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公開日2021.10.15

最終更新日2023.09.19

【セミナーレポート】無人IoTホテルから学ぶ非対面オペレーション

今回は2021年10月5日にオンラインで開催されたホテル業界向け特別セミナー “無人IoTホテルから学ぶ非対面オペレーション / コロナ対策だけではない!『宿泊体験を向上させるIT活用とは?』”の模様についてレポートしていきたいと思います。


セミナーは、無人IoTホテル運営の豊富な実績を有し、現場起点のホテル向けシステムの開発も行う株式会社リクリエ、そして、キーレス化で宿泊体験の向上が可能なスマートロックを提供する株式会社構造計画研究所からこれからのホテル運営に欠かせないITを活用した運営オペレーションについて、具体例を交えながら紹介した後、参加者から寄せられた質問に登壇者が答えるというスタイルで行われました。

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非対面チェックインで人件費を大幅な削減

最初に、株式会社リクリエのSaaS事業部/リーダー冨部彰太氏から、同社が開発する宿泊施設向け非対面チェックインシステム「Tabiq(タビック)」が紹介されました。同社は福岡に拠点を置き、自ら無人ホテルチェーン「グランドベース」を全国58ヶ所に展開する一方、この非対面チェックインシステムを全国のホテル、旅館、民泊などに提供しています。

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「Tabiq(タビック)」とは、タブレットなどを活用した非対面のチェックインシステムで、フロント業務の無人化、省人化に効果を発揮します。その他、冨部氏によれば、同システムの導入により管理業務の遠隔化、一元化が可能となることでさらなる人件費削減効果が期待でき、また、オンラインできめ細やかな対応が可能となりゲストの宿泊体験価値を向上させることができる、といったメリットが挙げられました。

また、日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語に対応していること、事前に登録した写真を使った顔認証による本人確認とチェックインの技術も導入済みであること、などへの言及もありました

実際に導入施設へのアンケート調査結果を見ると、①チェックインに要する時間が1/3短縮された、②人員配置数が90%削減できた、③ホテル運営に係る人件費が49%削減された、④お客様からの問い合わせが1/3削減できたなど、目に見える効果が表れています。

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また、お客様側に対しても、スマホやQRコードを活用することにより、事前にチェックインをしていただくことが可能であったり、施設周辺や当該地域のカスタマイズされた情報をお届けできたりと、体験価値を感じていただけるような機能を備えており、また、今後さらに、“オンラインのおもてなし”をキーワードにコンテンツを拡大中とのことです。

加えて、OTA(オンライントラベルエージェント)やホテル顧客管理システム、スマートロックシステム、その他、関連分野のパートナー各社と連携することで柔軟に機能拡張していくことが可能との説明があり、この点も重要なポイントだと感じました。

この「Tabiq(タビック)」、現在目ざましい勢いで導入する施設が増加しており、ビジネスホテル、リゾートホテル、旅館など、多岐にわたっています。導入棟数でみると2020年から2021年にかけてなんと500%の成長率で伸びているそうです。

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スマートロックによるキーレス化で顧客満足度も向上!

次の登壇者は、株式会社構造計画研究所のすまいIoT部 池田 修一です。非対面、無人の宿泊施設の運営に最適なスマートロックシステム「RemoteLOCK(リモートロック)」が紹介されました。同社は建築物の構造設計に端を発し、システム開発、コンサルティングに至るまで、幅広い領域を手掛けるデザイン&エンジニアリング企業です。

池田氏は、アフターコロナで求められることとして「非対面」、「非接触」、「リモート」の3要素を提示、宿泊施設の運営と関連付けて考察を進めていきます。

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第一に、先に紹介のあった「Tabiq(タビック)」のようなチェックインシステムと「RemoteLOCK(リモートロック)」のようなスマートロックを連携することで、鍵の受け渡しまで含めたフロント業務を完全に非対面とすることができ、さらなる省人化、無人化が可能となるとのことです。

