ホテルや宿泊施設に導入するスマートロックの選び方とポイントを解説
近年、宿泊業界では積極的にIT技術を取り入れ、業務の効率化やコスト削減に取り組んでいる施設が増えています。特に世界的なコロナウイルスの蔓延後は、感染症予防対策の一環としても、人による「鍵の受け渡し」が必要なくなる「スマートロック」の導入が急激に増えています。しかし、「スマートロック」と一口にいっても、種類も多くそれぞれに特徴があり、その施設にピッタリのものを選ぶとなると意外と大変です。そこで、スマートロックを宿泊施設に導入する際に注目すべきポイントを3つ解説します。
宿泊施設にスマートロックの導入が増えている理由
スマートロックとは、物理的な鍵ではなく、暗証番号やスマートフォンなどの電子キーを使ってドアの施錠・解錠ができる機器とそのシステムのことです。スタッフによる鍵の受け渡しが必要なくなるので、感染症予防対策はもちろん、人的コストの削減や、鍵の紛失リスクがなくなるなど、さまざまなメリットがあります。
また、スマートロックと宿泊予約専門サイト(OTA)やサイトコントローラーとの連携で、予約業務からチェックアウトまでを完全に自動化し、本格的な非接触・非対面接客を実現することも可能になっています。
スマートロック導入のメリット
- フロント業務の軽減化で人的コストの削減が可能になる
- 鍵の紛失や持ち帰りなどのトラブルを減らせる
- 鍵の盗難やコピーなどの悪用リスクがない
- ゲストに安心(非対面で感染対策を実現)と利便性(鍵の紛失や返却が不要)を提供できる
- 通常の開き戸をオートロック化でき、閉め忘れを防げる
- エントランス対応のスマートロックにより夜間は完全施錠でセキュリティの強化ができる
フロント業務を軽減化し、スマートなホテル運用が実現できるスマートロックは、現在、国内外の複数の企業から、多くの種類が発売されています。設置方法は手軽にドアに貼り付けられるものから、工事でしっかりと固定するものまであり、機能面、デザイン面でもさまざまな特徴をもつ製品があるため、利用シーンや目的に合わせて最適なスマートロックを選びたいものです。
ところが、選択肢が多すぎて、「一体どれを選べばいいのかわからない。」というお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。そこで、本記事では自社の施設に最適なスマートロックを選ぶ際におさえておきたいポイントをご紹介します。
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宿泊施設におけるスマートロック選びの3つのポイント
スマートロックを導入する目的によって確認すべき項目は異なりますが、宿泊施設に「スマートロック」を導入する際に考えるべきこととしては一般的に以下の3点が挙げられます。
宿泊施設に「スマートロック」を導入する際に考えるべきこと
- フロント業務の効率化につながるか
- ゲストにとって鍵の開け閉めが簡単であるか
- 長期的に安定して使用できるか
それぞれの観点から比較検討することで、自社施設に導入すべきスマートロックが絞られてくるはずです。早速詳しく解説していきます。
無人化・効率化を実現できるか
宿泊施設にスマートロックを導入する最たる目的のひとつに、フロント業務の無人化(省人化)を実現することがあります。それらを可能にするためには、次のことをしっかりと見極める必要があるでしょう。
宿泊台帳の取得や本人確認をどうするのか?
スマートロックを導入すれば、物理的な鍵の受け渡しは不要になります。
とはいえ、チェックインの際、本人確認や宿泊台帳の取得にフロントスタッフが対応していては無人化とはいえません。フロント業務の省人化・無人化を実現するにはスマートロックだけではなく、宿泊台帳の取得などが行えるセルフチェックインシステムを併用を検討する必要があるのです。
ゲスト用のカギの権限の発行に手間はかからないか?
スマートロックを導入すると、物理的な鍵の受け渡しがなくなるかわりに、予約ごとに客室に入室するための電子キー(暗証番号など)を発行する必要があります。
そのため、電子キーの発行は遠隔からアルバイトスタッフなどでも簡単に行えるのか、電子キー発行は数10秒程度で完了する簡単なものかどうかを事前に確認するようにしましょう。
また、電子キーは一度発行すると、チェックアウトまでの鍵の管理業務からは解放されるのですが、部屋数が多いほど電子キーの発行対応のために余計に手間や時間がかかってしまいます。つまり、客室数がある程度多い場合(10室以上~)は特に、電子キーの自動発行ができるかどうかは必ず確認しておきましょう。
無人化・効率化には「宿泊運営管理システム」と連動できるかどうかがポイント!
