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公開日2022.06.23

最終更新日2023.11.16

地方でコワーキングスペースを開業!成功のための3つのカギ

近年、都心部では働き方改革により、働く場所を選ばないコワーキングスペースの需要が高まりを見せています。一方で、地方部では、人々の交流の場として地域活性化のためにコワーキングスペースがつくられるケースが増加しています。都心部と地方部では、コワーキングスペースの在り方に違いがあるため、気を付けなければいけません。そこで本記事では、地方部でコワーキングスペースを開業するうえで知っておきたい事業成功のための3つのカギをご紹介したいと思います。

地方でコワーキングスペースを成功させる3つのカギ

Kyoto, Japan at the Shirakawa River in the Gion District during the spring cherry blosson season.

最近、地方創生や商工業振興に対する取り組みとして、コワーキングスペースの活用が挙げられます。従来のサテライトオフィスやシェアオフィスに比べ、コワーキングスペースは偶発的なコミュニケーションが生まれやすい特徴があります。

また、イベントを開催することで、地域住民と移住者、地域のビジネスパーソンとUターン組、地域の住民同士やワーカー同士のつながりを作り、結果としてさらに新たなコミュニティが作られたり、仕事の受発注が生まれることも期待できます。

この章では、まず地方でコワーキングスペースを成功させるための3つのカギをご紹介していきます。また2章では、事例をもとに実際に3つのカギがどのように関連しているかを解説します。地方でコワーキングスペースを成功するために必要なポイントをまとめましたので、ぜひ最後までお読みください。

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“ドロップイン”で新たな交流を生む

コワーキングスペースの利用形態には、月額制の「入居型」と一時利用の「ドロップイン型」の2種類があります。都心部と地方部で、コワーキングスペースの利用形態が変わるのでここで整理して置きましょう。

一般社団法人大都市政策研究機構の調査研究レポート(第1回)「日本のコワーキングスペースの現状と課題」によると、東京23区(295件)では、入居型のみが51.9%、入居型+ドロップインが40.0%、ドロップインのみが8.1%となっており、「入居型」が主流となっています。一方、地方部(411件)では、入居型のみが20.7%、入居型+ドロップイン型が65.2%、ドロップイン型のみが14.1%となっており、ドロップイン型の採用率が高い傾向にあります。

都心部ではコワーキングスペースやカフェも多く、いつどこでも働ける環境が手に入りやすいのに対し、地方では働く場所に困ることも多いため、出張者やワーケーションユーザー向けにドロップイン型を取り入れることをおすすめします。また、ドロップイン型は低コストで利用が可能となるため、地域住民も気軽に足を運べ、利用者の多様性やのべ人数を増やすことにもつながるでしょう。

コワーキングスペースでミニライブ!?地域イベントで集客を狙う

地域活性化の手段として、イベントを開催することが効果的です。コワーキングスペースの中に大きなイベントスペースを備えることで、講演会やミニライブの開催が可能となり、集客を狙うことができます。

また、地域の小規模ながら商いをしているお店から商品を持ち寄って販売するフリマイベントなどは、特別な設備や大がかりな準備が不要で、比較的取り入れやすい施策と言えます。

さらに、シンクやコンロがある居抜き物件をコワーキングスペース化したり、開設時のリノベーションにあたってキッチン設備を設けることで、地域の食材を使った料理の提供を行ったり、料理教室を開くことも可能になります。コワーキングスペースとしての付加価値を高めることで、より多様な人に利用してもらうことができ、地域食材の生産者、利用者、運営者の3者にとってwin-win-winの関係を築けるでしょう。

このようにコワーキングスペースでのイベントの開催は、多様な人が集まり、会話をするきっかけとなり、新たな交流の場として地域活性化にもつながるでしょう。

人手に悩まない。IT技術を活用して省人化運営

現在、社会問題となっている人口減少は地方へ大きな影響を及ぼしています。そのため、開業後に人手不足による継続的なコワーキングスペースの運営が不安視されます。

また、地方ではそもそもの人口が少ないため、スペースの認知度が高まり安定的に集客できるまでは、利用料だけで家賃や人件費などの固定費を支払うことが難しいケースもあるでしょう。これは、地方でのコワーキングスペース開業を阻害する要因にあたると考えられます。そこで、IT技術を活用して解決しましょう。

地方のコワーキングスペースでは、不特定多数の利用が予想されるため、特に顧客管理が重要になります。昨今、キャッシュレス化が進んでいることより、オンライン上で受付、利用、決済までをワンストップで一元管理できると、顧客管理の手間が省けます。これにより、運営スタッフは受付などの事務的な業務を削減でき、結果として、人にしかできないコニュニティ形成のためのサービス提供に集中することができるでしょう。

地方のコワーキングスペースの事例紹介

この章では、実際に3つのカギと関連のある地方のコワーキングスペースを2つご紹介します。

町民×企業のワークショップで実現した「利府町まち・ひと・しごと創造ステーションtsumiki」

利府町まち・ひと・しごと創造ステーションtsumikiの施設のデザインや機能には町民ワークショップで話し合われたアイデアが盛り込まれています。施設の名前にも町民の思いが込められ、地域に新たな風を吹き込むことをコンセプトにしています。

利用形態は入居型とドロップイン型の2つを採用しており、施設内にはワークスペース以外にカフェも併設していることから、誰もが気軽に利用できるスペースづくりをしています。また、地域の世代間交流を目的としたイベントを学生スタッフが企画したり、異業種交流会を積極的に開催して、地域活性化に貢献しています。

他にも施設内には、委託販売スペースを設けており、地域に根差したお菓子や雑貨などの販売購入が可能となっています。

ゆるっと地域情報発信中「新居浜びず」

新居浜びずは、もともとは和楽器店だった築50年の古民家をフルリノベーションしてオープンした愛媛県新居浜市で初のコワーキングスペースです。「ゆるく、つながる」そして「ここから、つながる」をコンセプトとし、気を張らずに誰もが利用できる場所を提供しています。

利用形態はドロップインを採用しており、まるで家のようにフラッと立ち寄れる空間づくりをしています。施設内には物販スペースを併設しており、地元の食材やハンドメイドの商品の購入が可能となっております。また、フリマイベントの開催も行っていることから地域密着型コワーキングスペースとして親しまれています

IT技術としては、物理的なカギの対応をなくすことで省人化運営を実現しています。カギの受け渡しという業務をなくしたことで、利用客の待ち時間を減らし、運営スタッフは集客やサービス向上のために使える時間を増やすことに成功しました。

▼人と人、人とモノをつなぐ地域密着型コワーキングスペース!インタビュー記事はこちら▼

事例バナー_新居浜ビズ

【まとめ】地方でコワーキングスペースを成功させる3つのカギ

Image of business friends discussing brainstorming and ideas at meeting inside beautiful modern building place-1

いかがでしたでしょうか。地方部でコワーキングスペースを成功させるポイントを事例と併せて紹介しました。地方部でのコワーキングスペースの役割は共同オフィスというよりも、地方創生に向けた環境づくりが大切になります。人々の交流を増やし、新たな風を吹き込むことで街を活性化させていきましょう。

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