「観光地・観光産業における人材不足対策事業」補助金活用ガイド:RemoteLOCKで実現する宿泊施設の省人化と業務効率化
令和7年度の「観光地・観光産業における人材不足対策事業」補助金の申請を検討されていますか?この補助金は宿泊施設における人手不足解消のための設備投資を支援するもので、スマートロックなどの省人化設備も対象となります。
今回は、スマートロック「RemoteLOCK」の導入を例に、補助金申請のための書類作成のポイントをご紹介します。
※本記事の内容は、2025/4/1時点の情報に基づきます。補助金の申し込み状況などによって、申請手続きが変更になる場合もありますので、申請の際は、必ず観光庁特設サイト(リンク)で最新の情報をご確認ください。
観光地・観光産業における人材不足対策事業とは?
- 出典 :
- 観光地・観光産業における人材不足対策事業
補助金の概要
今後更なる増加が見込まれる観光需要を着実に取り込み、旅行者数・旅行消費額等を増加させ、観光立国を実現するため、受け皿となる宿泊業の人手不足の解消に資する設備投資に対して、費用負担を軽減するため当該経費の一部を支援することにより、サービス水準の向上・賃上げを達成することを目的とした補助金になります。
「観光地・観光産業における人材不足対策事業」の概要
- 補助率: 1/2
- 補助上限額: 1施設あたり500万円
- 申請期間: 令和7年3月24日(月)~令和7年5月30日(金)17:00
- 参加申込締切: 令和7年5月23日(金)17:00
公募全体のスケジュール
- 出典 :
- 観光庁 3/19(水)事業説明会資料
申請要件
宿泊施設の高付加価値化や人手不足解消に向けた取り組みが求められています。本補助金制度では、一定の要件を満たした宿泊事業者を対象に、経営の質を向上させるための支援が行われます。申請前に、以下の要件を満たしているか確認してください。
申請要件
①宿泊事業者であること
・旅館業法第3条第1項に規定する許可を受けた者
・ただし、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業を営む者、また、住宅宿泊事業法第3条第1項に規定する住宅宿泊事業を営む者は補助対象事業者となりません
②次のいずれかに該当すること
・「宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインに基づく登録制度」の登録を受けた方、または登録申請中の方
・有価証券報告書を内閣総理大臣に提出する会社またはその子会社・関連会社であり、観光施設における心のバリアフリー認定制度の認定を取得済みまたは1年以内に取得予定の方
③地域と連携し、人手不足解消のための具体的な取組を行っていること
・DMO、地方公共団体、観光協会、宿泊団体支部、公立学校、その他地域で活動する団体とと連携し、地域一体での求人活動等、人手不足解消のための具体的な取組(PR活動・セミナー、イベントの参加又は開催)を行っていること
・原則として、過去3年以内の取組である必要があります。取組実績がない場合は取組予定でも構いません。
申請〜補助金交付までの流れ
実際のフローについての大枠をご紹介します。申請は以下のような手順で進んでいきます。本ブログでは、申請部分の1〜3を中心に解説していきます。
申請〜補助金交付
参考:資料一覧|観光地・観光産業における人材不足対策事業 特設Webサイト|観光庁
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
- 特設Webサイト(https://kanko-jinzai.go.jp/)での参加申込(5月23日締切)
- 【推奨】「宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインに基づく登録制度」の登録手続き
- 計画申請の提出(5月30日締切)
- 計画採択の通知を受領(7月上旬頃予定)
- 交付申請の提出(最終締切:11月14日まで) ※計画採択後、できるだけ早く交付申請を行うことをお勧めします
- 交付決定の通知を受領後、事業実施
※交付決定前に事業を開始(発注・契約等を含む)した場合、その経費は補助対象外となります - 完了実績報告の提出(令和8年1月9日締切)
- 補助額の確定通知を受領
- 補助金請求書の提出と補助金受領
STEP1:公募要領を確認し、参加申込を実施
公募要領を確認し、申請にあたっての手順や補助対象となる条件などを確認してください。本Webサイトの参加申込フォーム(https://kanko-jinzai.go.jp/plan/)にて応募してください。確認後、担当者から連絡が来ます。
詳細はこちら
STEP2:(推奨)「宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインに基づく登録制度」の登録手続き
補助金申請の優先順位において「高付加価値経営旅館等」または「準高付加価値経営旅館等」の登録が重要なポイントとなります。ここでは、登録手続きの具体的な流れをご説明します。
1. 登録の種類と要件
