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公開日2022.07.27

最終更新日2024.05.14

DX化が進むホテルで顧客接点を強化する方法とは?

現在、多くのホテルでDX化が進み、省人化や非対面化が広がる中、「顧客接点」が希薄になるという新たな問題が発生しています。そこでこの記事では、顧客接点がなぜ重要なのか、そしてホテルのDX化を進める中で顧客接点を強化するための方法をご紹介します。

ホテルのDX化で顧客接点が重要視されているわけ

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近年、多くのホテルではDX化が進んでいますが、一方で「顧客接点」を強化する動きがでています。DX化で、今まで人の手で行っていた業務をIT技術が担うことにより、省人化や業務の効率化が可能になりましたが、それによってゲストとの関わりが希薄になることが問題となっているのです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

企業が、ビッグデータなどのデータとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、業務プロセスを改善していくだけでなく、製品やサービス、ビジネスモデルそのものを変革するとともに、組織、企業文化、風土をも改革し、競争上の優位性を確立すること。

顧客接点とは

顧客接点とは、サービスを提供する側(企業や店舗など)とされる側(お客様)が接する「場面」や「機会」のことを指します。たとえば、従来の店舗では、スタッフがゲストに挨拶するところから始まり、商品の案内や説明をし、お会計でお金の受け渡しをするなど、人と人の関わりが深い「顧客接点」でした。ところが近年、人が行っていた業務の機械化やIT化が進み、顧客接点そのものが変化しています。

現在の顧客接点

  • コールセンター、コールセンターなどの電話・チャットによる顧客接点
  • InstagramやTwitterなど、SNSでの情報発信やフォローなどの繋がり
  • LINE、メルマガ、ダイレクトメールなどによる情報発信

もちろん、まだまだ人による接客がなくなったわけではありません。しかし、商品をネットで購入することが多くなり、店舗でも自動精算や無人化が進んだりしたことで、顧客接点が希薄となっています。しかし今、改めて「顧客接点」の重要性が叫ばれています。その重要性とはどのようなものでしょう。

顧客接点が重要なわけ

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ゲストとの繋がりである顧客接点は、企業、特にホテルなどのサービス業にとってかなり重要です。顧客接点が重要なのは、主に次の理由があるからです。

顧客接点が重視される理由

  1. 企業イメージと直結するから
  2. 顧客からのフィードバックが貴重だから

それぞれ解説していきましょう。

① 企業イメージと直結するから

顧客接点は企業(ブランド)イメージと直結します。というのは、ゲストが体験した顧客接点が、その会社の「企業イメージ」となるからです。たとえば、「店員さんの対応がすごく良かった!」など、一度良い印象を持ってもらえば、店舗や商品のファンとなったり、リピーターや優良顧客なったりして、長く応援してもらうことも可能です。さらに、知人に紹介したり、SNSに投稿したりすることで、ブランドイメージが良くなり、思わぬ新規顧客の獲得にもつながります。

反対に、顧客接点による企業イメージが悪いと、商品やサービスの購入が期待できなくなるだけではなく、あっという間に口コミで拡散され、多くの人に悪い印象を与えてしまうのです。

② 顧客からのフィードバックは貴重だから

顧客接点は、顧客から貴重なフィードバックを受けることが可能です。たとえば実際に接客していると、ちょっとしたクレームがあったり、反対にお褒めの言葉をいただいたりすることがありますが、それは運営やオペレーション改善のヒントにも繋がります。また、「こういうサービスがあったらいいのに」「〇〇だからいつも買っているの」などの意見は、商品仕入れや開発の貴重な提案になります。これらは、会社が発展していく上で重要なPDCAサイクルの動力にもなります

しかし、顧客接点が少なくなると、そういったフィードバックを受けることが少なくなる上、不満をいうことなく静かに去っていく「サイレントクレーマー」も増加する可能性があるのです。サイレントクレーマーがSNSなどにネガティブな書き込みをすると、お詫びなどをする機会もなくどんどん拡散され、会社や商品が衰退する一因にもなります。このように、事業者にとって顧客接点は大切です。それは、DX化が進むホテルなどの宿泊業者にとっても重要な課題となっています。

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顧客接点の希薄化が進むホテル業界

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現在、ホテル業界でも顧客接点が希薄になっているのが問題となっています。もともとホテルはホスピタリティの頂点ともいわれ、特に日本のホテルや旅館での真心こもった「おもてなし」は世界的に有名でした。しかし、次のような理由からDX化が進み、顧客との関わりがどんどん希薄になっているのです。

