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公開日2021.12.21

最終更新日2023.09.15

レジデンシャルホテル運営におけるチェックインと鍵の受け渡し方法を解説

近年、日本のホテルの多様化が進んでいます。中でも家族やグループが、ホテルクオリティでありながら自宅のように快適に過ごせる「レジデンシャルホテル」が注目を集めているのをご存知でしょうか。非日常感を演出しつつ、業務の効率化を目指すためには、チェックイン体制と鍵の受け渡しがポイントになります。その運用方法について、最新の事例とともにご紹介します。

レジデンシャルホテルとは

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レジデンシャルホテルとは、家族やグループ単位で宿泊できる、中期〜長期滞在型のホテルです。「レジデンシャル」という言葉には「住居用の」という意味があり、自宅にいるかのように快適にホテルで過ごすことができます。そのため、生活するための設備や道具が完備されていますが、ホテルならではの「非日常感」や「上質な空間」があるのが大きな特徴です

ホテルクオリティでありながら、自宅のように過ごせるので、小さなお子様のいる家族連れや、グループ単位での利用も目立ちます。レジデンシャルホテルと同様、生活設備が整っているホテルとして、コンドミニアムやアパートメントホテルなどがあります。それぞれの特徴としては以下のようにまとめることができます。

コンドミニアムとアパートメントホテルの違い

コンドミニアム

レジデンシャルホテルと同様、中期ステイ向きのホテルです。
どちらかというと観光地やリゾート地に多いのがコンドミニアム、都市型なのがレジデンシャルホテルと区別されます。


アパートメントホテル

こちらも中期滞在型ではありますが、滞在を楽しむというよりは、アッパークラスの出張や単身赴任などに使われることが多いのが特徴です。

レジデンシャルホテルでおすすめのチェックイン体制

上記のように、レジデシャルは一般的なホテル以上に、滞在自体の快適さや心地のよさが求められます。一方で、家族やグループなど、大人数で長期間利用するゲストも多いので、通常のチェックイン体制では手間がかかることはさけられません。

特にチェックインやチェックアウトが重なる時間帯などは、多人数分の確認作業など、かなりの時間をお待たせするケースもあります。せっかくゆったりと過ごそうしているゲストも、待ち時間が長いことで期待値が下がる可能性もあります

フロントオペレーションを効率化するとともに、ゲストへ提供する非日常や滞在の快適性を両立させるにはどうしたらいいのでしょうか?

セルフチェックインシステムの活用

そういった問題を解決するのが、「セルフチェックイン」や「無人チェックイン」といったシステムの活用です。セルフチェックインとは、ホテルスタッフが対応せずに、ゲストがモバイルや機械を使って自分でチェックインを行うシステムです。以前はカプセルホテルやビジネスホテルの一部で利用されていたシステムですが、今では多くのホテルで導入が進んでいます。

特にコロナ以降は、対面でのチェックインや鍵の受け渡しなどの「接触」を避けたいと考えるゲストが増えたことや、セルフチェックイン自体がまだ珍しいこともあり、「面白い」と好意的に受け入れられることも多くなっています。

レジデンシャルホテルのセルフチェックイン導入メリット

  • フロント業務の効率化が進み、スタッフはおもてなしや独自サービスに注力できる
  • チェックイン状況などのデータ管理が遠隔から簡単に行える
  • 非対面で感染症対策につながる。感染症対策の徹底をアピールできる
  • チェックイン・チェックアウトがスムーズになり、フロントの混雑が緩和される

チェックイン自体を非対面や非接触で行うことは、ゲストにとっても運営者側にとってもメリットが大きいものです。

レジデンシャルホテルでおすすめの鍵の運用

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上記のように、レジデンシャルホテルでセルフチェックインシステムを導入すると、フロント業務効率化が進み、チェックイン時の待ち時間も短縮されます。しかし、物理的な鍵の受け渡しがあると完全なセルフチェックインにならず、ゲストはセルフチェックインをした後、フロントで鍵の受け渡しを行うことになります。ホテル運営側にとっては、鍵の受け渡しを行うだけなのでフロント業務の簡略化につながりますが、ゲストにとっては二度手間だと感じられることもあるでしょう。

また、鍵の受け渡しによる時間的ロスや、鍵の持ち歩き、管理のわずわらしさ、紛失の心配などは、レジデンシャルホテルに非日常感や癒しを求めているゲストにとって負担になることもあります。さらにコロナウィルスの影響もあり、人による鍵の受け渡しや使い回しを好まれないゲストもいるのです。

