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公開日2022.06.01

最終更新日2024.01.18

店舗やSCも!「モノ売り」から「コト売り」でヒットを生む!

「モノを売る時代は終わった」とよくいわれるようになりました。商品やサービスなど「モノ」を販売して完了するのではなく、そこから得られる体験や価値など「コト」を提供するビジネスが脚光をあつめています。競合との差別化に成功し、ヒットや集客に繋がる「コト売り」について、求められている背景や実践のポイント、最新事例について解説します。

モノを売る時代は終わった?!「コト売り」とは何か?

店舗・ショップ

いま「モノ」の売り方が大きく変化しようとしています。競合よりも質の良い商品を作ったり、値下げやセールを行ったりしても、昔のようにモノが売れなくなっているのです。もちろんコロナウィルスによる消費の落ち込みなどもありますが、実はそれ以前から「モノを売る時代は終わった」といわれるようになっています。

なぜそのようなことが起こっているのでしょうか?この章では、「モノ売り」から「コト売り」とはどういうことか、その背景とメリット、そして実際に実践するポイントなどをお伝えします。

「モノ売り」ではなく「コト売り」の時代へ

コト売り(コト消費)」という言葉をご存じでしょうか?コト売りとは、商品やサービス自体を売るのではなく、それを使って得られる体験や感動などに価値を置くというマーケティングや商売のことをさします。

たとえばホテルなら、ただ宿泊するのではなく、「そのホテルでどのような体験ができるのか」という体験価値で選ぶする人が増えています。

グランピングや一棟貸し宿泊施設が人気であったり、古民家などに宿泊できる分散型ホテルが注目を集めたりしているのも、そこでしか味わえないワクワク感や価値体験が人々の関心を集めているからでしょう。

「コト売り」が求められる背景

2019年に実施された内閣府の世論調査では、「これからは心の豊かさか・まだものの豊かさか」についての質問に、62%の人が「物質的にある程度豊かになったので、これからは心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたい」と回答しています。

一方、「まだまだ物質的な面で生活を豊かにすることに重きをおきたい」と答えた人の割合は29.6%となりました。多くの人が物質的に豊かな「モノ」よりも、ゆとりのある生活をする「コト」を大切にしたいと考えていることが明らかになっています。

そもそも日本は「モノづくり大国」ともいわれ、品質の良いもの、機能の優れたものを作れば売れると信じられてきました。人々も、「豊かな生活=最新の製品に囲まれた生活」と考えられていました。

しかし、バブルの崩壊とともに外国から大量の安い製品が流通するようになり、誰でも一定レベル以上の快適な生活を送れるようになりました。さらにマーケティングを駆使した、新しい視点の商品が入ってきたことから、ニーズの多様化が進んでいるのです。

「良い商品なのは当たり前」で、それによって得られる体験や感動が多くの人を惹きつけているのです。

「コト売り」へ移行するメリット

コト売りへと移行するメリットは、単に「お客様に選ばれるようになる」だけではありません。商品の価値そのものが上がるため、ファンやリピーターが増え、利益率の高いビジネスモデルとなります。

「コト売り」へ移行するメリット

  • 競合との差別化が進む
  • 価格を下げる必要がなくなる
  • SNSなどで拡散されやすくなる
  • 広告をかける以上に話題になる
  • 商品としての価値が高くなる
  • プロダクトサイクルが長くなる
  • 結果的に利益効率の良いビジネスモデルにもなる

一方、「モノ」だけにこだわっていると、競合との価格競争からいつまでたっても脱却することができません。新機能追加やモデルチェンジなどでお客様の目を引く必要があることから、プロダクトサイクルが短くなり、結局は薄利多売で収益率が悪くなってしまうのです。

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「コト売り」を実践する5つのポイント

モノ売りからコト売りに移行するには何をするべきなのでしょうか。
ここではポイントを5つにまとめてご紹介します。

①ブランドを作る(低価格競争からの脱却)

