているホテル形態や、求められている背景をご紹介します。

ラグジュアリーホスピタリティとは

ラグジュアリーホスピタリティとは、単に「贅沢なおもてなし」というわけではなく、質の高いサービスを提供することで、受け取り側と提供側の双方が高い満足感を得ることのできるサービスを指します。

そもそも「ホスピタリティ」とは、ラテン語のhospes(ホスペス:客をもてなす主人)に由来しており、「ホスピタル(病院)」や「ホテル」などのサービス業の語源でもあります。一般店舗などの接客より少し上の、「もてなし」が伴った接遇といえるでしょう。

「ラグジュアリーホスピタリティ」はその最たるもので、サービスを一方的に提供するだけではなく、提供する側と受ける側双方の満足により、サービスの価値をさらに高めることができます。

ラグジュアリーホスピタリティの追求は、「ここなら満足の行くサービスを受けられるだろう」「この施設(ブランド)なら間違いない」といった、強固な信頼を得ることが可能となります。

「ラグジュアリーホスピタリティ」を満たす、注目のホテル形態4つ

近年、日本でもラグジュアリーホスピタリティを満たすホテルが注目されるようになりました。
とくに、次の4つのホテル形態が人気を博しています。

注目されている「ラグジュアリーホスピタリティ」ホテル4形態

  1. ラグジュアリーホテル:最高級ホテル
  2. スモールラグジュアリーホテル:小規模な最高級ホテル
  3. プライベートヴィラ:高級な一棟貸し宿泊施設
  4. グランピング:ホテルなみのキャンプ施設

日本では、昔から独自の「おもてなし」や「気配り」などが当たり前のものとして提供されてきました。しかし、このようなホテル形態を取ることで、「満足」が確約されている施設として認知され、わざわざ選択されるのです。

なぜ、高級ホテルが求められているのか

では、なぜ高級ホテルが求められているのでしょうか。大きな理由として次の2つが挙げられます。

1・富裕層インバウンドが増加した
2・宿泊自体にお金をかける傾向が強くなった

それぞれ解説します。

富裕層インバウンドが増加した

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コロナ以降、急激にインバウンド需要が回復していますが、特に「富裕層」の増加が顕著となっています。日本には丁寧なおもてなしを提供する高級旅館等がありますが、独自の宿泊文化や寝具などの問題で、世界基準である「ホテル」が選ばれるのです。

ホテルの中でも知名度のあるラグジュアリーホテルでは、「どのような国でも間違いがない」「安心できる」ことから、富裕層に好まれます。

宿泊自体にお金をかける傾向が強くなった

コロナ禍では、小旅行はもちろん、ちょっとした遠出さえできないストレスフルな状況でした。そのような体験から、観光などが目的ではなく、「ホテルでゆっくり過ごす」ことが目的となるケースが増えるようになりました。

中でも高級ホテルでは、ホテルの滞在が快適であることはもちろん、ホテル独自のサービスやアクティビティで飽きることなく過ごすことができます。満足できる空間でゆっくりと寛ぐために、あえてラグジュアリーホスピタリティを味わえるホテルを選択する人が増えているのです。

「ラグジュアリーホスピタリティ」ホテルごとの特徴とニーズ

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ラグジュアリーホスピタリティが浸透しているホテルには、どのような特徴やニーズがあるのでしょうか。


カテゴリごとに、それぞれ解説していきましょう。

最高級の設備とおもてなし「ラグジュアリーホテル」

ホテルの中の最高ランクを「ラグジュアリーホテル」といいます。日本では、ホテルのグレードに関する明確な定義はありませんが、海外では主に下記のような5つのランク等に区別することが多いようです。

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ラグジュアリーホテルは、ホテルの中で最も豪華な施設や客室で、質の高いサービスを受けることができるホテルです。世界的に展開しているホテルが多く、リッツ・カールトンやマリオット・ホテル、ウエスティンホテルなどが特に有名でしょう。

高度なサービスが保証されているので、贅沢にリラックスしたい人に好まれるホテルです。

柔軟できめの細かいサービスならスモールラグジュアリーホテル

スモールラグジュアリーホテルは、直訳すると「小規模な高級ホテル」となります。小規模だからこそ実現可能な、行き届いたきめ細かいサービスを受けられることが大きな特徴といえるでしょう。

一般的に、ラグジュアリーホテルは広い庭園や大規模な施設などが自慢の大型ホテルが多く、移動だけでもある程度の時間が必要なことも少なくありません。コンパクトながらも贅沢なスモールラグジュアリーホテルは、高級ホテルを気軽に利用したい人や、よりパーソナルなサービスを受けたい人に人気があります。

贅沢な私的空間を満喫できるプライベートヴィラ

プライベートヴィラは、最上級ランクの一棟貸し宿泊施設です。一棟貸し宿泊施設には、コテージやロッジなどもありますが、プライベートヴィラはホテルなみのおもてなしと施設が完備されています。

