今までの鍵とは何が違う?IoTを活用したホテルの鍵のスマート化とは
「ホテルの鍵」というと近年では「カードキー」が一般化し、ホテルを象徴するアイテムとして長年親しまれてきたシリンダーキーは減少傾向にあります。そんななかでIoTの進展やコロナ禍により、ホテルのスマート化がますます進み、IoTを活用した「スマートロック」の導入も急拡大しています。ホテルの鍵のスマート化は、従来の「鍵」と何が違うのでしょうか?本記事ではホテルでの普及も進むスマートロックについて解説します。
従来型のホテルの鍵(キー)の種類について
これまでホテルの鍵の定番といえばは「シリンダーキー」と「カードキー」でした。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて考えてみましょう。
シリンダーキーの特徴とメリット
「シリンダーキー」とは、「鍵」と聞くと最初にイメージが浮かぶであろう最も一般的な鍵の種類で、鍵穴に差し込む部分がギザギザになっている金属製のキーです。
ホテルの場合、ホテル名と部屋番号が大きく書かれたプレートやキーホルダーがついたシリンダーキーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。鍵穴にキーを差し込むことで錠前を操作し、ドアの開閉をする方式で、昔から多くの場面で使われてきました。
シリンダーキーのメリット
シリンダーキーは通常、丈夫な素材が使われており、比較的長期間にわたり継続的に使用することが可能です。使い方もわかりやすいため、国籍や老若男女を問わず利用することができる点も、シリンダーキーのメリットといえます。物理的に大きいキーホルダーなどをつけることで、紛失しにくいタイプといえるでしょう。
シリンダーキーのデメリット
シリンダーキーの場合、ホテルは大量の物理鍵を運用することになるため、鍵を管理・保管する場所や、鍵の受け渡しをするスタッフが常に必要です。スタッフやゲストが万が一紛失してしまったには合鍵の準備や作成といった手間が発生するため、少なくともゲストが外出する際にはフロントに鍵を預けてもらうなどの対策は必要でしょう。また、屋外で鍵の紛失があった場合などは、防犯上の理由から鍵穴(シリンダー)ごと交換する必要もありますので、より手間やコストがかかってしまう点は物理鍵のデメリットといえるでしょう。
また、利便性に関するデメリットとしては、シリンダーキーは1部屋につき1つしか渡さないケースがほとんどですので、家族旅行やグループ泊などで複数名が同室に宿泊するような場合は、グループ内のゲスト同士が別行動を取りにくくなる点が挙げられます。例えば食事のタイミングや大浴場の利用の際に一緒に宿泊している人が鍵を持っていて、待たされる経験をした人も多いのでないでしょうか。
カードキーの特徴とメリット
続いてカードキーについて紹介します。カードキーは、シリンダーキーよりも新しいタイプの「鍵」で、専用のカードをドアについた読み取り部にかざすことで解錠します。複数の鍵メーカーが「ホテルカードロックシステム」や「カード錠」、「電子錠」といった名前で専用の製品・システムを販売しています。
中には差込口にカードを差し込むことで解錠する磁気式のカードキーもありますが、最近ではカードリーダーにかざすだけで簡単に解錠ができるICカードタイプが主流となっています。これにより、カードの摩擦による消耗や異物による誤作動がなくなり、耐久性もアップしています。
カードキーのメリット
カードキーのメリットとしてはシリンダーキーに比べて、フロントスタッフによる鍵の管理業務がかなり軽減される点が挙げられます。ゲストがカードを紛失してもすぐにデータを取り消し、簡単に再発行できますし、勝手に合鍵を作ることができないので、ゲストの外出時に鍵を預かる必要もなくなるのです。
また、ドアに設置するロック側にカード利用の履歴を残せる製品の場合は、万一、犯罪やトラブルが起こった際にも、どのカードで、いつ侵入したかといった情報の特定ができます。
そのほかにも、ゲストの外出時に客室内の照明や冷暖房が自動でOFFになるように、カードと連動した電源制御を行うことができたり、カードキーとホテルシステムを連動することでホテル内の施設(レストランやバーなど)での購買情報をカードキーに保持し、チェックアウト時にはカードに保存されたデータをもとに自動精算するようなことも可能です。
カードキーの主なメリット
- 複製・コピーがしづらいため悪用のリスクが少ない
- 紛失時にはデータの削除がカンタンに行え、錠前の交換の必要がない
- ホルダーへのカードの抜き差しにより客室内の照明や空調等を自動的にON/OFFできる
- ホテルシステムや精算機との連動が可能
