時間貸しビジネスの受付業務を効率化するには?3つのポイント
近年、業種を問わずデジタル技術を活用した業務サポートシステムを導入することで受付の業務を効率化しようという動きが広がっています。今回は特に時間貸しビジネスや店舗型のビジネスに焦点を絞って、受付業務の効率化を考える際に重要となるポイントや、成功事例をご紹介します。
時間貸しビジネスにおいて受付業務を効率化すべき理由
受付業務とは、一般的に会社や店舗への来客対応や案内を行なう業務であり、施設の第一印象を左右する重要なポジションです。例えば、スペース貸しのビジネスでは、利用者の来訪時のチェックイン業務(予約や会員証の確認、施設の鍵の受け渡し、代金決済など)や施設の利用に関するサポート業務があります。
近年、さまざまな業種のさまざまな業務分野で、デジタル化による業務の効率化やサービスの高付加価値化が進んでいます。今回のテーマである受付業務についても、IT技術を活用した業務システムやその他さまざまなツールを活用して、受付業務やそれに付随する業務を効率化しようという積極的な動きがみられます。それではなぜ受付業務を効率化した方が良いのか?以下、簡単にまとめてみました。
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業務負担とコストの軽減
受付システムとは、ひとことで説明すれば、タブレットなどの電子端末を使って受付業務を自動化するためのシステムです。このシステムを導入すると、それまで来訪者があるごとに人的対応を必要としていた業務がシステムによって自動化されます。当然、その部分の業務は軽減され、受付にスタッフを配置する必要もなくなりますので、そのための人件費を削減することが可能となります。
一方、時間貸しビジネスのようなあらかじめ予約が必要な業態においては、予約システムやその他のツールを活用して受付を省人化、無人化する動きが広がっています。利用者が予約システムを通じて予約を行なえば、施設側は予約システムと連携したスマートロックなどのツールを活用することよって入退室を管理することが可能となり、受付(チェックイン)業務そのものが不要になる、というわけです。
このようにして受付業務の省人化、無人化を進めれば、ストレートに人件費の大幅な削減につながりますし、あるいは、それまで受付業務に従事していたスタッフをより生産性の高い業務へと再配置することも可能となりますので、ビジネスの更なる成長に役立てていくこともできるでしょう。
人為的ミスの削減
受付業務における人為的ミスとして、例えば、予約の確認ミスやダブルブッキングなどが考えられます。業務をシステム化してしまえば、あらかじめプログラムされたルーティンに従って、システムが正確に業務を実行しますので、手作業に頼っていると起こりがちな人為的ミスも、発生する心配がありません。
同時に、人為的ミスによって引き起こされるイメージの低下や業務上の混乱といったリスクを最小化することができます。
セキュリティの強化
受付システムでは、受付に設置されたタブレットなどから来訪者の本人確認や来訪目的を常時確認できます。予約システムとスマートロックを活用するなどして入退室管理を行なえば、予約の無い来訪者が施設に入室してくることはありません。いずれの場合も、来訪者の記録は自動的かつ正確に残りますので、来訪者情報の管理という点でも安心です。
また、受付システムや予約システムには、スマートロックやセキュリティカメラなど強固なセキュリティを担保するシステムとの連携が可能なものが多くありますので、施設や店舗の性質にあわせて、万全のセキュリティ体制を構築することが可能です。
利用者の利便性向上
受付システムや予約システムを活用すれば、利用者は基本的に非対面で受付を完了することができますので、まず、感染防止の観点から安心です。また、多くの場合、その場での書類の記入などといった面倒な手間が不要となりますので、利用者は受付に要する時間を短縮でき、快適に施設や店舗を利用していただくことができます。
こうして利用者の利便性を高めることができれば、企業イメージの向上にもつながりますし、また、最新のシステムを活用すること自体が、自社の先進性のアピールにもつながるでしょう。
受付業務効率化を実現するための3つのポイント
次に、システムの導入によって業務効率化をはかろうとする場合に、あらかじめ押さえておきたいポイント3点について解説したいと思います。
現状分析と目標設定