客室内外に露天風呂やバーベキュー施設、プール、プライベートビーチなどが備わっており、他のゲストを気にせず宿泊を楽しむことができます。施設によってはスタッフとも会わずに済むことも可能です。

宿泊を、グループや家族だけで楽しみたい、完全にプライバシーを邪魔されたくない人などに人気の施設です。

あわせて読みたい記事

ホテル感覚でアウトドアを楽しめるグランピング

アウトドアやキャンプを、ホテル並みの設備で楽しめるのがグランピングです。野外活動における「不便さ」が一切なく、ホテルに宿泊するように自然を感じることができる施設です。

宿泊施設には、ドーム型の大型テントやコテージ、トレーラー型など様々な形状があり、建設物とは違った非日常感が人気の理由の一つとなっています。バーベキューの器具などは常備されており、食材も地元の特産を生かした海鮮や肉、野菜などが豊富に用意されています。

気軽に安全にキャンプ体験をしたい人、整った設備で安心してアウトドアを楽しみたい人が好んで利用しています。

これからの高級ホテルの演出に欠かせない3つのサービス

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ラグジュアリーホスピタリティの味わえる高級ホテルは、これからもますます需要が大きくなると予想されます。

とはいえ、単純に贅沢な設備やサービスを提供するだけでは、ゲストに選択してもらうことが難しいでしょう。ホテルの価値を上げ、「このホテルなら選んで間違いない」と大きな信頼を得るには、次の3つのサービスが欠かせません。

ゲストに信頼されるホテルになるための3つのポイント

  1. そのホテルならではのアクティビティ
  2. 昔ながらのおもてなし
  3. 最新のITツールを利用した利便性と安全性の提供

それぞれ解説していきましょう。

そのホテルならではのアクティビティ

ホテルならではのアクティビティは、必須といえるでしょう。そのホテルでしか体験できないものや、今までにない経験は、ホテルの価値を上げ、熱心なリピーターを生み出します。

アクティビティの一例

  • ホテル専用の釣り場が利用できるフィッシングクルージング
  • 客室に専用のサウナやスパ
  • 絶景の中での瞑想ルーム
  • 地元の重要文化財を巡るオリジナルツアー
  • ジエビが味わえる欧風レストラン
  • ホテルエリア内でのキャンプやグランピング
  • ホテルエリア内でのファームピクニック
  • カヌー体験海上ラウンジ

最近では「贅沢な施設」よりも、「大自然を贅沢に味わえる」体験こそが、顧客満足に繋がる傾向にあります。地の利を生かしたアクティビティの提供が重要です。

昔ながらのおもてなし

質の高いおもてなしは、高級ホテルには欠かせないでしょう。ただし、日本のおもてなし(サービス)は、世界最高レベルなので、カジュアルなホテルとの明らかな差別化が必要です。

そのため、多くの高級ホテルでは贅沢な施設や高級アメニティなどの、物質的なサービスや、「なんでも応えてくれる」コンシェルジュなどに注力することになりがちです。

しかし、より差別化を明確にするには、相手に見えない部分にまで配慮を施す、日本特有の「昔ながらのおもてなし」が必要です。和やかなお声がけや、ゲスト目線での接客、一息つく間を与える対応など、心地よいと感じられるような雰囲気を作ることは、日本が誇るおもてなしです。

これが、ゲストから「さすが」といわれるような、高い信頼を得ることに繋がります。

最新のITツールを利用した高い安心感

高級ホテルでは、ゲストがいかに快適で安心して過ごせるかが重要です。そのためには、最新のITツールを取り入れて、利便性や安全性を高めることも考えられます。

たとえば、世界的造園デザイナー石原和幸氏が庭園を手掛けた「陣屋 緑屋」は、昔ながらの旅館風ホテルでありながら、最新ITツールを駆使した「モバイルコンシェルジュ」で、快適な宿泊体験を提供しています。

ゲストは、予約からチェックイン、チェックアウト、ルームサービス館内でのサービスの申し込みを、手持ちのスマートフォン一つで完了することができます。さらに2次元バーコードを利用したスマートキー(RemoteLOCK)で、物理的な鍵を持ち歩くことなく、客室の開閉ができるようになっています。

最新のIT技術の導入で、ゲスト滞在中の一連の流れが、快適に、スムーズに、そして安全に行われ、顧客満足度を高めています。

【まとめ】存在感を増す「ラグジュアリーホスピタリティ」ホテル

いかがでしたでしょうか?世界的に「ラグジュアリーホスピタリティ」を体験できる高級ホテルが増加しています。中でも注目を集めているのは、次の4つの形態のホテルです。

ラグジュアリーホテル:最高級ホテル
スモールラグジュアリーホテル:小規模な最高級ホテル
プライベートヴィラ:高級な一棟貸し宿泊施設
グランピング:ホテルなみのキャンプ施設

しかし、単に豪華で過剰な設備やサービスを提供すればいいわけではありません。サービスを提供する側と提供される側双方が共に満足し、信頼関係を高められるようなサービスでなければ、真の「ラグジュアリーホスピタリティ」とはいえないでしょう。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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