セルフチェックインとスマートロック

快適さが求められるレジデンシャルホテルにおすすめなのが、スマートロックといわれる電子キーの運用です。スマートロックとは、物理的な「鍵」の代わりに、スマートフォンのアプリやパスワード(暗証番号)でドアの施錠をおこなうシステムです。

パスワードには有効期限を設定することができるので、チェックイン期間以外の不正侵入を防いだり、物理的な「鍵」にありがちなトラブルも回避できます。パスワードの発行や解錠情報の確認はすべてオンライン上で管理することが可能です。

セルフチェックインシステムとスマートロックを組み合わせることでメリットが大きくなります。

レジデンシャルホテルにスマートロックを導入するメリット

  • セルフチェックインシステムとスマートロックを連携させることで、フロント業務の自動化が実現
  • 非対面・非接触での鍵の受け渡しができ、感染症対策になる
  • 宿泊予約から入室情報、チェックアウトまでを一元管理できる
  • 物理的な鍵が不要になり、紛失や持ち帰りなどの鍵トラブルがなくなる
  • 予約に合わせた有効期限を設定できるので、不正使用を防げる

スマートロックの導入はホテル事業者だけではなくゲストにとっても次のようなメリットがあります。

スマートロックのゲスト側のメリット

  • 鍵の持ち歩きがなく快適
  • 多人数でもパスワードをシェアできることで自由行動ができる
  • 外出時でもフロントに鍵を預ける手間がいらない
  • チェックインやチェックアウトが短時間でスムーズに行える

このようなことから、フロントスタッフを少人数にし、おもてなしやサービス向上のためにスタッフを配置することが可能になります。また、ゲストにとってもスムーズなチェックインや鍵の持ち歩きや管理が必要ない利便性などは、滞在時の満足度を底上げることになります。

では、実際にスマートロックを導入し、注目を集めているレジデンシャルホテルの実例を紹介しましょう。

RemoteLOCK 宿泊事業向け DX事例集はこちら

金沢市初の滞在型レジデンシャルホテル【so, KANAZAWA】

出典 :
so, KANAZAWA

「so, KANAZAWA」は地元金沢の工芸作家とコラボレーションし、非日常的な空間の中でも自宅のように快適に過ごすことができる滞在型レジデンシャルホテルです。ゲストにゆっくりと過ごしてもらうため、スタッフは常駐せずに、セルフチェックインシステムと暗証番号式の鍵を採用することで無人運営を実現しているそうです。(「so, KANAZAWA」WEBサイトより)

家族やグループが別々に自由に行動することが可能になり、さらに「誰とも会話することなくチェックインができて感染症対策ができていると感じた」、「無人チェックインなので、すぐに部屋に行けるので楽でした 」など、ゲストから満足の声が寄せられています。

非日常感を身近に感じる【RANDOR HOTEL(ランドーホテル)】

“宿泊×IT = ホスピタリティテック”をコンセプトに掲げている「RANDOR HOTEL(ランドーホテル)」は、こわだりがあふれる上質な滞在空間で、手軽に「非日常を味わえる」と人気を集めています。豪華で快適な空間を提供する一方で、ITを積極的に取り入れ運営を効率化しています。

一部施設を除く250室で弊社のRemoteLOCK 7i(リモートロックセブンアイ)を採用しており、ゲストごとにルームキーを自動発行することで、フロント業務の自動化に成功。操作に慣れないゲストには個別に丁寧に説明するなど柔軟な対応もあり、顧客満足度の高いホテルです。

【まとめ】レジデンシャルホテル運営におけるチェックインと鍵の受け渡し

いかがでしたでしょうか?レジデンシャルホテルは上質な空間や非日常感がコンセプトになる施設ですが、設備の質やスタッフによる「おもてなし」だけがゲストの満足度を上げるわけではありません。スムーズなチェックイン・チェックアウトや鍵の管理のわずらわしさからの解放、さらにはスタッフがいないことで開放感を味わっていただくことさえ可能なのです。

雑務の多いフロントオペレーションを効率化・自動化するとともに、ゲストへ提供する滞在の快適さを両立させるためには、積極的にセルフチェックインシステムやスマートロックなど、ITシステムの導入も考えてはいかがでしょうか?

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