【セミナーレポート】オフィスセキュリティ対策の最前線~安全性と効率性を両立する無人受付×入退室管理~
コロナ禍を契機として、リモートワークに代表されるようなワークスタイルの変化が進んでいます。同時に、オフィスのあり方も見直されており、オフィスの移転や縮小、分散化など、従来とは異なるスタイルを取り入れる傾向がみられます。同時に、オフィス運営へのDXの導入が進み、業務の効率化や人員削減も進んでいます。
そのような中で、オフィスセキュリティ対策についてはどのように取り組んでいくべきか、今回は、7,000社が導入するオフィスDXクラウドサービスを提供する株式会社RECEPTIONISTと、1日10万組以上の入室を管理するクラウド型入退室管理システム「RemoteLOCK-リモートロック-」を提供する株式会社構造計画研究所の両者が、2022年10月25日に開催したWEBセミナーの内容をレポートします。
いまオフィスのセキュリティ対策が求められる背景
コロナ禍を経た現在、社会のあらゆる場面で、非対面、非接触のサービスが求められています。具体的には、ホテルや空港でのチェックイン、スーパー、コンビニ、チェーン店などでのチェックアウト(精算)、レストランや飲食店でのオーダーなどが挙げられます。
これは一般企業のオフィスにおいても同様です。近年、受付に専門の担当者を配置しない、非対面型もしくは無人の受付スタイルを導入するオフィスが増えています。これは感染防止対策への対応をきっかけとした潮流であることは言うまでもありませんが、その一方で、企業側に業務効率化、人件費削減、情報管理の適正化という効果をもたらしていることは見逃せません。
オフィスの受付の非対面化、無人化を考える際、最も重要なポイントとなるのが、社員の安全と企業の資産をいかにしっかり守りつつ、働きやすい環境を整えていくかということです。今、新しいオフィスの形に対応した新しいセキュリティ対策が求められています。
今回のセミナーでは、非対面化を可能とする受付システムを提供する株式会社RECEPTIONISTと、非対面化したオフィスの入退室管理におけるセキュリティ確保に適したスマートロックシステムを提供する株式会社構造計画研究所、それぞれの担当責任者から、具体的な事例をまじえて、解説をいただきました。
新セキュリティ対策として受付システム需要が高まる3つの理由 / 株式会社RECEPTIONIST
まず、株式会社RECEPTIONISTから、マーケティングマネージャーの益田太貴(ますだだいき)氏が登壇。同社は「ビジネスコミュニケーションのアップデート」を目指して、企業の受付担当者として10年以上勤務経験のある創業者が立ち上げた会社で、2017年1月にクラウド受付システム「RECEPTIONIST(レセプショニスト)」をリリース、現在では、クラウド受付システムシェアNo.1となっています。
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2022年オフィスセキュリティの変化
益田氏は、まず「2022年におけるオフィスセキュリティの変化」について解説。感染症対策の観点から入館者に健康確認や渡航履歴の確認を実施する企業が増えたこと、リモートワークやハイブリッドワークの拡大により新しいセキュリティ項目が増ええたこと、働き方改革や2023年労働基準法の改正で残業代の割り増し比率が増えることなどから生産性の高い労働環境が望まれていること、などを背景としてオフィスセキュリティに対する考え方が高度化している現状を説明しました。
また、統計資料からコロナ後のオフィスへの来客状況が、現在では、コロナ前とほぼ変わらない水準に回復している点を指摘。働き方が変化する中、コロナ前と変わらない数の来客対応を迫られているという現実が背景となって、RECEPTIONISTへの需要が高まっている、と解説します。
RECEPTIONISTへの需要が高まった3つの理由
次に、益田氏は、RECEPTIONISTへの需要が高まったより具体的な理由として、次の3つの項目を挙げました。一つ目は、入退館履歴、健康確認、渡航履歴といった情報管理を自動化することができるため、厚生労働省のガイドラインの順守や、ISMSやPマークなど情報セキュリティに関わる認証の取得に必要なデータの取り扱いがしやすい、という点です。
二つ目は、非接触とはいえず清潔な状態を保つのにコストがかかる内線電話ではなく、完全非接触で受付のできる機能を求める声が増えた点です。RECEPTIONISTであれば、事前に発行したQRコードを受付のiPadにかざすだけで受付が完了し、担当者を呼び出すことができます。
最後は、リモートワークの増加により社内と社外の人の区別がつきにくくなったため、不審者が侵入してくるなどのリスク回避を、より厳格にする必要が生じているという点です。RECEPTIONISTならシールプリンタ連携を使って、受付が完了してQRコードを受け取った人だけが入館できるという管理の仕方が可能です。
