コワーキングスペースのフランチャイズ経営とは?
コワーキングスペースの店舗が増加し続けており、日本でも2021年時点で1,300ほどの施設が運営されているといわれています。コワーキングスペースは、事業としても空いている土地や使われないスペースを有効利用し、収益化ができると注目されています。そのような中で「フランチャイズ経営」を選択する店舗が増えているのをご存じでしょうか?
そもそもコワーキングスペースのフランチャイズ経営とはどのようなものか、なぜ選ばれているのか、そのメリットやデメリットを解説します。
コワーキングスペースのフランチャイズ経営とは何か?
まずは、一般的なフランチャイズ経営とは何かをご説明しましょう。
フランチャイズ経営とは
フランチャイズとは、本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)の間で契約を結び、ロイヤリティを支払うことで、ブランドや商標、商品を使用する権利や運営・経営サポートを受け取りながら店舗などを運営するシステムです。
既存店がフランチャイズに加盟しても、本部に雇用されているわけではなく、独立した経営者、またはオーナーとして店舗の運用を行うことができます。コンビニエンスストアが有名ですが、最近では学習塾やサロン、介護サービス、医療関係など、多くの分野でフランチャイズチェーン経営が行われています。
直営店(チェーン店)との違い
直営店とは本部が直接経営を行っている店舗です。お店や設備、スタッフなどをすべて会社(本部)が管理しており、外装から内装デザイン、メニュー、サービス内容まで、すべて統一されていることが多いでしょう。
マーケティングや新商品、初めてのサービスなどを試す場となるほか、フランチャイズチェーン店の研修場になったり、お手本とされる店舗です。
既存店が直営店になった場合、経営者は「店長」として、本部に採用される形もあります。
フランチャイズを選択するわけ
一般的にフランチャイズを検討する理由として大きく2つに分けられます。
① 脱サラなどをしたい人の独立や開業の手段として、または活用したい遊休不動産・スペースがある
今から事業を始める方にとっては、経営や特別な専門知識がなくてもすぐに開業できることが最大のポイントでしょう。
本部からのサポートで、必要な情報やノウハウが短期間で手に入ります。ロイヤリティはかかりますが、研修や教育体制もしっかりしている上、資金面でのサポートがあるケースもあるので、開業への敷居が低くなります。
② すでに店舗を経営しているが、集客や収益化などで問題を抱えており、サポートや支援を受けたい
店舗の経営は、業種についてどんなに専門知識があってもうまく行くとは限りません。収益を上げるには集客や経理、マネジメント、さらにはマーケティングなどの知識も必要になるからです。特に個人で経営している店舗の場合、誰にも相談できずに経営者一人で抱え込み、行き詰まってしまうケースも多いのです。
そういう場合でも、フランチャイズに参加することで、経営や運営に必要なサポートが受けられるようになります。経費などの計算もシステム化するので、時間的にも精神的にも余裕を持てるようになるでしょう。もちろんロイヤリティは発生しますが、すでに実店舗があることでさほど初期コストがかからず、運営だけに専念できるようになります。
コワーキングスペースにフランチャイズ経営が増えている背景
コワーキングスペースのビジネスモデルはすぐに収益が上げるわけではなく、集客や認知を広めながら、いかに会員や利用客を増やしていくかが重要です。そもそも、コワーキングスペースは、他の業種と比べて経営を持続する敷居は低いとされています。商品を販売するわけではないので、物を仕入れたり在庫を抱えることがなく、ランニングコストも抑えることができます。
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一方で、「新商品発売やセールで一気に売上を上げる」ことができず、キャパシティにも限界があるため、営業時間内でいかに効率よくお客様に入っていただくかにかかっています。
それにはただ店舗を構えるだけではなく、店舗運営や集客、マーケティング、イベントの企画などの知識も必要となり、経営者に負担が重くのしかかる場合もあります。最近では大手の参入が相次ぐことで競争が激しくなり、閉店する施設も出ています。
そのようななかで、成功のノウハウを持っているプロに運営や経営のサポートをしてもらったり、的確なアドバイスや相談が可能な「フランチャイズ経営」という選択を選ぶ店舗が増加しているのです。
コワーキングスペースのフランチャイズ経営 メリット・デメリットとは?