本制度では、宿泊施設の登録区分として「高付加価値経営旅館等」と「準高付加価値経営旅館等」の2種類があります。
宿泊施設の登録区分
- 高付加価値経営旅館等
・基本的な取組(必須事項)に加え、発展的な取組(努力事項)も実施している施設
・全ての「必須事項」を満たし、4つの視点(会計、持続可能性、労働環境改善、IT導入)それぞれについて「努力事項」の半数以上を満たしていること - 準高付加価値経営旅館等
・基本的な取組(必須事項)を実施している施設
・全ての「必須事項」を満たしていること
2. 申請書類の準備
観光庁ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/kankocho/page06_00013.html)から、申請する登録区分の申請書類様式をダウンロードします。
必要な書類
- 高付加価値経営旅館等の申請書類
・新規登録申請書
・旅館業法第三条第一項の規定による許可を受けていることを証する書類
・添付書類(必須事項に関する確認資料)
・添付書類(努力事項に関する確認資料) - 準高付加価値経営旅館等の申請書類
・新規登録申請書
・旅館業法第三条第一項の規定による許可を受けていることを証する書類
・添付書類(必須事項に関する確認資料)
3. 申請書類の作成
新規登録申請書の作成にあたっては、まず、旅館業法の営業許可を受けている施設の名称と住所を正確に記載する必要があります。また、申請者の情報は営業許可書に記載されている内容と完全に一致させることが求められます。
さらに、添付書類の作成についても注意が必要です。必須事項に関する確認資料としては、チェックリストを活用し、全項目を漏れなく準備しておくことを推奨いたします。
(高付加価値経営旅館等の場合、努力事項に関する確認資料も必要となり、4つの視点ごとに半数以上の項目を準備することが求められます。)
確認書類と作成時の注意点
- 主な確認資料の例
・貸借対照表、損益計算書などの財務諸表
・労働生産性、ADR、RevPARなどの指標の算出資料
・就業規則(届出印付き)の写し
・36協定の写し
・観光施設における心のバリアフリー認定証または取得計画表
・持続可能性に関する取組の証跡 - 作成時の注意点
・貼り付けた画像ファイルは文字が判読できる解像度で
・年度・年欄の記載漏れに注意
・就業規則は受付印が確認できる全頁を添付
4. 申請受付と審査
作成した申請書類を宿泊施設の所在地を所管する地方運輸局等に提出します。
申請書類を提出すると、5営業日以内に申請受付メールが届きます。このメールは申請済みであることを証明する重要な資料ですので保管してください。審査の結果、不備があれば再申請の依頼が来ることがあります。再申請依頼シートに従って修正し、再提出します。
詳細
- 提出方法:メール(沖縄県は専用フォーム)
- 提出先:各地方運輸局等の担当メールアドレス(観光庁ウェブサイトで確認)
5. 登録証の受領
審査が完了すると、運輸局等から登録証が郵送されます。登録証には登録番号と有効期間が記載されていますので、必ず確認してください。
この登録番号は、「観光地・観光産業における人材不足対策事業」補助金の申請時に必要となります。
6. 登録後の手続き
登録完了後は以下の対応が必要になります。
登録後の手続き
- 登録日の属する事業年度の終了日から3ヶ月以内に経営状況報告を提出
- 「観光施設における心のバリアフリー認定制度」の取得計画表を提出した場合は、登録日から1年以内に認定を取得
STEP3:計画申請の手続き
- 出典 :
- 計画申請に必要な書類
宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインに基づく登録が終わったら、以下の書類の提出をします。
提出書類
- 事業計画書
申請者に関する情報のほか、補助事 業、補助対象経費についてとりまとめ た様式 - 設備等導入前の写真
申請する施設の①概観、②設備等を 導入する前の場所や作業イメージを写 真にて添付する様式 - 「宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインに基づく登録制度」登録申請受付メールの写し
未登録の場合 - 旅館業法上の許可証
本事業の申請要件となる申請する施設 の旅館業法上の許可証 - 見積書・相見積書,br>導入する設備等の見積書及び、他社から 取得した相見積書
- 製品のカタログ等
導入予定の 設備等が分かる資料
特に見積書については、以下の点に注意して準備しましょう。
【重要】見積書作成時の注意点
- 申請者名または宿泊施設名宛であること
- 内訳が「一式」ではなく、製品名・型番を明記していること
- 発行日と有効期限が明記されていること
- 見積作成者の情報が記載されていること
- 金額と税込/税抜の区分が明確であること
補助要件によっては、任意書類も必要になります。詳細については以下の資料を参考にしてください。
https://kanko-jinzai.go.jp/document/#keikaku
【作成例】事業計画書作成のポイント
提出書類である事業計画書を作成する際の主なポイントを、RemoteLOCKの導入を例に解説します。
