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公開日2023.08.30

最終更新日2024.01.18

【富士通Japan × RemoteLOCK】宿泊の人手不足対策&フロント業務の省力化(セミナーレポート)

今回は、2023年7月19日にオンラインで開催されたホテル・宿泊業界向けセミナー 「宿泊の人手不足対策&フロント業務の省力化~富士通PMSとRemoteLOCKで実現~」の模様についてレポートします。

富士通Japan株式会社のホテル管理システム(PMS)「GLOVIA smart ホテル SaaS」とは?

2023年7月、弊社構造計画研究所が提供するスマートロックシステム「RemoteLOCK」は、富士通Japanが提供するホテル管理システム(PMS)「GLOVIA smart ホテル SaaS」と連携を開始しました。今回のセミナーは、両者の連携開始を記念して開催されたものです。セミナーでは、ホテル・宿泊業界の人手不足に対し、最新のITテクノロジーを活用してどのように解決できるかというテーマについて、それぞれのご担当者が解説しました。

GLOVIA smart ホテル SaaS(以下GLOVIA)は、40年以上の開発実績と3,000以上の施設導入実績を誇る富士通の統合業務ソリューションシステムGLOVIAシリーズの中の一つとして位置づけられるホテル管理システム(PMS)です。

GLOVIAは、ホテルの宿泊部門に必要な宿泊予約・フロントレセプション・フロント会計の機能から、顧客管理機能、売掛管理機能、ホテルチェーン向け機能までトータルで提供しています。宿泊部門向けのベーシックな基幹システムと豊富なオプション機能に加え、婚礼・宴会部門、飲食部門、経理・購買部門など関連部門向けシステムも連携することで総合的なホテル運営をサポートします。

同社のホテルサポートセンターでは、ホテルシステム専門要員が24時間、365日体制で利用者からの質問やトラブルへの対応を行ない、システムの安定的な稼働をサポートしています。また、国内約1,000ヶ所のCE(カスタマーエンジニア)拠点では、迅速なハードウェア障害対応や、担当SEによるオンサイトサポートなど、富士通グループでトータルにサポートを行なっており、国内トップメーカーとしての強みが活かされています。

【第1部】富士通PMS「GLOVIA」で実現するフロント業務の省力化 / 株式会社富士通Japan

セミナーでは、まず富士通Japan株式会社から、エンタープライズ事業本部 ビジネストランスフォーメーション室 流通ソリューションビジネス部の山谷 大介 氏が登壇。冒頭では、国内における宿泊者数の推移や、それに伴う宿泊業界の人手不足の現状について解説いただきました。

深刻を極める宿泊業界の人手不足

山谷 氏によれば、現在、日本人と外国人を合わせた日本国内の延べ宿泊者数は、コロナ前の2019年の水準をほぼ回復しているとのことです。インバウンドの外国人宿泊者数だけを見ると、過去最高であった2019年比で70%程度の水準で推移しているとのことですから、それだけ国内の宿泊者数の伸びが好調であることがわかります。

インバウンドだけに絞ってみてみると、東南アジア各国や北米、中東地域からの訪日客が2019年比100%を上回る伸びを見せているのに対して、中国からの訪日客は20%程度に留まっています。先日、中国政府から日本への団体旅行の解禁が発表されましたが、この統計はそれ以前のものです。団体旅行の解禁に伴い、今後は中国からの訪日客数も大幅に伸びると予測されます。

このように、国内の宿泊者数が好調に推移し、今後もさらなる伸びが見込まれるなか、宿泊業界における人手不足の状況は深刻のようです。山谷氏が示した統計(2023年4月帝国データバンク調査)によれば、旅館・ホテルにおける人手不足割合は、正社員では75.5%とすべての業種の中で1位非正社員では78.0%と飲食店に次いで2位となっています。

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ITで生産性を向上することによってこの人手不足の状況を改善する、そのことを支援させていただきたい、というのが同社の思いであるというお話しでした。

富士通PMS「GLOVIA smart ホテル SaaS」ができること

GLOVIAには、ベーシックなものとオプションを合わせて、実に多岐にわたる機能が用意されています。山谷氏には、その中から特に重要な機能をピックアップして解説いただきました。