RECEPTIONISTシリーズとは
株式会社RESEPTIONISTからは、クラウド受付システム「RECEPTIONIST」に加えて、受付の前後に生じる業務に対応するシステムとして、担当者と来訪者の間の日程調整ツール「調整アポ」、会議室やブースなどの予約管理システム「予約ルームズ」がシリーズとしてリリースされています。
益田氏からは、それぞれのシステムの紹介がありました。「RECEPTIONIST」は、内線電話を使わず取次ぎの必要もないため、飛沫感染等のリスクが軽減され、受付での取次ぎに要する人的コストを削減できます。来訪者記録などのデータもクラウド上に保管され、さまざまな形式で簡単に取り出すことができる点も便利だと感じました。
日程調整ツール「調整アポ」は、Google Workspace、Microfoft365、サイボウズクラウド版Garoonなどのグループウェアと連携して、ミーティングやWEB会議などの日程調整を自動で行うツールです。ツールがカレンダーから空き日時を自動的にピックアップして相手先に共有され、先方が日時を選択すれば日程調整が完了するというもの。ITツールとして業界内でも非常に高い評価を受けています。
予約管理システム「予約ルームズ」は、会議室の予約管理機能に加えて、来客通知機能、使われていない会議室の予約を自動キャンセルするカラ予約の防止機能、会議終了前アラーム機能などを備えており、会議室の利用に関する利便性の向上に最適なシステムとなっています。
最後に、RECEPTIONISTシリーズは、それぞれが他社のさまざまなシステムと連携して、企業ごとのニーズに応じ柔軟に機能を拡張がすることが可能であることに触れて、益田氏は解説を締めくくりました。
RECEPTIONISTの詳細はこちら!
アフターコロナのオフィスセキュリティ対策!~受付の非対面化、省人化オフィスの入退室管理~ / 株式会社構造計画研究所
続いて登壇したのは、株式会社構造計画研究所(弊社)のRemoteLOCKエバンジェリスト 池田 修一です。創業60年を超える同社が日本でクラウド型入退室管理システムRemoteLOCKのビジネスをスタートしたのは約6年前。ホテルなど宿泊施設で使われていることが多く、その一方で、オフィス向けのシステムであるRECEPTIONISTと連携するなど、オフィス系の施設にも幅広く取り組んでいます。
RemoteLOCK×RECEPTIONIST でオフィスセキュリティの課題を解決
池田氏は、先ずコロナ禍を通じた非接触、非対面対応への需要が高まり、リモートワークなど働き方改革が進む中で、オフィスの形態も変化しつつあり、そこからオフィスセキュリティに関わる新しい課題や需要が生じていると分析します。池田氏が示した資料には、本社の地方への移転、サテライトオフィスの導入による多拠点化、フリーアドレスの増加、オフィスの分散・縮小など、オフィス形態が多様化する状況が顕著に表れています。
そのような環境の変化に伴って、今、オフィスセキュリティに関する「管理の手間」と「管理コスト」の増大が課題になっているといいます。つまり、オフィスを多拠点化、分散化すると、アクセス管理やデータの集約などの手間が増え、また、受付スタッフや警備員を雇うと人件費などのコストがかかってしまうという問題です。
このオフィスセキュリティの課題に対する解決方法として池田氏が提案するのが、クラウド型入退室管理システムRemoteLOCKと、セミナー前半に解説のあったクラウド受付システムRECEPTIONISTの活用です。RemoteLOCKを導入すれば、分散したオフィスの入退室を遠隔制御で一元管理できるため、管理の手間を削減でき、さらにRECEPTIONISTを導入すれば、受付、入退室管理の属人業務をデジタル化でき、人件費を削減することができるという訳です。
具体的な導入方法について
次は、実際のケースを想定したより具体的な解説です。一つ目は本社と離れた位置にサテライトオフィスを設置した場合の例。一般的に社員や出張者にどうやってアクセス権限を付与するのか、という点が問題になります。これまでは、事前に対象者に入室するためのカードを郵送したり、また、オフィスのセキュリティ管理のためにパソコンやサーバーを設置し、複数のサーバーをVPNで結んで入退室の管理を行なったり、と言ったパターンが多かったそうです。
そこにRemoteLOCKを導入すれば、それぞれのオフィスのパソコンをLANケーブルやWi-Fiにつなぐだけで、RemoteLOCK上のクラウド管理システムですべての制御が可能となるため、従来のような複雑なネットワークを構築する手間から解放されます。また、アクセス権限についても、社員カードと連携したり、暗証番号やQRコードで対応することが可能なので、事前の郵送なども不要になります。
