なぜ今テレワークブースやワークスペースビジネスが注目を集めるのか?
今、テレワークブースやシェアオフィスなど、「ワークスペースビジネス」が注目を集めています。首都圏を中心に、駅構内に次々と個室テレワークブースの設置が広まっていますが、地方でもシェアオフィスやコワーキングスペースの開業が後を絶ちません。なぜ「今」ワークスペースビジネスなのか。最新の事例とともにご紹介します。ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
- 1. 急拡大!テレワークブース・シェアオフィス市場の近年の動き
- 1-1. 駅構内にワークスペースやシェアオフィスが増えている
- 1-2. 行政機関にも進む「ワークブース」の設置
- 1-3. 有名企業がワークスペース事業に続々参入!
- 1-4. これからのワークスペース事業の市場規模はどうなる?
- 2. なぜ今ワークスペースビジネスが注目を集めるのか
- 2-1. コロナによるテレワーク需要の拡大と働き方改革・働き方の多様化
- 2-2. 遊休スペースの有効活用
- 2-3. 空間の多機能化・多用途化
- 2-4. これからのワークスペース事業の市場規模はどうなる?
- 3. 【まとめ】なぜテレワークブースやワークスペースビジネスが注目を集めているのか
急拡大!テレワークブース・シェアオフィス市場の近年の動き
テレワークという働き方の浸透とともにテレワークブースやシェアオフィスが急激に拡大している背景にはどのようなものがあるのでしょうか。最近の3つの動きとこれからの市場規模の予測を見ていきましょう。
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駅構内にワークブースやシェアオフィスが増えている
東日本旅客鉄道(JR東日本)は、積極的にシェアオフィス事業を進めており、ブイキューブとの連携で個室型テレワークブース「テレキューブ」を現在155拠点で稼働し、2023年までに1000カ所設置することが計画されています(2021年5月現在)。
近年、「駅」は単なる電車の利用や乗り継ぎ地点としてだけではなく、構内に魅力的な飲食店やショッピングモール、ホテルなどが整備され、駅自体がランドマークや観光スポットになるところもあります。まさに「駅にいれば何でもできる」状態ですが、その中で「構内でも落ち着いて仕事ができるスペースがほしい」という要望が出てくるのは自然な流れといえるでしょう。
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行政機関にも進む「ワークブース」の設置
上記のような交通の要所だけではなく、行政機関にもワークブースの設置は進んでいます。2020年11月には東京青梅市役所内に、行政施設としては初めての個室テレワークブースブースが登場し注目を集めました。
2021年4月には、埼玉県さいたま新都心合同庁舎1号館にテレワークスペース「STATION BOOTH」が設置されました。このビルには厚生労働省、総務省、経済産業省、環境省などの関東地方出先機関が入っており、すぐ横にはさいたまスーパーアリーナがあることから、多くの利用者が見込まれています。
「空いている時間にちょっと仕事がしたい」「急にオンライン会議が入った」などの要望にすぐに対応することが可能なテレワークブースは、行政機関だけではなく、公共施設やショッピングセンターなどにも広がりを見せていきそうです。
有名企業がワークスペース事業に続々参入!
「紳士服のAOKI」として有名な株式会社AOKIホールディングスは「毎日通勤する職場でもなく、在宅勤務でもない、新しい働き方ができるシェアオフィス」をコンセプトにシェアオフィス事業を立ち上げました。もともとAOKIグループとしては傘下にある「快活クラブ」で積極的にテレワークの受け入れを行っていましたが、急増するニーズに対応するべく「アオキワークスペース」として展開を進めています。
アオキワークスペースの大きな特徴として、有名企業であるアオキが運営する安心で安全なシェアオフィスであることや24時間オープンでいつでも使え、海外とのビジネスにも対応できることなどがあり、どんなビジネスにも柔軟に対応できることが強みといえるでしょう。
他にも有名企業が続々とワークスペース事業に参入しており、文房具大手のコクヨ株式会社や電子機器メーカーの富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(旧富士ゼロックス)、さらに複数のオフィス家具メーカーなどがテレワークブースの提供を始めるなど、ワークスペースビジネスの注目度の高さがうかがえます。
これからのワークスペースビジネスの市場規模はどうなる?
