スマートロックは鍵 (=セキュリティ)に利便性を付加するものです。
便利なことはわかっているが、「トラブルが発生すると入れなくなるのでは?」「何かあった時に頼れるサポート窓口がないと不安」というお声をいただくこともあります。これらのお声は、半分はその通りの場合もありますが、半分は誤解があるケースや、製品によってはトラブルリスクが少なかったり、丁寧なサポートを受けられる場合もあります。
本記事では、スマートロックを利用する中で起こりうるトラブルのリスクと、そのリスクを下げるために、導入前におさえておきたい3つのポイントを解説します。
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目次
- 1.スマートロックで起こりうるトラブルとは
- 1-1.本体の不具合や電池切れにより鍵が開けられない
1-2.スマートフォン解錠における通信トラブル
1-3.オートロックによる締め出し
1-4.ハッキングのリスク
- 2.導入前にチェックしておきたい3つのポイント
- 2-1.電池が切れた場合に解錠できるか
2-2.スマートフォン解錠のリスク
2-3.サポート体制
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1.スマートロックで起こりうるトラブルとは
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スマートロックの導入には様々なメリットがありますが、残念ながら完全無欠の製品というわけではありません。電池で動作し、Wi-FiやBluetoothで通信するスマートロックにはリスクがあることもおさえておきましょう。
まずは、スマートロックに起こりうる代表的な4つのトラブル・リスクを確認しましょう。
1-1.本体の不具合や電池切れにより鍵が開けられない
スマートロックには、既存の鍵(サムターン)の部分にスマートロックをかぶせて設置してサムターンを動かすもの(下図・左)と、スマートロック自体が施解錠できる機構を持っているもの(下図・右)の主に2つのタイプがあります。
<(左図)既存の鍵にかぶせて設置 (右図)ドアに穴あけをして設置(施解錠の機構あり)>
どちらも基本的には電池式のため、停電時に使えなくなる心配はありません。
他方で、当然ながら電池が切れると動作しなくなるため、最悪の場合、家や部屋に入れなくなる恐れがあります。ここであえて「最悪の場合」と記述しているのは、完全に入れなくなるわけではないためです。こちらについては [2-1]で詳しく紹介します。
また、どんな製品や家電にも起こりうる問題として故障があります。
故障には寿命によるものと不具合によるものがありますが、寿命については、電子錠は一般的に7年間と言われています。不具合については予期しないものではありますが、仮に発生した場合の影響や、それが致命的な問題となるかどうか、そして不具合発生時のサポート体制などは購入前に確認しておいた方がいいでしょう。
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1-2.スマートフォン解錠における通信トラブル
スマートロックは、Wi-FiやBluetoothで通信し、外部端末やクラウドサーバーと接続できます。
Bluetooth型には、スマートフォンとダイレクトに通信して接続する方式(下図①)と、専用のハブと通信し、間接的にクラウドサーバーに接続する方式(下図②)があります。
Wi-Fi型は、スマートロックが直接Wi-Fi通信してクラウドサーバーに接続する方式(下図➂)です。
- <スマートロックの通信方式>
- この中で注意が必要なのは、Bluetoothでスマートフォンとダイレクトに通信する方式です。
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Wi-Fiを介して接続する場合、基本的には常時(もしくは定期的に)通信する環境が保たれるため、一度安定した通信ができれば、そこから不安定になったり、接続が切れることは比較的少ないと言えます。
- 他方で、スマートフォンと直接Bluetooth接続する場合は、初回の入室時の接続設定に時間がかかるとともに、外出や一時退出の際には一旦通信が切れ、帰宅や再入室の際に再度接続する必要があります。通常はスムーズに接続できることがほとんどですが、 口コミサイトを見ると「アプリを再起動しても繋がらずスマホを再起動してやっと繋がることも多い」「鍵を開けるまでドアの前で1分なんてザラです」といった投稿もあります。
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また、スマートフォンの電池が切れてしまうと、当然ながらスマートフォンのからの解錠はできなくなります。
