公開日2025.05.20
【セミナーレポート】社員証がスマホに?スマートロックで実現する新しい従業員管理
今回は、総務・人事・経理WeekでのRemoteLOCKセッション「社員証がスマホに?スマートロックで実現する新しい従業員管理」の模様をレポートします。セミナーでは、弊社のRemoteLOCKエバンジェリスト池田修一が、クラウド型のスマートロックによる入退室管理システムを使ってどのように従業員管理を行なっていくのかというテーマに焦点をあてて解説いたしました。
会社概要
株式会社構造計画研究所は、もともとは建築の構造設計から始まった60数年の歴史を有する会社です。主要な事例として、森ビルの六本木ヒルズのタワーや上海の500メートル級の高層ビルの構造設計などを行なってきました。そこから、構造設計に関するシステム開発の業務を数多く手掛けるようになり、さらに、システム開発の業務を通じて蓄積されたデータを活用した経営コンサルティング業務などを行なっております。
RemoteLOCKのビジネスは約8年前に社内ベンチャーとして始まり、新市場を開拓しています。元々はアメリカのRemoteLOCK社のサービスで、現在は弊社が日本の総代理店です。日本では特に宿泊市場で多く使われ、予約システムと連携し、暗証番号やQRコードが自動発行されることで、受付の省人化が実現されています。
昨今の従業員管理を取り巻く環境 ~ 従業員管理がより煩雑に、より手間のかかる業務に
従業員管理の問題について考える時、コロナ前とコロナ後でかなり大きく変わってきている部分があります。この変化には大きくは二つあって、一つは働く「人」の変化であり、もう一つは働く「場」の変化である、ということになります。
働く「人」の変化について、まず、もはや説明の必要もないほど社会的に顕在化してきておりますが、慢性的な人手不足の問題があります。
この人手不足によって、アルバイトやパートといった非正規雇用の割合が、特にコロナ以降急激に増加してきており、中でもタイミ―のような、短いスキマ時間を活用して働くという形態も増えています。その結果、さまざまな立場の方がオフィスに出入りするという状況が生じ、この点が従来と大きく変わってきているということができます。
次に働く「場」の変化について、コロナ以降、オフィスを縮小して、在宅勤務を奨励したり、分散的なサテライトオフィスを設けたり、シェアオフィスを活用したりといったような傾向が顕著になっており、働く「場」というものが多様化していることがあきらかになってきています。
多様な人々が様々な場所に出入りする現状では、社員証や物理鍵での管理は総務部の負担を増やします。特に短期間で辞めるアルバイトやパートに対しては、カードの貸出・回収が手間となり、紛失や未回収のリスクもあります。
『RemoteLOCK(リモートロック)』
- ・予約者ごとに異なる暗証番号を発行可能
- ・予約期間外は入室不可に!期間外の不正入室の心配はなし
- ・予約システムとの連動で番号を自動発行
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RemoteLOCK×Wallet で解決するこれからの従業員管理
そこで今回提案するのが、弊社のクラウド型入退室管理システムRemoteLOCKとスマホにあらかじめ装備されたWalletの機能を活用して、新たにアプリ等を追加することなく、オフィスの鍵をスマホ上で受け渡しを行なうことができる新サービスです。このサービスは、弊社とWalletのサービスを提供するシステム会社KINCHAKUさんが共同で提供を開始しました。
Wallet内に格納された社員証の表示画面には、社員情報と共に入室の鍵となるQRコードが表示され、このQRコードを扉に付いているリーダーにパッとかざすと扉を空けることができるというサービスになっています。
Walletが注目される背景
スマホのWalletは、iPhoneではApple Walletが標準装備され、アンドロイドではGoogle Wallteから追加可能です。Walletには搭乗券やICカードなどを格納でき、新サービスではQRコード付き社員証を表示して入室できます。アプリの追加は不要で、WEB上で「Walletに追加」をクリックするだけで登録できます。
このWalletには、2025年春からマイナンバーカードも追加可能となり、認知度が高まると考えられます。アメリカでは学生証や運転免許証もWalletに追加でき、証明書がスマホで管理可能な状況が進んでいます。日本でも同様の状況が広がるでしょう。
従来のように従業員ごとにカード式の社員証を発行するスタイルと比較すると、Walletの場合は、これまでのようにカードを作ったり、印刷したり、退職する際には回収したり、返却したり、という手間が一切なくなります。
Walletのサービスでは、サーバーの方からデータを消したり、利用者の権限を使えなくしたり、といったことがオンラインで可能です。退職者のユーザー情報を制限してしまうことも簡単にできますし、異動した方の入室できる場所を変更することも簡単です。将来的に人事システムと連動させてしまえば、人事異動の際にはシステム側から自動的に変更することも容易に可能となります。特に支店が多い場合や、店舗数が多い場合にはメリットが大きいと考えられます。
また。スマホを使うこと自体でのメリットも少なくありません。具体的には、いろいろな機能がスマホに一本化されることでの利便性に加えて、前述のように入退室等の権限がリアルタイムで更新できる、本人しか使えないというスマホ自体の顔認証等のセキュリティ機能が利用できる、仮にスマホを紛失した場合でもリモートからコントロールすることができる、などの点が挙げられます。
このシステムは、弊社構造計画研究所でも導入を進めており、電気錠を開閉することのできる弊社のTOBIRAという機種と連携して、QRコードをかざすことによって入室ができる仕組みの導入を進めています。弊社では、従来からFelica式の社員証で入室する方法を取っておりますが、それに加えてiPhoneのWalletに格納したQRコードでも入れるような施工を行なっているところです。