株式会社日本能率協会総合研究所が行ったリサーチによると、ワークブースサービス市場は、2025年には24億円の規模になると予想されています。この需要の伸びは、コロナの影響によるリモートワークも後押ししていますが、今後はさらに気軽に使えるプライベート空間としての使用も期待されています。
たとえば、趣味や読書、学生の自習室、または一時的な休憩所としての活用など、ビジネス利用ではない一般利用として、ショッピングセンターや街の空きスペースなどにも設置が進むと見込まれており、ワークスペースビジネスの市場規模はさらに大きくなると予想されているのです。
なぜ今ワークスペースビジネスが注目を集めるのか
上記の様に、ワークスぺース事業は業種を問わず、企業の参入が加速し規模も拡大しています。そもそも、なぜ「今」、ワークスペース事業がこんなにも注目を集めているのでしょうか?それには次のような理由が考えられます。
コロナによるテレワーク需要の拡大と働き方改革・働き方の多様化
テレワークという新しい働き方は、新型コロナウィルス感染症の蔓延とともに定着したといっても過言ではありません。とはいえ、コロナ以前より起業家やIT系フリーランスがオフィスではなく「スターバックス」などのカフェで自由に仕事をする「ノマドワーカー」スタイルが流行したこともあり、テレワークが抵抗感なく受け入れられる土壌があったといえるでしょう。
さらに政府による「働き方改革」では、2013年の時点でテレワークへの言及がされていたことも見逃せません。
世界最先端 IT 国家創造宣言(平成 25 年6月 14 日閣議決定)より
こういったことから、最近ではカフェよりも仕事に特化しているコワーキングスペースなどのワークスペース事業が注目を集めるようになりました。さらに、感染症予防の観点やオンライン会議の必要性に迫られたことから、個人利用のできる個室テレワークブースの需要も急上昇しているのです。
遊休スペースの有効活用
コロナの影響によりテレワークが一般化し、出社人数が少ないことや、オフィスを縮小して安い家賃の場所へと移行するケースが増えています。そういったオフィスビルの空きスペースやテナントが入るまでの期間を有効活用するため、ワークスペース事業が選ばれているのです。
ワークスペースビジネスは事業主にとって次のようなメリットがあります。
ワークスペースビジネスのメリット
- 空きスペース(遊休スペース)や立て壊し予定の物件でも収益化ができる
- 導入コストがそれほどかからず、簡単な組み立てやリノベーションですぐに始められる
- 市場のニーズが高まっており、さほど苦労しなくても集客できる
- 導入や撤退が簡単で、次の使用までの期間限定でスペースの有効活用ができる
このように、ニーズが高まっているテレワークスペースの受け皿として空きスペースを柔軟に活用できることが、ワークスペース事業が注目されている要因のひとつでもあります。
空間の多機能化・多用途化
ビジネスにおいてはそれまで重要だった「組織」や「企業」といった概念が希薄になりつつあります。まさに「個人」がどこで、どうやって働くかを選択できる社会に移行しているのです。さらにデジタルやIT化が進む中で、人々はどこにいても働いたり、ネット上で買い物をしたり、映画や音楽などの趣味を楽しむことができるようになりました。
そうした社会や人々の生活の変化の中で、空間の役割もマルチ化しています。オフィス、住居の線引きが曖昧になり、カフェで仕事をしたり、ホテルや駅構内でリモートワークをすることが、抵抗感なく受け入れられるようになっているのです。そんな空間の多機能化や多用途化に柔軟に対応できるワークスペース事業は、まさに新しい時代の土地活用法として注目を集めているのです。
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【まとめ】なぜテレワークブースやワークスペースビジネスが注目を集めているのか
いかがでしたでしょうか?コロナウィルスの影響で、テレワークという働き方が急激に浸透することにより、テレワークスペースビジネスが一気に注目を集めるようになりました。遊休スペースの活用ができることや導入撤退の簡易さなども事業としての人気の後押しをしています。
最近では駅の構内を中心に公共施設などにも個室テレワークブースの設置が増え、有名企業もワークスペースビジネスに参入するなど広がりを見せており、今後は一般の利用者を取り込んで市場規模もさらに拡大すると予想されているのです。
ますます目を離せなくなったワークスペースビジネス。参考にしていただけましたら幸いです。