ゲストに対するメリットとしては、カードをかざすだけで解錠ができるのでスムーズに入室ができるカードキーは便利なことでしょうか。ものによっては財布や携帯ケースなどに入れたままでも使用できるので、出し入れの手間がなくなります。
さらにシリンダーキーとは異なり、キーカードは一部屋の宿泊に対して複数枚のカードを受け取れることが多いです。、グループ滞在の場合もゲスト同士で別行動ができるなど、自由度が増し快適にホテルを利用することができるでしょう。
以上のようなメリットがあることから、フルサービスのホテルや、ハイグレードなホテル、チェーン展開するビジネスホテルなどにはカードキータイプのロックがおすすめと言えるでしょう。
カードキーのデメリット
シリンダーキーに比べてメリットの多いカードキーですが、課題もあります。例えばカードキーをゲストにお渡しする際には、フロントでカードを手渡しすることになるのですが、非対面や無人化を目指す場合にはカードキー発行に対応した「自動精算機(自動チェックイン機)」を導入する必要があるのです。
そのためカードキーを自動発行せずに手渡しする場合には、シリンダーキーと同様にフロントにスタッフを常駐させることになりますので、人件費や働き手不足などを完全に解決できるわけではありません。さらにコロナ禍において、対面での接客や人の手による受け渡しには、ゲストが不安を感じる場合もあります。
また、自動精算機などの導入は、カード発行機やカードロック(錠前)など複数の機器が必要です。初期コストが高くなってしまうことはもちろん、精算機自体のメンテナンスやカードの補充など、目に見えない作業が増えることを理解しておく必要があります。
ホテルの鍵もIoT!鍵をオンライン管理してフロント業務を効率化
この数年、カードキーに代わり、ホテルなどの宿泊施設で普及が進んでいるのが「スマートロック」です。いまや、宿泊施設がIoTを導入し、業務効率化に取り組むことは当たり前になっています。スマートロックの導入は業務効率化にとどまらず、様々なメリットを享受することができます。
RemoteLOCKのメリット
- 物理的な鍵の受け渡しが無くなり、紛失などのトラブルが起こらない
- 非対面化による感染症対策を実現。ゲストにとっても安心感が高まる
- 予約期間に合わせた有効期限を設定でき、不正入室の防止になる
- セルフチェックインシステムとの連動により無人でチェックイン対応が可能になる
このように、スマートロックは対面での受け渡し作業や接触リスクもなく、紛失などの鍵トラブルも起こりません。宿泊運営管理システムやセルフチェックインシステムとの連携により、完全な無人チェックインも可能になることから、感染症予防対策として採用する宿泊事業者も増えています。
現在スマートロックは、複数のメーカーから様々なタイプの製品が販売されていますが、なかでも使いやすいのが「テンキー型」「Wi-Fi接続」のスマートロックです。どのような特徴やメリットがあるのでしょうか。
テンキー型であることのメリット
暗証番号をドアに設置されたキーパッドに入力するため、スマートフォン操作で解錠するスマートロックで起こりがちな操作に戸惑うといったことがなく、初めての利用、初めてのゲストでも簡単に使うことができます。
物理的なキーやカードを使わないので、スタッフによる対面での受け渡しが不要。フロントの省人化や業務効率化が進み、コスト削減に貢献するでしょう。
暗証番号はチェックイン期間だけ入れるように有効期限を設定したうえで、あらかじめゲストへメールで送っておく、もしくは、セルフチェックインタブレット上での受け渡しが可能なので、無人・遠隔からの受け渡しを実現します。
Wi-Fi接続であることのメリット
オンライン上で予約に合わせた暗証番号の発行ができます。
暗証番号が使える時間帯は予約した時間帯だけに設定が可能で、宿泊運営管理システムやセルフチェックインシステムと連動も可能です。
スマートロックと宿泊運営管理システムなどとの連携は、容易にホテルの非対面・非接触チェックインを実現できるほか、管理者はどこにいても客室への入室(解錠)状況をチェックすることができるなど、ホテルのスマート化を強力に後押しします。
【まとめ】ホテルの鍵のスマート化とは?IoTを活用したホテル向けロックシステムを解説
この数年、シリンダーキーやカードキーにつづいて、スマートロックがホテルの鍵として活用されはじめています。いまや、宿泊事業者がIoTを導入し、業務効率化に取り組むことは当たり前になっていますが、さらに「鍵」をもスマートロックにしてオンライン管理することは、人件費削減や人出不足解消、さらには感染症対策へのアピールなど、さまざまなメリットがあります。
アフターコロナでも、鍵のスマート化は、なによりも最初に考える価値がありそうです。RemoteLOCKは、ホテルや民泊等の宿泊事業に関わる方向けにサービスの紹介資料をご用意しております。下記のバナーからぜひ資料のダウンロードをお願いします。