近年、自動精算機を導入する業界が増えてきました。スーパーや小売店、クリニックなどでも目にするようになりましたが、ホテルや旅館など宿泊業界でも導入する施設が増加しています。なぜ、今、自動精算機が増えているのでしょうか。そもそも自動精算機とは何か、そして導入が増えている理由やホテルならではのメリットについて解説します。

従来、自動精算機といえば駅の券売機や自動販売機など、商品を購入する際に「人の代わりにお金の支払いをする」機械でした。しかし、近年になって性能が向上したり、さまざまな機能が追加されるようになって、スーパーや小売店、クリニック、カフェなどでの導入が加速しています。

各業種で自動精算機の導入が加速している大きな理由として、業務が効率化すること、現金管理や集計処理が正確になることなどがあげられます。しかし、コロナ以降は「非接触」や「衛生的」であることが大きな意味合いを持つようになりました。そのため、特にスーパーやパン屋などの食品関連やクリニックなどで「セルフレジ」として急拡大しているのです。

「人によるおもてなし文化」の強かった日本の宿泊業界においても、「非接触」での支払いが可能な自動精算機は、コロナ以降広く受け入れられるようになっており、導入するホテルは増加傾向にあります。

また、業務が効率化することにより、スタッフの人数を減らすことができること、さらに機能が進化して高性能なのに安価な機種がつぎつぎに登場していることも、加速の理由といえるでしょう。

自動精算機には複数のメーカーにより多くの種類が展開されており、それぞれに特徴や得意分野も異なります。たとえば小売店やクリニックなどで普及が進んでいる「セルフレジ」は、スタッフが応対しながら支払いだけを機械が行う形で、例えば年齢確認が必要な酒類を提供するスーパーやコンビニなどで重宝されています。

一部のファストファッション企業が採用している自動精算機は、商品の入ったカゴごと計算することができるので、いちいち商品を取り出すことなくスピーディに支払いを済ませることができます。

ホテルで使われる自動精算機は、基本的な支払い機能に必要なオプションをカスタマイズするタイプや、宿泊事業に特化した製品もあり、施設に合ったものを選ぶことが可能です。

さらに、他のシステムと連携することでセルフチェックインが可能になったり、無人ホテルの運用まで可能にするなど、ここ数年で大きな進化を遂げています。

自動精算機を導入するメリットは大きく、人による「現金の管理」がなくなるだけでもフロントスタッフの負担はかなり軽減されます。ホテルにとってのメリットは他にも…

自動精算機のメリットは、ホテル運営側だけではありません。ゲストにとっても大きなメリットがあります。ゲスト側のメリットとしては、次のようなものがあります。

上記のように、自動精算機を導入するだけで多くのメリットがあります。さらに他の機能やシステムと連携させることで、予約からまでチェックイン、カードキー発行、精算処理など、フロント業務のほぼすべてを一元管理することが可能になります。

多言語対応機能

日本語や日本の現金に慣れない外国人観光客は、会計時に戸惑うことがよくあります。多言語対応の自動精算機なら、操作の説明なども外国語で表示するので、効率よく安心して利用していただくことができます。

予約管理システム・顧客管理システム

システム上で予約管理や利用状況の管理・分析ができ、ゲストに合わせたサービスやマーケティングに活用することができます。案内メールの一括送信や、季節ごとのプランの変更などもシステムにお任せすることが可能になります。

セルフチェックイン・チェックアウト機能

チェックイン機能が付いているシステムと連携することで、セルフチェックインが可能になります。深夜帯など時間を気にすることなくチェックイン・チェックアウト対応が可能となり、スタッフが常に待機する必要なくなったり、ゲストも時間に追われて焦ったり、急ぐ必要がなくなるなど、運営側とゲスト側の双方にメリットがあります。

本人確認・パスポート確認機能

自動精算機にカメラや読み取りリーダーなどが付いていると、例えばビデオ通話で本人確認が行えたり、パスポート情報の自動取得などが可能になるため、スタッフによる対面での本人確認が不要になります。（※）

※非対面や無人での本人確認が可能かどうかは自治体によって異なります。

ルームキー（カードキーや暗証番号キー）発行

ルームキーを自動で発行する機能が付いていると、フロントでの鍵のやりとりの時間がなくなるため、チェックイン時の時間短縮やフロントの作業効率化が加速する上、完全なる非対面・非接触でのフロントが可能になります。

また、朝食券など、お客様に合わせたサービスチケットなどを発行できるシステムもあります。

などと組み合わせることも可能な場合があります。施設やゲストの層に合わせた、独自のサービスが簡単に提供できるようになるでしょう。ただし、自動精算機と連携可能なシステムや機能についてはメーカーごとに異なりますので、自動精算機と組み合わせてこんなことできる？といった相談や質問は自動精算機メーカーに直接お問合せされることをおすすめします。

いかがでしたでしょうか？新型コロナの流行を境に、人々の価値観はさまざまな面で大きく変化したといわれています。ホテルのサービスも、人によるおもてなしの価値を分かりつつも非接触や非対面といった衛生面を重要視する人が増えていることも事実です。そんな中で支払いのやりとりの非対面・非接触化にいち早く対応できるのが自動精算機です。

アフターコロナで戻るとされるインバウンドに対しても、多言語対応の自動精算機なら素早く柔軟に対応することが可能になります。人的コストや人手不足の解消にもなる、自動精算機の導入の参考にしていただけましたら幸いです。

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