ブランドを作ることは、低価格競争からの脱却になります
ブランドといえば、高級ブランドをイメージして敷居が高いと思われるかもしれませんが、どんな商品でもブランド力を高めることは可能です。

例えば、「環境にやさしい」をアピールした商品はたくさんありますが、具体的にどのように優しいのかを説明している商品は案外少ないもの。そこで、実際にどのような効果があるのか実例をあげて紹介したり、プロダクトを作るための努力や担当者の苦労を発信したりすることで、共感してくれるファンがつくようになります。

「環境のために、こういう手間をかかっている」ということが伝われば、多少価格が高くても、それが「価値」となり、ブランドになるのです。ブランド力があがれば、競合と価格で比べられることがなくなるので、安易に価格を下げる必要がなくなります。

②同じ商品ではなく、同じ付加価値を持つものを競合と考える

競合と同じものをアピールしても、「たくさんある中の一つ」として埋もれてしまいます。どのビジネスでも同じですが、代わり映えしないような競合商品・施設とは価格競争でしか差を生むことができません。ポイントは「差別化」というよりも「独自性(オリジナリティ)」を打ち出すこととも言えます。

「商品」そのものは素晴らしくても、競合が多い場合はアピールすることができません。商品の特性と同じ価値を持つモノを競合とすることで、独自性を強めることができるでしょう。

たとえば、温泉で「美肌の湯」がアピールポイントなら、同じ温泉ではなく、エステなどを「競合」と考えます。

「エステに〇〇回通うよりも美肌効果を実感!」などとうたった宿泊プランを作成して、美肌効果のある食事を提供したり、ヨガやストレッチのアクティビティを取り入れたり、エステサロンさながらの美顔機の設置などが考えられるでしょう。

③SNSで拡散されるような「映え」を意識する

SNSを意識した商品や店舗作りをすれば、一気に拡散される可能性があります
SNSで大事なのは、ずばり「映え」と「話題性」です。

たとえばInstagramやFacebookは、「見る媒体」といわれるほど写真の比重が高いのが特徴です。お客様が次のように思われることで拡散されやすくなります。

・ちょっと人に自慢したい
・他の人に教えてあげたい
・感動を共感して欲しい

と思われるような商品や店舗作りが大切です。

一方、Twitterは「読む媒体」といわれ、話題性のあることが拡散されやすくなります。見た目や映えよりは、

・びっくりするようなトピックス
・他にはない特別なサービス

などを定期的に発信することで、拡散されやすくなるでしょう。SNSで拡散されるようになると、広告費をかけるよりも宣伝効果が高くなる場合があります。他にはない「コト」は大変話題になるのです。

④ストーリー性を意識し、「見える化」させる

商品や開発者のストーリーをあえて「見える化」することで、商品だけではなく会社のファンが増えます。人は、無機質に大量生産した商品よりも、完成までに歴史や苦労があった商品に心惹かれるからです。

たとえば、小豆島に「オリーブ牛」という牛肉ブランドがあります。もともとは「讃岐牛」といい、飛騨牛や神戸牛などのブランド牛に比べて影の薄いブランドでしたが、牛の飼料の主原料に小豆島の特産物であるオリーブを使用することで「オリーブ牛」としてブランド化。

健康や美容志向が強い方や美食家に「プレミアム和牛」として強くアピールすることに成功しています。

オリーブ牛は、ただ「美味しい」「健康的」をPRするだけではなく、オリーブ牛になるまでの苦労や、小豆島のオリーブの歴史と絡めたストーリーを公開することで、世界中から愛されるブランドへと成長しています。

人は、無機質に大量生産した商品よりも、完成までに歴史や苦労があった商品を好むのです。

⑤限定感、特別感を出す

商品やサービスがブランド化したり、根強いファンがついたりした場合、ついついたくさん提供したくなりがちです。あえて、限定感を演出することで、「今購入しなきゃ!」という意思決定の後押しができます。

