ディズニーホテルはディズニーファンなら「一度は泊まってみたい」憧れのホテルです。その人気の理由は、「圧倒的な世界観づくりの上手さ」にあります。この記事では、ディズニーホテルが人気の理由と、ディズニーホテルから学べる一般的なホテルが取り入れるべきポイントをご紹介します。

ディズニーホテルは、ディズニーファンから圧倒的な支持を得ているホテルです。その人気の理由として以下を挙げることができます。

しかし、一番大きい理由として、「ディズニーリゾートと共有する圧倒的な世界観づくり」があげられるでしょう。この章では、ディズニーホテルの人気の秘訣と、その世界観づくりを支えている「キャスト」と「仕組みづくり」について解説します。

ディズニーホテルとは、東京ディズニーランドやディズニー・シーを運営している東京ディズニーリゾート（TDL)が直営するホテルで、デラックスタイプの「東京ディズニーランドホテル」、「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」、「ディズニーアンバサダーホテル」、モデレートタイプの「東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリホテル」、バリュータイプの「東京ディズニーセレブレーションホテル」の5つを指します。

中でもデラックスタイプの3つのホテルは最高ランクとされ、イベント期間やシーズンによってはホテルの予約開始から10分程度で満室になる部屋もあるなど、予約が困難であることでも知られています。

旅行・お出かけメディアのRETRIPによる「東京ディズニーリゾートのホテル・人気ランキング」では、ディズニーリゾートエリア12のホテルのうち、1位〜3位までをこれらのホテルが独占しており、ディズニーファン憧れのホテルとしても有名です。

ディズニーホテルの一番の特徴はなんといっても、ディズニーランドやディズニーシーの世界観そのままに宿泊ができるところ。小さなお子様をはじめ、熱心なディズニーファンをも満足させ、リピーターが多いことでも知られています。

この世界観づくりはどのように作られているのでしょうか。

ディズニーホテルのほかを寄せ付けないほど超人気の秘訣は、「圧倒的な世界観づくり」です。
この世界観を演出するのに欠かせない要素は大きく2つに分けられます。

それぞれのお客様の声を参考に詳しく解説していきます。

①スタッフ（キャスト）によるおもてなし

まずは、ホテルスタッフ（キャスト）によるおもてなしです。ディズニーランドのキャストの素晴らしさは有名で、アトラクションのガイドから掃除のスタッフまで、ゲストを楽しませるエンターテナーです。ゲストは、どこを見ても、誰をみてもディズニーの世界観を堪能することができます。

そんなキャストと比較されてしまうのがホテルのスタッフ。当然、ディズニーランドと同レベル、または更に高い対応を期待されてしまいます。

そんなディズニーホテルのスタッフに対して、お客様はどのように感じているのか、口コミから見ていきましょう。

このように、「やはりディズニー」という期待感と、それに答えるスタッフのおもてなし精神が、ゲストの満足度を上げる要因となっています。ディズニーホテルのスタッフは、正確にはディズニーランドのキャストではありませんが、ゲストにとっては何ら変わりのないエンターテナーであり、同じ世界線にいるのです。

ホテルの外観や内装だけではなく、スタッフの対応こそが、ディズニーホテルの人気を支える要因といえます。

②世界観を作り上げる仕組みづくり

ディズニーホテルの世界観を目に見える形で支えているのが「スタッフによるおもてなし」だとすると、それを支えているのが「最新の技術やシステムを利用した仕組みづくり」といえます。最近話題となったのが、ディズニーランドの世界観をこわさない「オンラインチェックイン」システムの導入です。

たとえば、ディズニーランドでクタクタになるまで楽しんだあとに、ホテルのチェックインで長時間並ばされると、ゲストの高揚感は一気に冷めてしまいます。

それを解消するために取り入れられたのが「オンラインチェックイン」システムです。手持ちのスマートフォンで、ホテルのチェックインの手続きが簡単になるほか、スマートフォンがそのままゲストルームの「鍵」となります。

