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公開日2018.02.09

最終更新日2021.12.23

不正侵入対策にかけられるコストと利便性のバランスを考える

今回は少々難しいタイトルの記事ですが、セキュリティを検討する上で必ず必要になる考え方だと思います。RemoteLOCKチーム中の人も面会する際にご説明している内容ですので、民泊・ホテルオーナー、スペースオーナーの皆様はぜひご一読ください。

 

1.「セキュリティリスクを許容する」という考え方

 

security risk management

 

「セキュリティは高いほどよい」と考えるのは当然のことで、「セキュリティリスクを許容する」という考え方自体と矛盾しているように思う方もいらっしゃるかも知れません。しかし現実問題として、実は私たちは身近なところでセキュリティリスクを受け入れていることもあります。

 

例えば「自宅の鍵」を例に考えてみると以下のようなリスクは常に存在します。「安全のため、鍵は物理的なもので無ければならない」と思っていらっしゃる方も、実は上記のリスクを抱えています。物理鍵が絶対に安全だと思う理由は「リスクを実際に検討・認識したことがないから」かも知れません。

 

自宅の鍵にかかわる様々なリスク

・紛失リスク

・一時的な持ち出しによる不正コピーリスク

・共連れリスク

・ピッキングリスク

 

2.セキュリティを最大限に高めるためにはどうすれば良いか

 

あくまでも極論ですが、そもそもリスクを絶対に取らないということであれば鍵を用いる事業をやらないことが一番のリスク回避方法です。しかし、事業をする上で、最大限セキュリティを高めるためには(実際こんなことをする人はいないと思いますが)、警備会社に頼むことが一番安全だと考えられます。裕福な方や身分の高い方は立場的には以下の対策は当たり前かもしれませんが、そう簡単に実現できることではありませんよね。

 

セキュリティを最大限高めるためにできること

・警備会社に依頼し、ドアの前に人を立たせる

・警備会社に依頼し、監視カメラで24時間365日の監視を依頼する

・警備会社に依頼し、窓からの侵入を防ぐため人感センサー等のセキュリティシステムを導入する

 

 

3.セキュリティに対して払うことができるコスト

 

security cost trade off

 

セキュリティを高めるためにはコストを無制限にかければ良い、しかしそこまでセキュリティ対策にコストがかけられないのであればどこまで妥協することができるか、これが「どこまでセキュリティリスクを許容するか」という考え方です。

 

4.民泊における物理鍵によるセキュリティリスク

 

例えば民泊において、物理鍵の授受によるセキュリティリスク・トラブルは以下のようなことが考えられます。

 

物理鍵の授受によるセキュリティリスク・トラブル

・利用者の物理鍵紛失(それに関連するトラブル)

・利用者の不正コピーによる再入室(それに関連するトラブル)

・(キーボックス利用の場合)故障による解錠不可 ※ブログ参照

・共連れによる宿泊予定者以外の入室

 

不正コピー、紛失は民泊で一般的なキーボックスではもちろん、セキュアに見える鍵の受け渡し代行を利用しても発生する可能性があります。

 

5.物理鍵のセキュリティリスク回避方法と、許容範囲

 

物理鍵に起因するセキュリティリスクを回避するために考えられる手段としては番号式電子錠の利用やスマートロックの利用、シリンダーの定期的な交換などがありますが、それぞれメリットもデメリットもあります。ここで全てを列挙することは出来ませんが、例えば以下のようなことが考えられます。

 

番号式電子錠やスマートロックのデメリット

番号式電子錠だと鍵の不正コピー・紛失は無いが、履歴が残らないのと番号変更のため現地に赴く必要がある

スマートロック(先発組Akerun、Qrio、NinjaLock)は鍵の不正コピー・紛失がなく、履歴も取れるが番号変更は現地に赴く必要がある

シリンダーの定期的な交換は不正コピーは対策できるが紛失対策にはならず、交換の手間やコストがかかる

※アタッチメントや新サービスを利用することで遠隔対応も可能

 

他方、デメリットとしてあげた点においても、例えば番号式電子錠であれば「履歴はそもそもニーズとしてないし、近くにスタッフがいるので番号変更は手間ではない」という判断が出来れば番号式電子錠で十分という判断(許容)をすることができます。

 

余談ですが、どうしても「共連れ」については鍵・電子錠・スマートロックでは回避出来ないため、それを防ぐには管理カメラなどを利用し、チェックするしかないでしょう。

(といいつつ、「これは諦める」という判断も出来ると思います)

 

 

6.【まとめ】状況に応じたセキュリティ対策を

 

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過剰なセキュリティ対策をしても運営・経営に支障が出ますし、全くしなくてもゲストの不安が増します。事故が起こると評判が落ち、利用者が減少する可能性もあります。

この機会に

・問題になりそうなセキュリティリスクはあるか?

・それに対しどういった手段でリスク対策ができるか?
  また、その手段でどのような利便性を得ることが出来るか?

・利便性を得るためにどこまでコストを掛けられるか?

・コストとの見合いでどこまでリスクを許容できるか?(諦められるか?)

を考えていただければ幸いです。

 

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