たとえば、ある行列のできるラーメン屋では、店内にスペースがあるにもかかわらず、あえて入店人数を減らし、行列ができやすい環境を作り出しています。

行列を見た人は、「あんなに並んでいるのだから美味しいに違いない」と思いますし、実際に食べることができた人は商品に対して「特別感」やより高い「満足感」を得ることになるのです。

このように、商品そのものではなく、見せ方やポジションを変えるだけでも、価値提供ができるケースもあります。ここまで、「コト売り」が受け入れられている背景や、実施するポイントをお伝えしてきました。では、実際に新しい価値体験によってヒットを生み出している事例を2つご紹介します。

事例①小売業に新しい体験価値をもたらす「FABRIC TOKYO」

「売った後のサービス」という販売戦略が急成長の鍵となっているオーダースーツブランドのFABRIC TOKYO。創業当初オンラインで完結サービスとして運営していましたが、「実際に採寸して欲しい」という声が多く、リアル店舗を出店するようになりました。実際のお客様とのやりとりや気づきのなかで、売った後のサービスに力を入れるようになりました。

たとえば、アパレルはオンライン販売を行っているメーカーは多数ありますが、商品を発送すれば完了となります。商品が届いた先でお客様がどのように感じているのか、不満や悩み、アドバイスなどのサポートはほとんどありません。

しかし、FABRIC TOKYOは、体形の変化によるサイズのお直し、スラックス破損時の保証、オーダー品のサイズフィット保証を月額制のサブスクリプションで提供するサービスを展開。

さらにはリアル店舗で採寸したお客様個人のサイズデータと、好みのデータを組み合わせて商品をパーソナル化し提案することで、お客さまに価値を感じてもらい、オンラインでずっと購入していただける関係を築くことに成功しています。

最近では無人店舗の導入にも力を入れており、3Dスキャンで採寸するため、「人に採寸してもらうのは恥ずかしい」というお客様にも歓迎されています。

ただ商品を売るだけではなく、「お客様の価値体験」を高めることで熱心なファンになっていただけるという「コト売り」の成功事例といえます

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事例②体験をコンセプトとした新時代のSC「ららぽーと福岡」

2022年4月25日(月)にグランドオープンした「三井ショッピングパークららぽーと福岡」は、九州最大級のショッピングセンターとしてだけではなく、世代を超えて人と人がふれあい、つながり、「感動」を共有できる施設として注目を集めています。

施設のコンセプトは「出会い×体験の広場〜”ふれあい”と”つながり”の街へ〜」。ショッピングセンターでは珍しい農業体験ができる「アグリパーク」や、200m陸上トラックを有する「スポーツパーク」、遊具やステージを備えイベント開催が可能な「オーバルパーク」など、スポーツや趣味、エンターテイメントを通じて人と人がふれあい、つながることで生まれる「感動」を共有できる施設です。

さらに、周辺地域の団体と連携したイベント開催など、地域コミュニティの拠点として活用されることも期待されています。ショッピングセンターはもはや「モノ」を買うだけの場所ではなく、いかにここでしか体験できない「コト」を提供できるかがお客様に選ばれ、愛される要因となっているのです。

【まとめ】店舗やSCも!「モノ売り」から「コト売り」でヒットを生む!

いかがでしたでしょうか?今や、「モノを売って終わり」ではなく、モノからどんな価値を提供できるのか、どんな感動を与えられるのか、という「コト」に重きを置く時代となっているのがお分かりになりましたでしょうか?

1章の「コト売りの実践ポイント」でもご紹介しましたが、「コトを売る」というのはさほど難しいことではありません。事例でもありましたが、「お客様のためにどのようなことができるか」を追求していくことで、競合にはない独自の価値を提供できます。それが、これからのビジネスのヒットを生む秘訣となるのです。

これからのビジネスの参考にしていただけましたら幸いです。

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