①電子レジカード

レジカードとは宿泊者登録カードのことで、一般的には、氏名、年齢、職業・会社名、出発日、 外国人の場合には、国籍、パスポート番号などが加わります。GLOVIAは、宿泊予定者が登録した情報をタブレットに表示、当日本人がフロントでタブレットに署名すれば、手書き文字認識機能により、システムに即時反映することが可能な電子レジカード機能を備えています。

この署名付き宿泊者情報はクラウド上で保存されますので、保管や管理の手間もかかりませんし、また、紙のレジカードを使用している場合でも、スキャナ取り込みで、同様にクラウドで保存することが可能です。クラウドからは、到着日、氏名、ルームNoで情報を検索することも可能となっています。

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②自動チェックイン機連携

GLOVIAは、フロント業務を効率化する自動チェックイン機との連携が可能です。自動チェックイン機が導入された施設では、宿泊者は自ら予約確認から必要事項の入力、料金の支払いまでを行ない、機械から自動発行されるカードキーを受け取り、入室します。スタッフはタブレット等でチェックイン確認を行なうだけで済みますので、大幅な省力化が可能です。

ただし、自動チェックイン機は一台数百万円という費用がかかる上、メンテナンスのコストも必要になってくるため導入のハードルが高いことも事実です。そのような場合は、前述の電子レジカード用のタブレット端末と、クレジットカード処理の可能なマルチ決済端末、現金決済のための自動釣銭機を併用することによって、低コストでの省力化も可能となります。

③スマホによるチェックイン / ノータッチステイサービス

GLOVIAは、スマホを活用して非対面非接触のチェックイン、チェックアウトを可能とする「ノータッチステイサービス」 の機能を備えています。この機能はLINEを活用したもので、宿泊予定者が施設の公式LINEアカウントに登録を行ない、必要な宿泊者情報を入力すれば、チェックインに必要なQRコードが発行される仕組みとなっています。

宿泊者は、フロントに設置されたQRコードリーダーや、自動チェックイン機、アプリチェックイン機などにスマホのQRコードをかざすだけでチェックインが完了。同時に決済用の端末で支払いを済ませることができます。普及率の高いLINEが活用されているため、専用のアプリをダウンロードするなどの手間がかかりませんし、LINEの機能を活用して、クーポンの発行やアンケートの実施など、マーケティングに活用することも可能です。

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なお、料金の決済について、現金を取り扱う場合、自動釣銭機など現金決済が可能な機材が必要となり、そのためには一定のコストや管理の手間がかかります。山谷氏によれば、日本におけるキャッシュレス決済の割合は現在36.0%(うちクレジットカード83%/経済産業省調べ)となっており、確実に普及が進んでいます。特に、宿泊施設においては、現金での利用が2~3割と、キャッシュレスの比率が高いそうです。このことを背景として、現在、宿泊業界では、現金NG、完全キャッシュレスという施設が増えており、今後も増えていくだろうという補足説明もいただきした。

④RemoteLOCK連携

GLOVIAはRemoteLOCKと連携しています。GLOVIAの管理画面から、予約を行なった宿泊予定者に対して、施設の事情に応じたタイミングで、客室の入口の鍵となる暗証番号やQRコードを発行することができます。例えば、チェックイン時、支払いを済ませた宿泊者に対して、暗証番号やQRコードが記載されたレシートを発行する、などということが可能になります。

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RemoteLOCKとの連携を行えば、スタッフは鍵の受け渡しや管理の手間が不要になりますし、宿泊者は利便性が大幅に向上します。カードキーの発行機能を備えた自動チェックイン機やカードキー発行機も必要ありません。

⑤その他の省力化

さらに山谷氏からは、その他の省力化に関するアイデアや機能の紹介がありました。まず、スタッフがチェックイン開始処理のみを行ない、宿泊者自身が専用の機械でチェックインと料金決済を済ませ、レシートとカードキーの受け取りを行なうセミセルフレジの仕組みが紹介されました、これは、現在スーパーマーケットで普及が進んでいる手法を応用したものだそうで、こうするだけでフロントスタッフの業務負荷は大幅に軽減されます。

