公開日2025.11.17
ホテル業務の効率化のポイント9選
昨今のインバウンドの増加や多様化するサービス対応、または深刻な人手不足などが原因で、ホテルの効率化が注目されています。しかし、やみくもに効率化を目指していても、期待したほどの効果に繋がらず、却って負担が増大することもあります。そこで、ホテルの効率化を効果的に進めるための9つのポイントやメリット、活用法など詳しく解説します。
【予約・フロント業務】効率化ポイント

まずは、フロント業務の効率化ポイントを見ていきましょう。フロント業務は、予約管理を始め、チェックイン・チェックアウト、館内案内、電話対応、会計処理など、多岐にわたる業務が集中する場所です。
顧客接点の中心でもあるため、フロントでの業務改善が、全体の効率化に直結すると言っても過言ではありません。
フロント業務の効率化ポイントは次の3つのシステムです。
・オンライン予約システム
・セルフチェックインシステム
・PMS(ホテル管理システム)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
効率化ポイント①オンライン予約システム
オンライン予約システム(自社予約システム、サイトコントローラー連携を含む)とは、インターネットを通じて、客室の予約・受付・管理を自動で行うためのシステム(ソフトウェアやサービス)を指します。導入することで、次のようなメリットがあります。
オンライン予約システムのメリット
- 予約やエクセル入力、予約確認メールなどの自動化
- 電話対応の負担軽減化(多言語対応)
- 24時間365日の自動予約受付
- ダブルブッキングやヒューマンエラーの防止
- 予約情報、顧客情報、キャンセル履歴などの一元管理
上記のように、予約管理が自動化されるため、手書きの台帳やエクセルへの転記作業がなくなり、フロントの予約業務が効率化されます。
効率化ポイント②セルフチェックインシステム
セルフチェックインシステムとは、フロントフタッフを介さずに、ゲスト自身のスマートフォンやホテルのモバイルなどを利用して、チェックインやチェックアウトの手続きを行うシステムのことです。
スタッフが手作業で行っていた情報入力、本人確認、会計処理などが自動化され、フロントに常駐するスタッフの人数を削減できます。
導入することで、次のメリットがあります。
セルフチェックインシステム導入のメリット
- チェックイン業務の自動化、効率化
- 夜間・早朝の無人化(省人化)運営が可能
- 多言語対応が可能(インバウンド対策)
- ゲストの待ち時間解消(フロントの混雑解消)
チェックインシステムを導入することで、夜間や早朝のスタッフ配置が最低限になり、人手不足解消や、人件費削減にも繋がります。また、スマートロックと連携することで、鍵の受け渡し業務もなくなります。
効率化ポイント③PMS(ホテル管理システム)
PMS(ホテル管理システム)とは、単なる予約管理だけでなく、顧客情報、客室状況、会計、売上分析など、施設運営のあらゆる情報と業務を統合的に管理するシステムです。
このPMSを導入することで、次のようなメリットがあります。
PMS(ホテル管理システム)導入のメリット
- 予約情報をリアルタイムで自動連携し反映
- 客室、売上情報を一元化し、管理が容易
- 会計、精算処理を自動化
- 売上、データ分析の効率化
上記のように、PMSは、ホテル運営の情報を集約し、自在に管理できるようになります。有効活用することで、「特別なリピーターだけをピックアップする」「顧客の好みを分析して料理に活かす」など、付加価値の高いサービスに時間を割けるようになります。
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『RemoteLOCK(リモートロック)』
- ・予約者ごとに異なる暗証番号を発行可能
- ・予約期間外は入室不可に!期間外の不正入室の心配はなし
- ・予約システムとの連動で番号を自動発行
▼資料(PDF)をダウンロードする
【スタッフの配置・業務全体】効率化ポイント

次に、スタップの配置や業務全体の効率化ポイントを見ていきましょう。効率化ポイントは次の2つです。
・スタッフの最適な人員配置
・紙ベースの台帳や書類のデジタル化それぞれ詳しく解説していきます。
効率化ポイント④スタッフのスキルアップと最適な人員配置
ホテルスタッフの最適な人員配置は、一人ひとりの能力を最大限に引き出し、「どのスタッフが、何が得意か」などを、的確に考慮して配置することが望ましいでしょう。柔軟で生産性の高い組織を作ることが、結果的に効率化に繋がります。
スキルアップと最適な人員配置には、次のポイントがあります。
スキルアップと最適な人員配置のポイント
- まずは、従業員ごとに、スキルを習得度(初級、中級、指導可能など)で評価
- 判明したスキルの不足分を補う「育成計画」を作成、実施
- スキルを持つスタッフを、適材適所で配置
- スタッフを多能工化し、リソースの有効活用を促進
- ムダな待機時間や人員配置をなくし、人件費の最適化
スタッフを多能工化(一人で何役もこなせるスキル)することで、特定の部署に欠員が出たり、急な人手不足になったりしても、最小限の人数で業務を継続できます。
なお、効率的なスキルアップは、オンライン研修システムなどを利用することで、時間や場所によらない従業員教育が実施できます。
効率化ポイント⑤紙ベースの台帳や書類のデジタル化
ホテル業務での紙ベースの台帳や書類のデジタル化(ペーパーレス化)は、単なる紙の削減にとどまらず、業務のスピード、正確性、コスト、セキュリティといった面で、高い効率化効果をもたらします。書類のデジタル化には、次のようなメリットがあります。
紙類のデジタル化のメリット
- 手作業の排除で作業時間の短縮
- ヒューマンエラーの防止
- クラウドベースのシステム導入で情報共有の効率化
- 顧客などの情報検索、閲覧の高速化
- 宿泊者台帳などの紙代、印刷代、インク代など消耗コストの削減
- 紛失や盗難のリスク防止、セキュリティ強化
上記のように、手作業による作業が効率化するだけではなく、ヒューマンエラーの防止や、消費コスト削減など、多方面でのメリットが考えられます。
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【個別業務】効率化ポイント