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1-3.オートロックによる締め出しやキーとじ込み
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スマートロックの中には自動施錠機能がついた製品もあります。
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自動施錠機能がある場合、外出、退室の際に毎回鍵を閉める必要がなく、「カギ閉めたっけ?」と外出先から不安に思うことや、本当に鍵を閉め忘れて開きっぱなしになることもありません。
- 他方で、起こりうるトラブルとしては、スマートフォンやカードキーを室内に置いたまま外に出てしまい、締め出されてしまうといったトラブルです。スマートロックについてはスマートフォンを鍵として使う場合もあるため、ごみ捨てなどで少しでも外に出る際は必ずスマートフォンを携帯し、電池を切らさないようにするといった対策が必要となります。
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また、万が一キーとじ込みが発生して開けられないといった場合、一部メーカーについては、鍵の解錠サービスを代行手配してくれる場合もあります。
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1-4.ハッキングのリスク
Wi-FiやBluetoothの通信を行うということはハッキングのリスクがあるということです。これはスマートロックに限らず、パソコンやIoT製品全般に言えることです。
一般に流通しているスマートロックにはほとんどがプライバシーを守り、外部からの不正な攻撃を受けないような対策がなされていますが、不安な方は導入前にはどのような対策がなされているのかを確認してみてもいいかもしれません。クライアント(お客様が使用するWeb画面)とウェブサーバ間のネットワーク通信は、SSL/TLSと呼ばれる暗号化技術を用いてデータを送信しています。データの暗号化によって、クレジットカード番号や個人情報の盗聴を防ぎます。サーバー証明書が発行されており、なりすまし等を防止します。
RemoteLOCKのセキュリティ対策は? -
2.導入前にチェックしておきたい3つのポイント
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さて、ここまでは少し物騒な話をしてしまいましたが、ここからはスマートロックの誤解を解きつつ、安心してご利用いただくために導入前に確認したい3つのポイントをご紹介します。
2-1.電池が切れた場合に解錠できるか
- スマートロックを検討するなかでの不安のひとつに「電池が切れたり故障すると入れなくなるのでは?」という疑問があります。
- この不安はもっともなのですが誤解がある場合もあります。というのも、確かにスマートフォンや暗証番号といった通常の方法では入れなくなるのですが、非常用の解錠手段が用意されていることがほとんどなのです。
[1-1] でご紹介した、室内の鍵のつまみ(サムターン)の部分にスマートロックをかぶせて設置するタイプの場合、これまで通り、物理的な鍵はそのまま使うことができます。また、スマートロック自体が施解錠できる機構を持っている製品の場合も、非常解錠するための物理鍵が付属されているケースがあります。
自宅の場合、物理鍵は念のためにカバンに入れて持ち歩く。ホテルや店舗などの場合、事務所や管理室にて物理鍵を保管しておくことで、万一の場合も入れずに困るということはなくなります。
もちろん、毎回、物理鍵を持ち歩くのは難しい場合や、事務所が離れているケースも少なくないかと思います。その場合は、万が一に備えてキーボックスに物理鍵を入れてドアの外にかけておくといった対策もあります。
・8j:市販の9V角型電池で非常給電することで復旧できます
鍵穴残し施工の場合、物理鍵で解錠できます
また、そもそも電池切れを発生させなければ問題にはなりません。
スマートロックには電池残量の低下を管理者に通知したり、管理画面上にて確認できる製品もあります。電池低下のアラートを見逃さず、早めに電池交換を行うことで、電池切れのリスクはグッと下がります。
・残量が30%を下回るタイミングで管理者にメール送付できます
以上のように、電池切れの際に入れなくなるリスクについては「鍵を開ける手段があるか」、そもそも電池切れを起こさないために「電池残量低下のアラートがあがるか」を確認することをおすすめします。
