専門家考察のスマートロック比較!AkerunとRemoteLOCK編
入退室管理の方法として2015年ごろから普及しはじめた『スマートロック』。スマートロックとは、Wi-FiやBluetoothなどの通信機能を持った錠前、または、既存の錠前を操作することのできる機器の総称です。後者の既存の錠前を操作するタイプのスマートロックは「後付け型」と呼ばれるものであり、両面テープを使って既存の錠前のサムターン(室内側の錠のつまみ)部分にスマートロック貼り付けて取り付けます。今回はフォトシンスの「Akerun(アケルン)」と、弊社スマートロック「RemoteLOCK(リモートロック)」の比較記事をお届けします。
この記事の目次
- 1.後付け型スマートロック「Akerun Smart Lock Robot」と工事取り付け型スマートロック「RemoteLOCK」の比較
- 2.RemoteLOCK、Akerun共通の魅力
- 2-1.Akerunの魅力3つ
- 2-2.RemoteLOCKの魅力3つ
- 3.それぞれのネック・懸念点
- 4.まとめ
(掲載内容は2019年11月時点の情報です)
1.後付け型スマートロック「Akerun Smart Lock Robot」と工事取り付け型スマートロック「RemoteLOCK」の比較
Akerunには家庭向けの製品と、事業者向けの製品があります。まずは家庭向けAkerunとRemoteLOCKを比較してみたいと思います。
RemoteLOCK | Akerun | |
---|---|---|
外観 | ||
本体価格 | 35,000円~ | 36,000円 |
月額費用 |
500円/台~(料金プランにより変動) |
0円 |
ドア工事 | 必要 | 不要(両面テープで設置) |
通信形式 | Wi-Fi | Bluetooth |
解錠方法 |
暗証番号 |
スマホアプリ |
入室権限の上限 |
最大1,000名まで(1ドアあたり) |
最大10名まで |
入室者のアプリインストール |
不要 |
必要(アプリインストールとユーザー登録が必要) |
入室権限の発行や履歴閲覧の手段 |
パソコン(Webブラウザ)/iOSアプリ/Androidアプリ |
iOSアプリ/Androidアプリ |
入室履歴の閲覧 | 可 | 可 |
オートロック | 可(対応機種のみ) | 可 |
メールアラート | 解錠、電池残量低下 等でメール通知 | 無し(アプリ内プッシュ通知はあり) |
技適※1取得有無 |
取得済 |
取得済(インタビュー記事より) |
※1 「技適(ぎてき)って知ってますか?」ブログ記事をご確認ください。
2.RemoteLOCK、Akerun共通の魅力
RemoteLock、Akerun共通の魅力としては大きく2点あります。
- 「カギ」の発行がクラウド上・アプリ内で可能であること(直接会う必要が無い)
- 物理鍵の紛失リスク、コピーリスクが0であること
「カギ」の受け渡し方法はそれぞれ違いますが、直接会って渡す必要が無いというのはスマートロックならではの特徴です。
Akerunではアプリ内でカギを発行し、ユーザはそれをアプリ内で選択し、解錠することになります。他方、RemoteLockではウェブ管理画面(LockState Connect)で暗証番号を発行し、その番号をメール・SMS・電話等で伝え、ユーザはその番号を入力することが解錠することになります。
また、オンライン発行のため、物理的な鍵の紛失が無い・コピーリスクがゼロであることもセキュリティという観点からとても重要になるかと思います。特に多くの人が出入りする場所で紛失があるとカギの再発行コスト、コピーされるとシリンダーの交換コストがかかってしまいます。
また従業員が返却無しで退職してしまうとセキュリティリスクが一気に高まります。こういったことをクリアできるのはスマートロックならではです。
2-1.Akerunの魅力3つ
相変わらず今回も他社製品を公式ブログで褒めるのもなんですが…(^_^;)
- 取付の簡便さ
- ランニングフィー不要
(Akerun remote利用の場合は月額がかかるという説があります)
※2。Akerun Remote本体は30,000円です - デザインのかっこよさ
※2 参照元リンク:https://twitter.com/intent/retweet?tweet_id=649151949699354624
先発組3つのスマートロック共通の最大魅力ですが、取付がとても簡単(=工事不要)であることです。両面テープで貼り付けるため、取り外しも可能。賃貸物件で穴を空けられない方や、工事費をかけたくない方にとってはスマートロックを導入する際の最大の導入ポイントになるでしょう。
またAkerunは単体で利用する場合、月額利用費は基本的に0円です。初期コストはRemoteLockとほぼ同じですが、ランニングフィーがかけられない・かけにくい業種や個人にとっては大きなメリットになるかと思います。
最後に、これは個人の感性に依存する話ではあるのですが近未来感のあるデザインは素直に「カッコイイ!」と感じます。(なんとも間抜けなコメントで申し訳ございません…)ボディには関係はないのですが、スマホアプリもUI(見た目)が洗練されていて、"スマート"ロックとは本当によくいったものです。
※更に言えばウェブサイトのつくりも「カッコイイ!」ので当社も参考にしたいところです…!