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また、フロント業務で手間のかかるものひとつに宿泊者の手荷物預かりがあります。この負荷を軽減するアイデアとして、施設内にQRコード式のロッカーを配置、フロントでは宿泊者にロッカーの解錠に必要なQRコードを発行するだけで、後は宿泊者が自分で手荷物をロッカーに保管する、という仕組みも提案いただきました。

その他、GLOVIAは、旅行業界における企業間の精算明細データ配信プラットフォームi-traビリングサービス、および手間いらず.NETやTL-リンカーンなど複数のサイトコントローラーとの連携による旅行代理店との間の売掛金の自動消込機能、楽天とじゃらんに関しては、正式契約に基づくポイントの自動消込機能などを備えていますので、経理業務の負荷を軽減します。

上記に加えて、GLOVIAは宿泊客の需要を予測して収益を最大化するために適切な販売管理を行うレベニューマネジメントをサポートする機能を備えています。外部のデータセンターと連携して、情報収集作業(実績、イベント情報、競合価格等)や需給予測、価格設定などを自動化することで、販売管理における業務負荷の軽減につながります。

IT導入補助金2023について

その後、山谷 氏からはIT導入補助金についての説明をいただきました。IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を国が支援する補助金です。

活用が想定される予算枠としては、最大補助額150万円のA類型と450万円のB類型があり(ともに最大補助率は1/2以内)、B類型は広範囲の省力化や賃上げの目標設定が必要となるためややハードルが高いものとなっているとの説明でした。

※筆者注:本年度前期(7月末まで)の申請受付は本稿執筆時点で終了しています。8月以降の申請については、後期事務局が立ち上げられていますので、ご関心のある方はこちらをご参照下さい。

最後に山谷 氏は、7月17日付の日経新聞に掲載された帝国ホテル 定保 社長のインタビューを紹介。インタビューの中でも、宿泊業界の今後の課題は人手不足であることが明言されており、2030年にインバウンド6,000万人の目標を掲げる国に対して、人手不足の解消に向けた政策が必要であるとの指摘がなされていました。

山谷 氏は、日本の観光業の生産性向上に向けて、そのための設備やITの導入に対する国や自治体からの補助は今後も拡充されると予想。そのような補助も活用しながら業界の生産性向上に尽くしていければ、というお考えをお示しいただき、第1部を終えました。

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【第2部】宿泊の人手不足対策、フロント業務の省力化 / 株式会社構造計画研究所

第2部の登壇者は、弊社、株式会社構造計画研究所で RemoteLOCK エバンジェリストを務める 池田 修一です。池田 からは冒頭、簡単な自社の紹介に続けて、これからの宿泊運営について、鍵の受け渡しの問題を中心に解説いただきました。

これからの宿泊運営

これまでの宿泊運営では、フロントで人の手で物理鍵やカードキーの受け渡しを行なう有人対応が一般的であり、また、最近ではカードキーを発行する機能の付いた自動精算機を導入する施設も増えてきたといいます。その中での課題として、有人対応の場合は、フロントの人材確保の問題があり、特に、24時間フロントに人を貼り付けなければならないこと、チェックイン、チェックアウトの混雑時には増員して対応する必要が生じることなどが挙げられました。自動精算機の場合は一台数百万円といったコストやメンテナンスの手間が課題となっているようです。

こうした問題を解消する方法として、スマートロックの導入を推奨しています。RemoteLOCKであれば、部屋の鍵となる暗証番号やQRコードをメールで送ったり、タブレット上に表示したりということが可能となり、かぎの受け渡し自体が不要となります。また、RemoteLOCKは宿泊施設の予約システムと連携することが可能であり、GLOVIAとも連携しているため、GLOVIAからRemoteLOCKに流れてくる予約情報に紐づけることで、予約者ごとの暗証番号やQRコードの発行をすべて自動化することができます。このような利点を活かせば、フロントの非対面化、省人化を進めることも容易となるでしょう。

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次に、RemoteLOCKを導入することで、ゲストとホストにどのようなことがプラスになるのかということについての解説です。池田によれば、それは大きく2つに分けられるそうで、1点目はキーレス化がゲストとホストの双方にもたらす利便性です。そして、2点目はQRコードによってもたらされるゲストの体験価値の向上です。池田氏はそれぞれについて詳しく解説を行ないました。