では、コワーキングスペースをフランチャイズ経営にすることで、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
フランチャイズ経営のメリット
コワーキングスペースのフランチャイズ化は、経営や集客を半自動化(システム化)したり、アドバイスや指導をうけることで、運用に専念できるという大きなメリットがあります。
フランチャイズ経営のメリット
- ブランドイメージを利用でき、ネットで検索されやすくなったり、信用度が上がり集客がしやすい
- 本部の成功事例に沿った事業が行えるので、収益が上がりやすく、経営基盤が安定しやすい
- 経営の知識や経験がなくても、本部にサポートや指導をしてもらえる
- 本部のサポートにより税務や法律などの心配がなくなり、安心して運営に専念できる
- 経理や顧客管理などがシステム化するので、事務や経理業務が簡素化、効率化する
- 担当者に分からないことや不安に思ったことをすぐに相談できる
- 広告・宣伝を本部にお任せしたり、統一キャンペーンなどに参加できる
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フランチャイズ経営のデメリット
フランチャイズ経営には、もちろんデメリットもあります。
フランチャイズ経営のデメリット
- ロイヤリティや加盟金などを支払わなければいけない
- 店舗の内装や営業スタイルなど、本部の方針やルールに従わなくてはならない
- チェーンの統一性のため、店舗独自の特徴やアイデアが制限される
- 営業時間や定休日などを自由に決定することができない
- 秘密保持義務や営業権の譲渡、その他本部との契約による制限などがある
- 契約によっては売上が確保できない場合に違約金が発生する場合もある
- 本部ブランドイメージが毀損した場合、巻き込まれるリスクもある
一般的なデメリットは上記のようなものになりますが、契約する会社の方針やプランによって大きく異なります。特にコワーキングスペースの場合は、会社の空きスペースやカフェなどからの転用も多いことや、地域性・お客さまの層によって求められる環境が異なること、また「無人運営」などスペースの多様化が進んでいることからも、他業種のチェーン店と比べて自由度が高いといえます。
また、ロイヤリティについても、契約する会社によってさまざまなスタイルがあり、経営状況にあったものを選択することも可能です。
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【番外編】フランチャイズに向かない方・店舗
上記のように、フランチャイズ経営は本部(会社)と経営者が二人三脚となって店舗を運営するシステムです。ですから、以下が当てはまる方は要注意です。コワーキングスペースの売上は長期的に考えなければいけません。フランチャイズ契約をしたからといって、何もしなくてもすぐに売上が倍増したり、勝手にお客様が集まるわけではないのです。
フランチャイズは以下の方には向かないかも…?
- ブランド力はほしいけど、本部や担当者の指示を受けたくない
- 今の経営者のやり方やオリジナリティが大事で変化を受け入れられない
- フランチャイズ化したら経営には一切関わりたくない
本部や担当者と一緒になって店舗を盛り上げようという意識がなければ、「ロイヤリティを払っているのに」という不満が生まれ、関係がギクシャクしたり、かえって経営が悪化する可能性もあるでしょう。
【まとめ】コワーキングスペースのフランチャイズ経営とは?
いかがでしたでしょうか?コワーキングスペースのフランチャイズ経営とは、適切なアドバイスやアシストで経営者の不安や負担を軽減し、安心して運営できる事業形態といえます。これから開業しようとお考えの方には、ロケットスタートを切る足がかりになります。すでに運営している方にとっては、提供されるサポートによって負担が軽くなり、今まで以上にスペース運用に専念できるようになるでしょう。
初めてのコワーキングスペースの開業をお考えの方や、コワーキングスペースの経営に不安を感じている方への参考になれば幸いです。