2-2.RemoteLOCKの魅力3つ
前回の記事ではigloohomeSKBと比べて以下の3つを魅力と紹介いたしました。
- 解錠(入室)履歴を(ほぼ)即時に把握出来る
- イベントをメールでリアルタイムに受け取れる
- 物件を管理することに優れたインターフェース
今回はAkerunと比べた魅力3つ、
- 取付けの頑丈さ(堅牢性)
- アプリ不要のシンプル解錠
- Wi-Fiを使った遠隔マネジメント
RemoteLockの「工事必須」ということはイニシャルコスト(工賃)が上がってしまうことは否めないのですが、一方で「簡単に外せない」というメリットももたらしてくれます。ビジネスの場面であったり、高いセキュリティ性能、より安心感を得たい場合(主に法人や、意識の高い個人)は安心料として工賃を考えていただけると考えています。
工賃がかかるといっても単三電池で駆動するため、電源工事は不要ですので、大がかりな工事にはならないことは実は重要なポイントだったりもします。(電源工事を行うと更に追加で数万円かかる)
また、Akerunは解錠の際にスマホアプリが必須でBluetoothによる通信(接続)が必要になりますが、RemoteLockは番号を押すのみのシンプル解錠ですので、スマホを持っていない方やITリテラシーがそこまで高くない方、日本語アプリが読めない外国籍の方にとってはこのシンプルさが魅力になります。
最後に通信形式に関連するのですが、RemoteLockはWi-Fiでインターネットにつなげているため、管理画面に直接カギのデータや履歴を送ったり受信できることが強みになります。
離れていてもデータのやり取りが出来るのは大きなポイントです。Akerunは、igloohomeSKBと同じではあるのですが、Bluetoothを利用しているため近くに行かなければ履歴情報を取ることはできません。
3.それぞれのネック・懸念点
導入のしやすさやデザインが精錬されている一方、Akerunで鍵を受け渡す際のネック・懸念点として
- 原則としてスマホ(アプリ)が鍵の共有の際に必須であること
- 本体とスマホの通信で手間取る可能性があること
- 両面テープ貼り付けなので悪意あるユーザが取り外してしまう可能性がある
という点です。
※くれぐれもディスっているわけではなく、実際に当社所員寮で試し使いした上で出てきたコメントをまとめたものです
日本語に明るくない海外の方(アプリは英語対応していますので、その前段階の説明という意味です)、スマホ等のITに明るくない方、そもそもスマホ・携帯を持っていない方に対し、アプリのインストール方法や使い方を伝えることは難しいのが正直なところだと思います。
また、通信してサーバに問い合わせて解錠するため、ドアが鉄扉であったり、壁材質によっては電波が減衰してしまうこともあるようで、当社所員寮ではなかなかつながらなかったようです。(他にも理由はあるようなのですが、サーバとのやり取りが問題なのか、Akerunとの通信が問題なのかはすぐに判断・解決が難しい)
最後になかなか無いケースではありますが、両面テープによる貼付のため悪意あるユーザが取り外して持っていってしまうことが考えられます。また、これは当社所員寮の事例ではないので実証はしていないのですが、湿気の多い物件で使っていたところ、結露で両面テープが緩くなってしまったそうです。
他方、RemoteLockのネック・懸念点ですが、Akerunと比べると、前回挙げた
- 初期導入コストが比較的高い(本体+工事費)
- ドア形状によって導入不可の場合がある
の他、
- デザインが"アメリカン"なため、ドアによって違和感がある方もいる
- ランニングコストが必要になる
です。
初期コストやドア形状についてはigloohomeSKB編で記載したとおりですが、何人かのお客様にいただいたコメントとして「デザインがね…」があります。個人的には頑丈そうな印象があるので好きですし、好きだとおっしゃってくださるお客様もいらっしゃるのですが、意匠にこだわりがある方にはもしかすると「浮いた」イメージを持たれることもあるかも知れません。
※デザインについては変更が極めて難しいため、将来的な解決課題として承ります…!
また、ランニングコスト(月額費)をいただいているためそれを払いたくない、払う慣習の無い業種ではどうしてもハードルが高くなってしまうと考えられます。でも、ランニングコストを支払うだけの価値があると、RemoteLockチームは確信しています!
4.まとめ
それぞれにメリット・デメリットを踏まえて導入検討する場合、例えば
■Akerun:安価にスマートロックを導入し、「近未来の鍵ライフ」を楽しみたい方
(スタイリッシュなIoTホームやIoTホテル、工事不可の賃貸物件、ITリテラシーの高い方向けの民泊物件や個人宅)
■RemoteLock 5i:しっかり取付け、運用の手間・人件費を減らしたい方
(大規模民泊物件、ウィークリーマンション、自社物件)
など、利用目的によってどちらを導入するか使い分けすると良さそうです。
RemoteLockの製品資料はこちら
スマートロックロボット「Akerun」 はこちら https://akerun.com/smartlock/