キーレス化でゲストとホストの利便性を向上

物理鍵やカードキーを無くし、暗証番号やQRコードに置き換えることでキーレス化を行なうことで、ゲストには以下のような利便性がもたらされます。

キーレス化による利便性(ゲスト側)

  • カギを持たない/なくさない(暗証番号/QRコードなら手ぶらでOK)
  • グループでカギをシェア(家族や友人とシェアして行動の自由度アップ)
  • スマートチェックイン(GLOVIAなど予約情報と連携してスピーディにチェックイン)
  • チェックアウトフリー(カギの返却不要、フロントに寄らずにチェックアウト)

そして、ホスト側にもたらされる利便性としては、以下のようなものが挙げられます。

キーレス化による利便性(施設・ホスト側)

  • カギを貸さない/回収しない(預かりや回収の手間からも解放、紛失の心配もなし)
  • フロントの無人化、省人化 (かぎは予約システムとの連携で自動受け渡し)
  • カギを遠隔から一元管理(チェーンホテルやホテルの複数運営に最適)
  • 売上・顧客単価アップ (暗証番号の柔軟な活用で有料施設をアップセル)

QRコードをベースにゲストの体験価値を向上

次に、QRコードを利用した場合に、ゲストはどのような新しい体験ができるのか、という点に関する解説です。池田氏は、ゲストがQRコードをかざすだけで以下のようなサービスを享受することが可能になると例示しました。

QRコード活用が提供できる、新しい体験

  • スマートなチェックイン
  • キーレスで客室に入室
  • 付帯設備やルームサービスでの活用
  • クーポンの発行
  • 近隣の飲食・アクティビティへの回遊促進

RemoteLOCKの概要

RemoteLOCKは、日本国内では2017年にサービスを開始しました。現在はホテル系を中心に50以上の公開サービス(予約システムやホテルシステムなど)と連動してサービスを展開しています。海外も含めたところで、1日10万組以上の入室を管理。ホテルや民泊で広く使われている他、特にコロナ以降は、店舗やオフィス、公共施設などからのニーズも急激に増えているとのことです。

RemoteLOCKでは、客室のドアに加えて、施設のエントランスの自動ドアなども、同一の暗証番号やQRコードで制御することが可能となっており、この点でも省人化や無人化に最適です。客室に取り付けるRemoteLOCKはWi-Fiに接続すると、クラウド上で暗証番号やQRコードを作ったり消したり、入退室の履歴をリアルタイムで確認したり、といったことが可能となります。クラウド上でこのような処理が行われるため、同じくクラウド上にある予約システムやホテルシステムとの連携もスムーズです。

池田からは、ハードウェアのラインアップの紹介に続けて、その中でも、特に先進性と体験価値向上に優れたQRコードタイプのRemoteLOCK 8j-Qについて解説いただきました。

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RemoteLOCK 8j-Qは、上図のように、スマホに表示されたQRコードをかざすだけで素早く解錠することができます。GLOVIAのシステムなどからプリンターで紙に印字されたQRコードでも同様に解錠が可能ですが、紙の場合は落としてしまう心配もありますので、一度スマホでQRコードを撮影して、紙は部屋に置いておく、などすることを推奨しているとのことでした。また、QRコードと同時に発行される暗証番号でも解錠は可能となっています。

その後、池田氏は、RemoteLOCKの費用(本体価格、工事費用、管理システム利用料)についての紹介とGLOVIAとの連携について紹介しました。GLOVIAとの連携を活用すれば、暗証番号やQRコードを通知する方法は、メール、SMS、レシートに印字するなど、さまざまなスタイルを選択することが可能になります。中でも、LINEを活用する方法は、専用アプリを必要としないRemoteLOCKとの親和性も高く、特に注目しているとのお話しでした。

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事例紹介

最後に、ホテルや旅館を中心にRemoteLOCKの導入事例を紹介いただきました。特に、スモールラグジュアリーホテルに分類されるタイプの施設から多く選ばれているようです。札幌近郊に今春オープンした新球場エスコンフィールドに併設されるVILLA BRAMAREでは、全室にRemoteLOCK 8J-Qが採用され、同施設がコンセプトとする贅沢な時間に一役買っています。

 