なお、このシステムには、QRコードをコピーされてしまう恐れがあるという問題がありますが、例えば1日1回とか、そのような単位で自動的にWalletのQRコードを変更するといった方法で回避しています。さらに、もっと厳密な対策が必要な場合には数秒ごとに変化する可変式のQRコードを使用してセキュリティレベルを最大化することもできます。(可変式QRコードの利用にはスマホにアプリのインストールが必要となります)
RemoteLOCKとは
RemoteLOCKで制御できるのは、建物の入口(エントランス)、建物内の各部屋(会議室、ホテルの個室など)など、すべての入口が対象となります。例えば自動ドアを制御する場合は、TOBIRAという機種になりますが、コントロールボックスを自動ドアや電子錠の制御盤に取り付け、そこにLANケーブルと電源を引いて、QRコードを読み取るリーダーをドアの横側に設置しておく、という形になります。このTOBIRAは、自動ドアのほか、エレベーターや駐車場のゲートなども制御することが可能です。
次にクラウドで管理することのメリットについて解説します。特に多拠点にアクセスする場合の管理を一元化できることが一番便利な点です。通常はビルごとにサーバーを立てて、複数のビルを管理する場合はそれをVPNでつないで、といったことが必要となってきますが、RemoteLOCKはクラウド型ですので、ネットワークにさえつないでしまえば、パソコン上から全国のオフィスや拠点の入退室が管理できますし、例えばテレワークで自宅にいる場合はスマホからでも入退室の管理ができる、ということになります。
また、さまざまな立場の方の入退室の権限の付与についても、すべてクラウドから管理することができます。例えば、社内の部門(グループ)ごとにアクセスできるフロアが異なるというような場合でも、それぞれのグループに対応したアクセス権限を付与することが可能です。
RemoteLOCKは自動ドア、エレベーター、セキュリティゲート、駐車場などに対応し、会議室のドアにも低価格で設置可能です。QRコード対応はTOBIRAとRemoteLOCK 9j-Q、Felica対応はRemoteLOCK 9jで、すべての機種が暗証番号にも対応しています。
あと、システム拡張性というところも、クラウド型入退室管理システムの利点です。オフィスの場合には、勤怠管理システムや会議室予約システムといった業務システムとAPIを通して連携することが簡単にできますし、人事系のシステムと連携すれば、部署異動などが発生した際には適宜入室権限を変更することも可能となっています。
導入事例
RemoreLockが実際にどのようなところで利用されているのか、ここで導入事例をご紹介します。
日本ロレアル・オフィス
外資系化粧品大手の日本法人です。新宿にある2フロアのオフィスの入退出をすべてRemoteLOCKで管理しています。受付にはタブレット型の無人の受付システムが置かれていて、これと連携させる形でRemoteLOCKを使っていただいています。受付のタブレットに必要事項を入力すると、QRコードがプリントアウトされます、それを使ってオフィスに通じるセキュリティゲートや別フロアの自動ドアを通過することができます。同社では、こうすることによって受付の省人化を図っていただいています。
株式会社マイナビ・カンファレンス施設
銀座・歌舞伎座タワーにある2フロア、数十室を有するかなり大規模な貸し会議室施設です。予約システムと連動させて暗証番号を発行する仕組みでRemoteLOCKを利用いただいています。
日本出版販売株式会社・無人書店「ほんたす」
完全無人の書店です。万引き防止のためのセキュリティとしてRemoteLOCKを利用いただいています。店舗のドアに掲示されたQRコードからLINEに友達追加をすると会員証が発行され、その会員証に表示されたQRコードをドア横のリーダーにかざすことで入店が可能となります。利用者がLINEを通じて会員登録をする際に一定の個人情報が得られますので、そこでセキュリティが担保される仕組みです、オープンして1年以上が経過しましたが、いまだに万引きはゼロと聞いています。店内ではセルフレジが導入されていて、完全無人運営を実現しています。書店のコストの多くを占める人件費を削減することで、利益を上げやすくなっているという事例です。
その他
この他にも、無人の脱毛サロン、サブスク型の別荘施設、最近では公共施設である学校の体育館を市民に貸し出す際にRemoteLOCKを使っていただく、などの事例も増えています。このようにさまざまなところで予約システム等と連携させて自動的に入室していただく仕組みが出来上がっています。
RemoteLOCKのシステム連携と価格感
RemoteLOCKの大きな特徴として、先にも述べましたが、予約システムや宿泊系のシステム、あるいはオフィス関係ですとクラウド型の無人受付システムなど さまざまなシステムとつながっていることが強みになっています。下図に挙げさせていただいたほかにも、これから連携を進めようとしているシステムがどんどん増えてきている状況で、今後はあらゆるものとつながって、入退室管理というものをさらに便利にしていきたいと考えています。
最後に、RemoteLOCKの価格感ですが、ドア単体に取り付ける機種(RemoteLOCK 500i、7i、9j、9j-Q)、自動ドアや電子錠を制御する機種(TOBIRA)で、それぞれ下記のようになっています。いずれも、本体価格と施工費に加えて、クラウドの管理サービスを利用するためにドアあたりのシステム利用料(月額)がかかってくる、という料金体系となっております。
『RemoteLOCK(リモートロック)』
- ・予約者ごとに異なる暗証番号を発行可能
- ・予約期間外は入室不可に!期間外の不正入室の心配はなし
- ・予約システムとの連動で番号を自動発行
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