ホテル運営の効率化を最大化するには、個別の現場業務(オペレーション)の改善も不可欠です。
特に次のような最新の技術やシステムを活用することで、スタッフの負担を軽減するとともに、顧客サービスの強化にも貢献します。
・スマートキーで鍵管理
・IoTセンサーの活用
・センシング技術で設備のメンテナンス
・多言語アプリや通訳デバイスの活用
それぞれ説明していきましょう。
効率化ポイント⑥スマートキーで鍵管理
スマートキー「RemoteLOCK(リモートロック)」は、従来の物理キーやカードキーの発行や回収、管理の手間をなくし、デジタル技術で客室の施錠を可能にするシステムです。ゲストのスマートフォンにあらかじめ送られた暗証番号やQRコードを利用するため、チェックインの際の客室キーの受け渡し業務がなくなります。スマートキーを利用するメリットは次の通りです。
スマートキーを導入するメリット
- フロントでの鍵の発行、受け渡し、回収業務が自動化
- 鍵の紛失、盗難などのトラブル防止とセキュリティアップ
- 鍵の有効期間を設置し、不正入室などを防止
- 鍵の持ち歩きが発生せず、ゲストの利便性の向上
- 入退室履歴の把握と遠隔管理
上記のように、スマートキーは物理的な鍵の管理がなくなり、トラブルも発生しないことから、フロント業務の効率化に大きく貢献します。セルフチェックインシステムに組み入れることで、フロントの無人化も可能になります。
効率化ポイント⑦清掃のシステム化
清掃作業をシステム化し、PMS(ホテル管理システム)と連携させることで、客室の清掃状況がフロントや清掃チームにリアルタイムで共有できるようになります。客室の回転率や、スタッフの作業効率が大幅にアップします。清掃のシステム化によるメリットは次の通りです。
清掃のシステム化によるメリット
- 客室の清掃状況をスタッフ間でリアルタイムに共有
- 清掃完了後、すぐに客室が「販売可能」状態に切替
- 混雑時の待ち時間を短縮し、稼働率を最大化
- ロボットと人による分業で、清掃の質と効率を両立
清掃システムに加え、清掃ロボットなどを導入すると、無駄な作業を無くし、人手不足の解消や人件費削減にも繋がります。
効率化ポイント⑧IoTセンサーの活用
センサー技術を活用し、在庫管理や作業分析などを自動化することで、作業効率が上がります。IoTセンサーを活用した場合に効率化となる例をご紹介しましょう。
IoTセンサーの活用例
- 消耗品の自動発注
- 共用エリアの混雑状況の把握と通知
- 空調や照明の自動制御
- センシング技術(異常発生検知)でセキュリティアップ
- スタッフ配置の最適化
- 清掃やサービスなどの生産性計測
上記のような作業のシステム化は、手作業で起きがちなヒューマンエラーも防止することができます。また、センシング技術を利用することで、ホテルの設備や環境の状態を検知・測定し、異常にいち早く対応することも可能です。
効率化ポイント⑨多言語アプリや通訳デバイスの活用
増加するインバウンド対策として、多言語対応アプリや通訳デバイスを取り入れることで、複雑な会話や情報提供が容易になります。案内作業の効率化だけではなく、ゲストやスタッフの言語ストレスも軽減します。多言語アプリや通訳デバイスの活用例は次の通りです。
多言語アプリや通訳デバイスの活用例
- 共用部に多言語対応のデジタルサイネージ(案内板)を設置
- 客室に多言語対応タブレットを設置
- チェックイン業務にAI通訳を活用
主に、館内施設案内、レストランやショップの営業時間、避難経路などの情報を多言語(英語、中国語、韓国語など)で表示するだけでも、お問い合わせが少なくなり、フロント業務が簡素化します。
【まとめ】ホテル業務効率化の鍵は「フロントのデジタル化」
これまで解説したように、ホテル業務の効率化には様々な方法やシステムがありますが、一番注力するべき施策が、「フロントのデジタル化」です。というのも、フロントは、ホテル業務の司令塔であり、多くの業務が集中するからです。
フロントのデジタル化が進めば、全システムの連携がスムーズになり、業務全体のスピードが向上します。組織全体が効率化するため、少ないホテルスタッフでも、質の高いサービスを提供することが可能になるでしょう。
さらに、人件費の大幅削減やヒューマンエラーの削減、スタッフの負担軽減、離職率低減など、様々なメリットにも繋がります。ホテル効率化の参考になりましたら幸いです。
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