DX化が進み顧客との関わりが希薄になる理由

  1. コロナによる非接触・非対面接客
  2. 人件費削減のためのITシステム

それらの理由について簡単に説明しましょう。

① コロナ禍で加速した非接触・非対面接客

ホテルのDX化は、コロナ禍による「接触」を避けるために急激に進みました。3密を避け、非接触・非対面接客のためのIT機器やシステムが次々と採用されたり、新たに開発されたりして、顧客接点がどんどんと希薄になったのです。

たとえばコロナ初期では、ゲストの体温などはフロントスタッフが直接検温器で計測したものでしたが、その後、機械の前に立つだけで自動的に検温されるようになりました。また、人による現金の受け渡しも敬遠されるようになり、自動精算機やキャッシュレス決済化が急激に浸透しました。コロナウィルスの影響によって、人と人の「ちょっとした関わり」さえも、どんどんなくなっているのです。

② 経費・人件費削減のためのIT化

経費や人件費削減のためのIT化も進んでいます。コロナ禍によるインバウンドや旅行者の急激な減少によって、宿泊業界は大打撃を受けました。アフターコロナでホテルを維持していくためには、サービスの質を落とすわけにはいかず、経費削減が不可欠です。

中でも経費の多くを占めるのが人件費です。たとえば、フロントスタッフが行っていた業務をセルフチェックインシステムに変えることで、スタッフの数を減らし、経費削減が実現するようになりました。最少人数でホテルを運用することが可能になりましたが、無人ホテルなど「顧客接点」がほとんどなくなるケースもあるのです。

顧客接点が少ないことで生じるホテルの課題

上記のように、顧客接点が少なくなることはホテルにとってどような影響があるのでしょうか。

顧客接点が少なくなることでの影響

  1. ホスピタリティを感じず事務的な印象を与える
  2. ゲストの困りごとに気づきにくくなる
  3. アップセル・クロスセルにつながらない

などがあげられます。それぞれを解説していきましょう。

① ホスピタリティを感じず事務的な印象を与える

スタッフとゲストとの関わりが少ないと、ホスピタリティを感じられず、事務的な印象を与えることもあります。ゲストによっては、「歓迎されていない」とネガティブに受け止められることもあるでしょう。

たとえば、セルフチェックインシステムなどの最新システムは慣れていない人にとっては不安が大きいもの。しかし、何の説明や案内もなく「できて当たり前」のように設置されていると、まるで自分は歓迎されていないかのような印象をうけ、口コミ・レビューの減点になることもあります

② ゲストの困りごとや不快感に気づきにくくなる

顧客接点が少ないと、ゲストの困りごとや不快感に気がつくことが難しくなります。スタッフがいれば数秒で解決できる困りごとでも、ゲストは自力で解決法を見つけなくてはいけません。また、ゲストが持った不快感も、スタッフがいたらすぐに対応や改善をすることもできますが、顧客接点がない場合、ゲストがそのまま持ち帰りSNSに投稿されて初めて気がつく、ということにもなりかねません

上の章でもご紹介しましたが、ゲストからのフィードバックは、オペレーションの改善やブランドイメージの向上にも繋がります。しかし、顧客接点がないと、こういったことに気が付きにくくなるのです。

③ アップセル・クロスセルにつながらない

顧客接点が少ないと、アップセル、クロスセルに繋がりにくくなります。スタッフからの温かいおもてなしは、顧客満足度が高くなりやすく、ファン化やリピーターに繋がります。また、ちょっとしたお声がけで、お土産物や特産品のアピールができ、キャンペーンの案内、グレードの高いサービスの提案など、収益の向上も期待できます。

しかし、顧客接点が少ないと、購買や収益アップのための機会が少なくなります。いくらお部屋に冊子をおいたり、ホームページでアピールしたりしても、ゲストがそれを見るとは限らないのです。この章では、DX化が進むことで顧客接点が希薄になる問題や現状について解説しました。では、このような課題を解決するには何をするべきなのでしょうか。次の章でご紹介します。

顧客接点を強化するための2つの方法

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ここまでお読みになった方は、顧客接点がいかに大切で、DX化が進んだことによる課題が大きいことがお分かりになったのではないでしょうか。この章では、DX化で希薄になりがちなホテルの顧客接点をいかに強化するかについて解説します。顧客接点を強化するには、2つの方法があります。

顧客接点を強固にする方法

  1. 人による顧客接点を強化する
  2. ITソリューションで強化する

それぞれの方法をご説明します。

人による顧客接点を強化する

ホテル業務はDX化しつつ、削減できた時間はゲストとのコミュニケーションの時間に充てることで、顧客接点を濃厚にすることができます。たとえば、チェックインシステムなどを導入すると、フロントの事務的業務が大幅に軽減されます。その空いた時間で、スタッフがホテル内を巡回したり、積極的にゲストにお声がけをしたりするのです。