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2-2.スマートフォン解錠のリスク
- Bluetooth型のスマートロックにおいて、スマートフォンからの解錠がスムーズにできるかどうかは、利用の環境や個々のスマートフォン端末にも依存するため、残念ながら実際に使ってみないとわからないことがほとんどです。
他方でスマートロック各社、日々、製品のアップデート、改良に努めていることもあり、スマートフォン解錠のトラブルに関する口コミは減少傾向にあります。
スマートフォンからの解錠を想定している場合、まずはオンラインショップの口コミをチェックすることや、販売年数や台数が多い製品を選ぶといいかもしれません。また、利用の際はBluetooth通信に影響する恐れがある、ほかのBluetooth機器や電子レンジなどをドアの近く置くことは避け、解錠時にはBluetoothイヤホンの電源をOFFにするなどの対処をおすすめします。
また、はじめて入室する人が多い場合や、不特定多数が出入りするようなシーンでは、スマートフォン解錠はおすすめではありません。
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- ■はじめて入室する人が多い場合や、不特定多数が出入りするようなシーンでの、スマートフォン解錠がおすすめではない理由
・アプリのインストールや権限発行など管理者・入室者ともに手間が大きい
・スマートフォンの操作に不慣れな方にとっては使いづらい
・スマートフォン端末に起因したトラブルもありえるためトラブル対応しづらい
- ■はじめて入室する人が多い場合や、不特定多数が出入りするようなシーンでの、スマートフォン解錠がおすすめではない理由
スマートフォン解錠はあくまで入室者が常時固定されているシーンや、ご自宅など限られた入室者が日々利用するシーンにおすすめです。
2-3.サポート体制
ここまでの内容で、スマートロックにはメリットだけでなく、リスクや注意したい点もあることがおわかりいただけたと思います。また、それらについても通常の利用においては支障がなかったり、事前にリスクを承知し、対策できていれば問題にならないことも少なくありません。
しかしながら、トラブルは予期しないときに発生します。特にシステムや製品の不具合、急いで解決を図りたい問題についてはメーカー側のサポートを受けられるかが重要になります。
まず、不具合があった際の製品の保証については、おおむね各社、出荷から1年としていることが多いようです。もちろん保証内容はメーカーごとに異なりますので、保証期間も合わせてご確認いただくことをおすすめします。なお、弊社スマートロック「RemoteLOCK」も出荷から1年間が製品保証期間になります。
続いてサポート体制はどうでしょうか?
メールやチャットでのサポート対応はおおむね各社、実施しているようですが、電話サポート、現地サポートについては「実施なし」の場合もあるため注意が必要です。
特に、早急に問題解消したい場合や、テキストベースのコミュニケーションが難しいような内容だと、電話サポートの有無が非常に重要です。何かあった時にメーカーに電話で問い合わせたい場合は、購入前に必ず電話サポートの有無を確認するようにしましょう。
最後に、サポート体制、電話受付時間、そして月額料金を、RemoteLOCKおよび他社スマートロックと比較した表を紹介します。各社、現地への訪問サポートはありませんが、電話サポートの有無に差があることがわかります。
※月額料金はサポート料金ではありません
【まとめ】備えあれば患いなし!「開けられない」には予防法・対処法があります!
いかがでしょうか?スマートロックに対する誤解や不安が少しでも解消されましたでしょうか?
「スマートロックの電池切れ」、「キーとじ込み」、「スマートフォン解錠時に通信が不安定になる」といったトラブルについてはそれぞれに予防策と、万一発生した場合も対処法があります。その中でも「開けられない」という不安については、物理鍵をかばんに入れておいたり、キーボックスへの保管などで解消することができます。
スマートロックは便利だと思いつつも漠然とした不安をお持ちの皆様に、この記事が少しでもお役に立てればうれしいです。
- ■Wi-Fi接続・クラウド管理でビジネス向けのスマートロック『RemoteLOCK(リモートロック)』とは?
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・暗証番号式の電子錠でありWi-Fi接続でネット上でカギ・入室を管理!
・最大1,000名までの入室者を管理&離れた場所にある複数のドアを一元管理!
・入室者ごとに入れる時間帯や期間を限定できるためセキュリティの向上も!