実施主体・施設情報
ここでは基本情報を入力します。特に以下の点に注意しましょう。
注意するべきポイント
- 「高付加価値経営旅館等」登録または申請状況
- 地域と連携した取組内容(例:地元観光協会主催の人材採用セミナーへの参加実績)
- 現在の従業員の平均賃金と、本事業実施後の目標賃金
事業の目的
例文
当施設では、宿泊客の増加に伴い、チェックイン/チェックアウト時の鍵の受け渡し業務が増大し、フロントスタッフの業務負担が大きくなっている。特に深夜や早朝のチェックイン対応に人員を配置せざるを得ず、人手不足が課題である。
この問題を解決するため、RemoteLOCK(スマートロックシステム)を導入し、鍵の受け渡し業務を自動化することで、フロント業務の効率化と省人化を図る。これにより、限られた人材をより付加価値の高いサービス提供に振り向けることが可能となり、宿泊客満足度の向上と従業員の労働環境改善を目指す。
※あくまで例文となります。例文は申請書式に適合していることを保証するものではありません。事業者様の状況にあわせて作成してください。
導入する設備・システム等の概要
例文
【導入設備】RemoteLOCK(スマートロックシステム)
【概要】
RemoteLOCKは、暗証番号の入力やQRコードをかざして施錠・解錠を行うスマートロックシステムである。クラウド管理機能により、遠隔からゲストへの暗証番号発行や入退室管理を実現する。
【主な機能】
- クラウドでの鍵(暗証番号)発行・管理
- 宿泊システム連携による自動鍵発行
- 入室履歴の自動取得・管理
- セルフチェックインシステム連携
【導入内容】
・フロント業務効率化のためのRemoteLOCK(スマートロック)(X台)
・ゲート/共有エリア向けのRemoteLOCK(スマートロック)(X台)
・クラウド管理システム利用料(最大2年分)
※あくまで例文となります。例文は申請書式に適合していることを保証するものではありません。事業者様の状況にあわせて作成してください。
人手不足の解消に資する理由(区分Aなので記入不要)
RemoteLOCKは「スマートロック・カードロック」として区分Aに該当するため、人手不足解消に資する理由の記入は不要です。
導入による効果(省人化効果)
例文
【現在の対応人数】
・フロント受付担当:3名(昼間2名、夜間1名)× 8時間 = 延べ24時間/日
・鍵受け渡し業務:約X時間/日(チェックイン・チェックアウト時)
【導入後の対応人数】
・フロント受付担当:2名(昼間のみ)× 8時間 = 延べ16時間/日
・鍵受け渡し業務:約0時間/日(自動化により不要)
【効果】
・人員削減効果:1名分(8時間/日)の人件費削減
・業務効率化:従来約X分/人かかっていたチェックイン時の鍵受け渡し作業が不要に
・夜間の無人運営が可能となり、24時間体制の人員配置が不要に
・解放された人的リソースをより付加価値の高いサービス提供に振り向け可能
※あくまで例文となります。例文は申請書式に適合していることを保証するものではありません。事業者様の状況にあわせて作成してください。
【参考①】補助対象外となる主な経費
申請する際は、以下の経費が補助対象外となることに注意してください。
対象外になる経費
- 交付決定前に発生した経費
- 中古設備の購入費
- 汎用性が高く一般使用が見込まれる物品(例:テレビ、事務用パソコン、タブレット端末など)の購入費 ※ただし、導入するシステム等に必要不可欠な場合は対象となる場合があります
- 食器及び衣類等の消耗品の購入費
- 躯体の新設工事費(必要最低限の工事費は補助対象に含まれます)
- 物品のレンタル、リース料(システム利用料と不可分の場合は例外あり)
- 振込手数料及び収入印紙等の設備購入に要する手数料等
【参考②】採択優先順位
- 出典 :
- 観光庁 3/19(水)事業説明会資料
この補助金の採択は以下の優先順位で行われます。各優先順位内では、早く申請した事業者から審査・採択されますので、早めの申請をおすすめします。
【まとめ】「観光地・観光産業における人材不足対策事業」補助金活用ガイド:RemoteLOCKで実現する宿泊施設の省人化と業務効率化
申請にあたっては、書類の準備と締切に余裕をもって対応することが重要です。この補助金の採択方法は、優先順位に基づき、各優先順位の中で早く申請した事業者から審査・採択されます。「高付加価値経営旅館等」の登録を受けている方が優先されるため、優先採択を目指す場合は、まず「宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインに基づく登録制度」の申請を速やかに進め、補助金申請と並行して準備することをお勧めします。
補助金申請に関する詳細は、観光地・観光産業における人材不足対策事業の特設Webサイト(https://www.kanko-jinzai.go.jp)や事務局にお問い合わせください。
『RemoteLOCK(リモートロック)』
- ・予約者ごとに異なる暗証番号を発行可能
- ・予約期間外は入室不可に!期間外の不正入室の心配はなし
- ・予約システムとの連動で番号を自動発行
▼資料(PDF)をダウンロードする