二番目に、施設のエントランスに関して、顔認証の技術を同社の「TOBIRA(トビラ)」などのシステムと連動すれば、事前に顔写真を登録した人が施設に到着すると自動的にオートロックを解除することができ、ドアに触れることなく(非接触)施設に入館が可能となるとの説明がありました。お客様から見ると、アフターコロナに対応した先進的な宿泊施設というイメージ形成にも効果があり、リピーターの増加にもつながるのではないかと思われます。

三番目に、「RemoteLOCK(リモートロック)」の場合、システムがクラウドにつながっているため、現地でのカギに関するトラブルの管理やお客様の入退室管理などの業務は、スタッフが現地にいなくともリモートで対応することが可能であり、自宅からのテレワークでの管理も可能だというメリットが示されました。

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同社は2017年から日本国内での「RemoteLOCK(リモートロック)」のサービスを開始、現在ではホテルを中心に、宿泊施設や時間貸しスペースにおける「キーレスによる業務効率化」という価値を提供しています。また、自動ドアやエレベーターなど既存の電気錠をクラウドから制御するシステム「TOBIRA(トビラ)」のサービスも提供しています。

池田氏は「RemoteLOCK(リモートロック)」の優位点として、Bluetoothを介さずWi-Fiに直接つながっていることで、BluetoothからWi-Fiに接続する際に起こりやすいトラブルが無いことを挙げています。

この他、特に宿泊施設に関しては、OTA各社に加えて、他社の予約システムやチェックインシステム、顔認証システム等との連携が容易であり、これらを統合して自動化することで運営側の省力化に大きなメリットがある点も強調されました。

その後、「RemoteLOCK(リモートロック)」導入施設の事例を多数紹介いただきましたが、物理鍵を持ち歩く必要がなく、手ぶらで館内の設備を楽しむことができるという点で、リゾートホテルや温泉施設とも相性が良いとの説明が特に印象に残りました。

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参加者からの質問にリアルタイムに回答

最後は参加者からの質問コーナーです。実際に数多くの質問が寄せられ、セミナー終了後にも自由参加の質疑応答セッションが設けられましたが、それだけ参加者の皆さんの熱心さがうかがえました。ここでは、その中から3件ほどピックアップしてご紹介します。

【質問】顔認証について写真を使用した場合なりすましなどの不正が心配です。
【回答】「Tabiq(タビック)」では、より確実な対応のため、お客様が顔認証を選択された場合は証明書等を撮影して登録していただいています。顔認証の技術自体が日々進化して精度が向上しているので、なりすまし自体できなくなってくると考えられます。
【質問】顔認証について、マスクの影響はありますか?
【回答】マスクをしていても特に問題なく顔認証はできています。
【質問】顔認証について、複数人数で登録する場合、人数の影響はありますか?
【回答】タブレットに写る範囲で、「Tabiq(タビック)」では10人までとしています。多人数での顔認証は精度が落ちる懸念はありますが、さほどの問題は感じていません。

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【質問】フロントを無人化することで旅館業法上の問題は生じませんか?
【回答】都道府県によって、無人化を認めていただけるところとそうでないところと分かれます。
説明をすると理解いただけることも多く、最近は寛容なエリアが増えています。それでも愛知や広島など厳しいエリアで、無人化を認めていただけない場合は、現地で本人確認だけスタッフが行うと いう省人化運営を行っています。
【質問】「RemoteLOCK(リモートロック)」の市場規模はどのような展開が見込まれるでしょうか?
【回答】宿泊施設を中心に展開していますが、最近ではテレワーク用のブースを備えたコロナ対応型新築マンションのブース管理やドッグランの出入口制御など、非接触、非対面というところでの新しいニーズが拡がってきています。

以上、いかがでしたでしょうか?ここでは書ききれませんでしたが、セミナーでは各システムの実際の使用イメージを紹介する動画なども紹介されました。登壇者の冨部氏は福岡から参加、参加者から届く質問にはセミナー進行中もスタッフが随時対応するなど、オンラインの良さを活かしたセミナーだったと思います。

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