まず、自社のビジネスがどのような業務から成り立っているのかを把握し、その中でどの部分に問題があるのか、どう改善の余地があるのか、といった分析と検討を行ないましょう。特に、受付に関連する業務プロセスにおいて、無駄や無理が存在していないか、利用者から見た時に利便性が損なわれていないか、などといった視点が重要だと考えます。
その上で、システム化を進めることで何を実現したいのか、しっかりとした目標設定を行ないましょう。ひと口にシステム化といっても、多種多様なシステムやツールが存在しています。現状分析に基づいて、自社が必要とする機能を洗い出し、優先順位をつけることで、どのシステムを選択すべきか、という判断基準を持つことができます。
当然のことですが、コストとスケジュールも重要な要素です。予算の許す範囲内で最適なシステムを選択するとともに、導入までの手順とスケジュールを明確にして、計画的な導入を行ないましょう。
業態に適したシステムやツールの選択
ホテルなどの宿泊業やそれに類似する業態であれば、人による温かみのあるおもてなしという要素を重視する利用者も少なくないと思われます。システムの導入によって急にフロント業務を完全無人化してしまうと、無機質なイメージから顧客満足度が低下してしまう、という懸念も生じます。そのような場合、例えば予約者ごとにウェルカムメッセージを表示するなど、おもてなし機能を備えたシステムも選択肢の一つとなるでしょう。
また、一般企業の受付と同じように、利用者の来訪をスタッフに通知したり、スタッフとやり取りを行なう必要がある業態の場合は、LINEなどのチャットやSMS(ショートメール)、通常のメールなどと連携した通知、コミュニケーション機能を備えた受付システムを選ぶのが良いでしょう。
一方、最近増加している無人ジムのような無人営業を前提とした業態であれば、利用者は原則としてスタッフが不在であることを理解した上で来訪しますので、受付が無人であることには初めから抵抗は少ないと思われます。利用者が懸念するのは、自分が施設を利用している最中に部外者が侵入して来ないか、といったセキュリティ上の問題でしょう。そのような場合、スマートロックやセキュリティカメラといった、セキュリティを担保するツールと連携して動作することが可能なシステムを選択することが望ましいといえます。
このように、ビジネスの業態によって利用者の意識や行動パターンは千差万別です。システムに求められる機能も大きく変わってきますので、自社の業態にマッチしたシステムを賢く選択することが重要です。
システム連携を用いたメリットの最大化
上述の通り、現在各社からさまざまな特徴と機能を備えたシステムやツールが提供されており、それぞれさまざまな外部システムと連携を行なって機能を拡張することが可能となっています。
前項でご紹介したいくつかの機能以外にも、Googleカレンダーなどと連携したスケジュール管理機能を備えたシステム、決済システムや顧客管理システムと連携して利用者の情報を一元的に管理することが可能なシステムなど、その選択の幅は大きく拡がっています。
自社の業態や利用者の特性に最適なシステムの選択と連携を行ない、そのメリットを最大化することができれば、日常業務の効率化と収益性の向上を実現すると同時に、顧客満足度を高め、企業としての価値を拡大することも可能です。
時間貸しビジネスにおける受付業務効率化の成功事例 3選
本章では、システム化による時間貸しビジネスにおける受付業務効率化の参考にしていただきたい、ビジネスの成功事例を3件ピックアップしてご紹介します。
予約システムとスマートロックの連携で全店舗完全無人化を実現 / 「セルフ脱毛サロン ハイジ」
- 出典 :
- セルフ脱毛サロンハイジ 公式WEBサイト
セルフ脱毛サロン ハイジは北海道から沖縄まで全国展開する24時間営業、無人型セルフ脱毛サロンのチェーンです。最近では、女性だけでなく男性の間でも、また介護脱毛という観点からも、脱毛の需要は高まっているといわれています。しかし、従来の脱毛サロンは、料金面や恥ずかしさから敬遠されがちでした。セルフ脱毛サロン ハイジは、スタッフを配置しない無人営業とセルフ脱毛のシステムを取り入れて、そのような人々の間でも気軽に利用できる施設として人気を集めています。
同サロンは、入会、代金決済、予約など一連の業務をシステム上で管理、サロンへの入室はスマートロックで管理することで、無人化と24時間営業化を実現、誰もがいつでも安心して通うことのできる環境を作り出しています。同時に、無人化することによって、リーズナブルな価格設定が可能となりました。従来の脱毛サロン業界にありがちだった高額で不明朗な料金体系」の問題を克服し、より多くの人に不安のない脱毛の機会を提供しています。