また、セルフチェックインやスマートロックなど、最新のITシステムを初めて利用するゲストには付き添って個別にご案内する、またはすぐに連絡ができるシステムや、スタッフが駆けつけられる体制を作ることもゲストに安心感を与えます。「ホテルのシステムや設備は最先端なのに、ホテルのスタッフが温かく、気持ちよく過ごせた」などの「お客様の声」は、ホテルを検索している人にとって「このホテルなら安心」という大きなアピールとなります。DX化された最先端のホテルでも、従来の「おもてなし」のような顧客接点を作ることができるのです。

ITソリューションで強化する

最新のITソリューションを活用することで、ゲストごとにカスタマイズされたサービスを提供し、顧客接点を強化することも可能です。誰にでも同じようなサービスではなく、自分だけに向けたきめ細かいサービスは、たとえ人に触れ合わなくても特別に感じ取っていただけるものです。

それを可能にするのが、次にご紹介するITシステムです。

業務のデジタル化でゲストとの繋がりをつくる 「aipass (アイパス)」

aipass株式会社が運営する「aipass (アイパス)」は、PMS・ゲストアプリ・セルフチェックインシステムが一体となったホテルシステムです。館内施設の時間予約やルームサービスの注文など、ゲストのスマホを活用した施設オペレーションが実現できます。

複雑になる顧客データの活用や、手間がかかる業務をデジタル化することで、運営の効率化を図ることができる点も特徴です。

aipass(アイパス)のポイント

  • 顧客分析やリピーターなどの情報を簡単に管理できる
    ゲストの属性や宿泊頻度、満足度のデータを簡単に閲覧できるので、利用回数に応じたご案内や、好みの傾向に合わせたサービスが提供できます。
  • LINE提携をして、ゲストと直接繋がることができる
    ホテルのLINE公式アカウントから事前チェックインのご案内の配信や、宿泊後も繋がって、ゲストに合わせたキャンペーンなどのお知らせをすることができます。
  • スマホでのリクエストや混雑状況予測機能を提供できる
    ゲストのスマートフォンで、アメニティやレストラン予約をリクエストできるほか、システムと連携して施設内の混雑状況が把握できるようになります。

ゲストはノンストレスで自分に合ったホテルライフを楽しむことができ、利便性と質の高いサービスを感じていただくことができます。

密接なコミュニケーションが可能なITソリューション AirHost ONE

株式会社エアホストが運営する「AirHost ONE」は、ホテルの状況に合わせた非対面チェックインを実現でき、本人確認や決済、お部屋、鍵の案内までトータルサポートが可能になります。

宿泊前からゲストと繋がり、顧客管理やプロモーション機能でゲストの興味に合わせた宿泊体験を戦略的に提案することができます。

顧客接点のポイント

  • ゲストコミュニケーションが取りやすい
    電話、メッセージ(チャット・メール・SNSなど)連絡手段が多く、利用しやすい問い合わせ方法を選ぶことで、迅速な対応が可能になります。
  • ゲストが欲しいコンテンツを自由にカスタマイズできる
    ゲストが欲しい情報をメインメニューに集約することができます。自社コンテンツだけではなく、周辺の観光案内、館内案内や混雑状況など、ゲストが知りたい情報を先回りして提示することで、不安のない宿泊体験を提供できます。
  • アップセルに対応できる
    ルームサービスや各種オプションサービスをスマホから閲覧し、注文することができます。スマホから気楽にエステやスパの予約、お土産や特産品の購入、お部屋のアップグレードなど、簡単な操作で効果的なアップセルが期待できます。

このように、DX化で顧客接点が希薄になる一方で、ITソリューションをうまく活用すれば、効果的な顧客接点をいくつも作ることが可能になります。

【まとめ】DX化が進むホテルで顧客接点を強化する方法とは?

いかがでしたでしょうか。ホテルのDX化は、たしかに業務の効率化を進め、人件費削減にも貢献します。しかし、その分顧客とのつながりが薄くなりがちで、「事務的な対応」と捉えられることもあります。顧客接点が薄いと、企業イメージや顧客満足度にも影響します。DX化でスタッフの負担が軽くなる分、ゲストへのお声がけやサポートを増やしたり、ITソリューションを活用して顧客接点を増やすことも可能になります。顧客接点を強化する参考にしていただけましたら幸いです。

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