温泉旅館のように家族やグループでの利用が多い施設でも、鍵の持ち歩きや鍵のための待ち合わせなどの必要がないRemoteLOCKとの親和性が高いことがわかります。また、沖縄や宮古島といった、気候的に気温差が激しく結露が発生しやすい地域においては、繊細なスマートロックとの相性が悪い場合が多いそうですが、RemoteLOCKであれば、表面をコーティングするなどの対策が可能なため、積極的に選ばれているとのことでした。

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ホテルや旅館だけでなく、一棟貸しの施設やコンドミニアム、個室サウナのような施設でもRemoteLOCKの利用が増えているそうです。ホテル内の施設の一部(サウナ施設など)を宿泊者以外にも貸し出す、といったビジネスで利用される例も最近目立ってきているとの解説でした。

Q&Aコーナー/参加者からの質問にリアルタイムに回答

Q&A

数多くのさまざまなPMSが存在する中、GLOVIAはどのような施設に適していますか?また、他のPMSと比較した時の強みは何でしょうか?
 → 株式会社富士通Japan 山谷 氏への質問
PMSに限らず、さまざまなシステムのクラウド化が進む中、たくさんのデータが1ヶ所に集中するようになりました。その場合、その多くのデータを管理するベンダーの安定性が重要になってきます。その点、同社は、宿泊業界だけでなく、さまざまな業種、団体向けのシステムを追求しており、宿泊施設向けだけに絞って運営する他社と比べると、安定した運営ができていると思います。我々のクラウドのデータセンターは国内にある自社のデータセンターを使っています。さらに、サポートセンターも24時間365日体制で稼働しており、継続的にPMSをご利用いただく場合にも、安心してご利用いただけると考えております。
宿泊者以外にも番号やQRコードを共有すれば、出入りはできるということでしょうか?
(株式会社構造計画研究所 池田氏への質問)
その通りです。宿泊者に対しては、GLOVIAさんからいただいた情報から自動発行してお渡しするという形ですが、例えば、清掃スタッフ、管理人の方、運営会社の方などに対しては、その方ごとに暗証番号やQRコードを発行することができます。同時に、時間や曜日による制限も簡単にかけることができますし、入退室の履歴も管理することができますので、清掃の状況なども確認できます。RemoteLOCKは1台につき、3,000名(ユーザー1,500名+ゲスト1.500名)分を登録することができます。
クラウドは通信障害に弱いと思いますが、その点での対策はどうなっていますか?
⇒両者への質問
富士通Japan 山谷氏:回線が切れるとシステムが使えなくなるということになります。ですが、2010年からこのサービスを始めて14年間、そのような状況はほぼ発生していません。PMS(GLOVIA)の稼働率を計算したところ、99.99%の稼働率の状況でした。とは言っても、完全なものではないということも事実ですから、お客さまによってはバックアップ回線を引いていらっしゃるところもありますが、コストもかかりますので、ほとんどのお客さまはバックアップ回線無しで利用いただいているというのが実情です。
構造計画研究所 池田氏:これまでもホテルにサーバーを立てて、その中にシステムを入れて、といったことはやられていたと思いますが、結局サーバーが故障したり、電源が切れたりしたら利用できないということになりますので、その確率が、どちらが高いかという問題になってくると思います。クラウドで利用した方がサーバーの管理などの手間がないので、世の中いろいろなシステムが急激にクラウドに上がっているということだと思います。RemoteLOCKに関して言えば、暗証番号が作られた時に本体の方にダウンロードしてきます。お客さまが入られる時にWi-Fiが切断していたり、クラウドが落ちていたり、などという際でも、すでに登録されているものについては、通信が発生しなくても問題なく使えますので、そのあたりの安心感はあると思います。

いかがでしたでしょうか? 今回は、コロナ後、急回復する宿泊業界の深刻な人手不足にどう対応していけばよいのか、あわせて、お客さまに今後どのような価値を提供していけばよいのか、といった課題に対して、登壇者それぞれのお立場から解説をいただきました。

株式会社構造計画研究所では、これからも、宿泊業界などを対象にIT活用やオペレーションの効率化などをテーマとしたセミナーを順次計画してまいります。引き続きご期待いただければ幸いです。

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