このような最新システムは、ときに無機質で冷たい印象を与える場合もあります。しかし、単純に最新システムを取り入れるのではなく、まるで魔法のようにシステムを魅せる姿勢が、ディズニーファンからも違和感なく受け入れられるポイントです。

ディズニーホテルでは、最新のITシステムを活用し、ゲストに利便性を感じていただきつつ、エンターテイメントにしてしまう「仕組みづくり」のレベルが高いといえます。

こういった取り組みは、「ディズニーだから可能」というわけではありません。このような取り組みを参考にして、通常のホテルに取り入れ、ディズニーホテルのような根強いファンを獲得することも可能です。
次の章でくわしく解説しましょう。

ディズニーホテルから人気の絶えないホテルの作り方を学びましょう。
とはいえ、ディズニーのような圧倒的な世界観がない場合、
「ディズニーだから可能なのでは」「普通は人気どころか他のホテルとの差別化さえ難しい」と思われがちです。

しかし、第一章でご紹介したディズニーホテルの取り組みは、普通のホテルでも十分に応用できるものです。ポイントは2つです。それぞれ解説しましょう。

ディズニーホテルから学べるポイント①は、コンセプトに沿ったおもてなしの徹底です。豪華な設備や最新の設備もいいのですが、それ以上にゲストが求める価値を把握し、その価値に沿ったサービスを提供することです。

たとえば、ディズニーリゾートに来るゲストの多くは、ディズニーのコンセプト「夢と魔法の王国」の世界観を愛しているため、ホテルでも同じように楽しみたいと期待しています。その期待に沿った対応をすると、「さすがはディズニーホテル」「やっぱりこのホテルでよかった」とホテル自体のファンになるのです。

同じように、一般のホテルでもゲストが求めるコンセプトを探り、そのコンセプトに徹底的に沿うことが、ゲストにとっての最大の「おもてなし」となるのです。

コンセプトに沿ったおもてなしは、「そこにしか無い体験価値」と言い換えることもできます。そのホテルならではの体験を通し、ゲストがそのホテルを愛するようになり、ファン化し、さらに「おすすめ」として拡散することで永続的な人気を得ることができます。

ディズニーホテルから学ぶ第2のポイントは、最新技術のアピール方法です。ディズニーホテルでは、スマートフォンをゲストルームのスマートキーとして利用するシステムを、「魔法の鍵」のように表現しています。最新システムは安全性や利便性を高める反面、無機質になりがちですが、ディズニーの世界観を壊すことなく、楽しんで利用することができるのです。

このように、最先端のIT技術やシステムも、利用の方法やアピールの仕方によってはゲストに温かみを感じてもらい、喜んで使って使っていただくことが可能になります。

たとえば、非対面で行うセルフチェックインシステムも、単純に「便利です」「時短ができます」と表現すると、いかにも冷たい印象があります。最新システムは、人によっては「難しそう」「自分にできるのかな」と不安に思うもの。

しかし、システムの説明をする際、たとえばストーリーやちょっとした表現の工夫、そしてサポート体制をひとこと添えてあるだけで、ホテルに対して人間味や好感を持っていただくことができます。

無人ホテルや省人ホテルのように、直接スタッフが対応しない場合でも、「きちんともてなされている」と感じていただける工夫はたくさんあるのです。ディズニーホテルのように、最新技術を用いながら、ゲストをもてなす仕組みづくりはどのようなホテルでも応用可能です。

いかがでしたでしょうか。ディズニーホテルは、ディズニーランドやディズニー・シーの世界観を壊すことなく、宿泊を楽しめることで、ディズニーファンから高い人気を誇っています。その人気を支えているのが、キャストによるおもてなしと、世界観を壊さない仕組みづくりです。

「ディズニーだからできる」のではなく、どのようなホテルでも応用可能で、コンセプトに沿ったおもてなしの徹底と、最新IT技術のアピール方法がポイントとなるでしょう。人気のホテル作りに、この記事を参考にしていただけましたら幸いです。

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