利用者は、ホームページの説明に従ってオンラインで料金の支払いと予約を行います。(料金は月払いのプランと都度払いのプランが用意されています)予約が完了すると、予約完了メールのほか、施設の入室キーとなる暗証番号を通知するメールが届きます。施設の入り口には、弊社のスマートロックRemoteLOCKが設置されていますので、予約時間になったらその暗証番号(予約した時間内のみ有効です)を入力して解錠します。入室後は利用規約を一読し、サインをしてポストに投函すれば、受付完了です。一度入室すれば自動的に施錠され、本人以外の入室はできませんので、利用者は安心して施設を利用することができます。
入店から退店まで完全非対面・非接触の環境を提供 / 個室プライベートサウナ「ROKU SAUNA」
- 出典 :
- ROKU SAUNA 公式WEBサイト
ROKU SAUNAはたまプラーザ店(横浜市)と大宮与野店(さいたま市)の2店舗を展開する完全予約制のプライベートサウナです。プライベートサウナや個室サウナというと、これまでサウナという業態の中では、高級で一般的に手が届きにくいと考えられていました。しかし、このROKU SAUNAでは、予約から受付、入退室管理に関わる業務の非対面化によって、われわれが日常生活の中で気軽に利用できるリーズナブルな料金設定を実現しています。
入店から退店まで完全非対面・非接触で完結できることが特徴となっており、利用者が他人の目を気にする必要はありません。施設面では、複数名でも利用可能、ゆったりとしたスペースが確保されていますし、サウナ室には本場フィンランドのMISA社製サウナストーブが採用され、休憩室にはサウナ通にも評判のインフィニティチェアが設置されるなど、充実した設備も魅力となっています。
利用者が同サウナ公式WEBサイトの予約ページから予約と料金の支払いを行うと、予約完了メールが届きます。予約完了メールには「鍵番号」として予約時間中だけ解錠できる暗証番号が記載されています。個室の入口にはRemoteLOCK 8jが設置されていますので、時間が来れば暗証番号を入力して入室するだけ。受付の手間も一切ありません。
- 出典 :
- ROKU SAUNA 公式サイト
受付・鍵・決済をアプリで完結 / 全国でコワーキングスペース事業を展開する「いいオフィス」
- 出典 :
- いいオフィス公式WEBサイト
いいオフィスとは、株式会社いいオフィスが展開するコワーキングスペースのブランド名称です。現在、国内・海外含めて800以上の店舗を展開、業界最大手となっています。2021年にいいオフィスが発表した、利用者向けのスマートフォンアプリ「いいアプリ」では、利用登録、受付(チェックイン/チェックアウト)、決済、そして入退室を一貫してアプリ上で行うことができるようになりました。
会員登録した利用者は、働きたいと思った時にスマホからアプリでリアルタイムに近くの店舗を検索、店舗に直行することができます。店舗入口に掲示されたQRコードをアプリから読み込むことで受付(チェックイン)が完了。弊社の自動ドア制御システムTOBIRAが採用された店舗では自動ドアが自動的に解錠されます。RemoteLOCKが採用された店舗では、解錠用の暗証番号がアプリ上に表示されますので、その番号を入力して入口を解錠します。
利用を終了する際は、QRコードを再度アプリから読み込み、スマホに表示されるチェックアウトボタンにタッチすれば完了。決済は利用時間に合わせて最適な料金が課金される仕組みです。
- 出典 :
- 株式会社いいオフィス プレスリリース
直営店だけでなく、FC(フランチャイズ)展開を積極的に進めている株式会社いいオフィスでは、受付、鍵、そして決済も含めた無人店舗運営が可能となるパッケージをつくり、店舗形態の新たな枠組みとしてFCオーナー様にもご提案していきたい、としています。
【まとめ】ビジネスの質の向上をもたらす受付業務の効率化
以上、時間貸しビジネスを中心に受付業務の効率化について紹介しました。筆者自身も、さまざまな事例をリサーチするにつけ、IT技術の進化が、ビジネスに関わる時間やコストの問題を解決すると同時に、ビジネスの質を高めていることを実感しました。
受付業務を効率化することが、その範囲に留まらず、より良いサービスを、よりリーズナブルな料金で、より多くの人に提供することにつながっていることが伝われば幸いです。