フロントの無人化(省人化)やフロント業務の効率化を可能にし、無人チェックインを実現にするには「宿泊運営管理システム」と連動ができ、これにより電子キーの自動発行ができるスマートロックを選ぶとよいでしょう。
宿泊運営管理システムとは、サイトコントローラーやPMS、セルフチェックインシステムなどで、こうした宿泊運営管理システムおよび、連動するスマートロックを合わせて活用することで、電子キーの自動発行が可能になります。
宿泊管理システムとスマートロック
- 利用する宿泊運営管理システムが決まっている場合
⇒ そのシステムとスマートロックが連動できるかどうかを確認してみましょう。 - 利用する宿泊運営管理システムが決まっていない場合
⇒ 宿泊業界向けのシステムと連動実績が多いスマートロックを選ぶことで、将来的に宿泊運営管理システムを導入する場合も、その選択肢が広がります。
スマートロックの豊富な選択肢の中から、どこまでの機能が必要なのか、どこまで業務の効率化や省人化を目指しているのかを明確にして、自社施設にあった組み合わせで導入することが大切でしょう。
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ゲストにとっての利便性
スマートロックの導入は、宿泊事業者だけではなくゲストにとってもメリットはあります。チェックインやチェックアウトに時間を取られず、鍵の紛失リスクもないので、より気軽なホテルの利用ができるのです。
とはいえ、肝心のスマートロックの操作方法が複雑であったり、操作の説明が丁寧でなかったりすると、逆にゲストにとってストレスになり、満足度が下がってしまいます。それは宿泊施設自体の評価にもつながり、「使いにくいホテル」という評判さえついてしまうのです。
そのようなリスクを回避するために、ゲストの年齢や国籍を問わず、誰もが使いやすい解錠・施錠方法のスマートロックを選ぶことをおすすめします。
特にシンプルでわかりやすいのが「暗証番号型」スマートロックで、宿泊の確認メールなどに添付された暗証番号(パスワード)を、ドアに取り付けた機器に直接入力するタイプです。他にも「カード型」も使いやすいといえるでしょう。ただし、カード型だと対面での受け渡し、もしくは、カード出力ができる精算機を導入する必要があり、導入や運営コストが高くなる可能性もあるので注意が必要です。
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長期的・安定的運用に耐えうるか
現在、スマートロックは実にさまざまのタイプの製品が各社より販売されており、ネットで気軽に購入できる自宅向けのものから、専門の鍵会社が取り付け工事を行うビジネス向けのものもあります。例えば自宅向けのスマートロックは、設置方法として両面テープでドアに固定するケースが多く、自分で簡単に取り付けができ、かつ、安価に導入できます。
しかし、多数のゲスト、スタッフが入れ替わりで入室する宿泊施設の場合、ドアの開け閉めの際に乱暴な操作をしてしまったり、お子さんがわからずにスマートロックを操作してしまうようなリスクもあり、故障や破損で思わぬ出費がかさむことも想定されます。
そうしたトラブルにその都度対応していると、余計な手間や時間もかかり、スマートロックの利便性を実感できなくなることもあるでしょう。
トラブルを発生させないためにも、長期的に使えるような丈夫な素材や、頑丈な取付ができるビジネス用途のスマートロックを選ぶことをお勧めします。素材としてはプラスチックより金属素材、取付方法は両面テープではなく、費用をかけてでも、「工事取り付けのスマートロック」を選ぶと良いでしょう。
なお、「RemoteLOCK」はホテルや民泊等の宿泊施設、レンタルスペースで多数の実績があるスマートロックですので、これを機にぜひご検討ください!
【まとめ】ホテル向けスマートロックの選び方~チェックすべき3つのポイント
いかがでしたでしょうか。ホテルなど宿泊施設のスマートロックの導入は、フロント業務の効率化や無人化の実現など、さまざまなメリットがあります。とはいえ、スマートロックはその製品によって使い方や特徴が異なり、選び方を間違えると本来の目的を達成することが出来なくなる場合もあります。
コストや見た目も大切ですが、導入の本当の目的を明確にしたうえで、選択の際には、上記の3つのポイントを参考にしていただければ幸いです。