二つ目のケースは、RECEPTIONISTと連携した受付の無人化、省人化の例です。従来の属人的な手法では、受付で担当者が来訪者にカードを貸し出したりプリントアウトしたものを手渡したり、ゲートのところに警備員が立って入館をコントロールするというようなパターンが多かったようですが、どうしても受付スタッフや警備員の人件費がかかったり、来訪者にも待ちの時間が生じたりという問題が生じます。
RECEPTIONISTを導入すれば、来訪者が据付けのiPadで自動受付を行なうとQRコードを発行することができます。RemoteLOCKのシステムでは、このQRコードを使って、来訪者のゲート開閉、エレベーター操作、フロアアクセス権限などを制御することが可能となるので、受付・警備員の人件費を削減でき、来訪者にも待ち時間なくスマートに入館いただける、という環境を実現できます。
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RemoteLOCK製品ラインアップと導入事例の紹介
続けて、さらに踏み込んだRemoteLOCKの製品紹介がありました。一番の特徴として、池田氏は、多拠点のオフィスの場合、これまではビルごとのパソコンで管理しなければならなかったアクセスを、遠隔で一元で管理できることを挙げました。また、アクセスにおけるセキュリティレベルを、例えば、社員、アルバイト、取引業者などに区分して、クラウド上で自在に管理することも可能といいます。
さらに、来訪者に対して、遠隔からリアルタイムで解錠・施錠を行なうことも可能で、市販のクラウドカメラなどと連携すれば、入退出の状況を監視しながらの操作も可能です。複数のビルのアクセス履歴を遠隔からクラウド上でリアルタイムに一括でチェックすることができる点も、クラウド型のシステムならではの特徴でしょう。
あわせて、RemoteLOCKの製品ラインアップが紹介されました。さまざまなタイプがあり、通常の引き戸や開き戸、自動ドアだけでなく、セキュリティゲート、エレベーター、駐車場などにも対応しているそうです。また、iPadのカメラを使って顔認証で開閉を行なうことも可能となっているとのことで、技術の進化を感じさせられます。
この後、池田氏からは、実際の導入事例を紹介いただきました。受付システムRECEPTIONISTとの連携によるオフィスの事例として、化粧品メーカーと百貨店の二例の紹介があったほか、RemoteLOCK単独のケースとして複数の事例が挙げられました。
なお、ドッグランの事例やマンションの共用部分に関する事例、学校の体育館施設の事例など、斬新なスマートロックの導入事例もありますので、併せてご参照いただければ幸いです。
質疑応答
最後は質疑応答です。オンラインで参加者から多くのご質問を受け付けました。ここでは、その中から数件ピックアップしてご紹介いたします。
- 受付システムとセキュリティシステムを繋げるとどのようなメリットや費用対効果がありますか?
→ 株式会社RECEPTIONIST 益田氏への質問 - 【回答】受付システムとセキュリティシステムを繋げるメリットとしては、受付と同時に、例えばシールプリンターでQRコードを発行すると、お客様はそのQRコードを使ってそのままセキュリティゲートを解錠できるというようなことがあります。費用対効果については、この後資料とともに送らせていただきますので、そちらでご確認ください。
- エレベーター制御をしている実際の企業実績はありますか?
→ 株式会社構造計画研究所 池田氏への質問 - 【回答】実際にエレベーター制御ができるクラウド型のシステムは少ないのですが、弊社ではホテルでの実績があります。これまではカードキーなどを利用した例が多かったですが、今では、QRコードまたは暗証番号でできるようになっている事例が日本でも増えてきています。どちらかというと、アメリカでの方がそのようなニーズは高いようです。
- 勤怠管理システムとデータを連携させることができるか知りたいです。
→ 株式会社構造計画研究所 池田氏への質問 - 【回答】オフィスで入退館管理を行う際に、最初にゲートに入った時間と最後にゲートを出た時間を勤怠管理のシステムに送って使いたいというニーズはけっこうあります。弊社の方では、そのような入退館時間に関する全社員分のデータをCSVファイルにして、勤怠管理システムと連携できるような対応を行なっています。
以上、いかがでしたでしょうか?今回は株式会社RECEPTIONIST様の主催によるWEBセミナーでした。構造計画研究所では、今後とも同社との連携を拡げ、日本のオフィス環境の向上に寄与してまいりたいと考えております。ご関心があれば、ぜひ資料請求やお問い合わせをお願いします。