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公開日2022.06.16

最終更新日2023.08.01

RemoteLOCKによるキーレス化でフロント人件費はどれくらい削減できる?

RemoteLOCKは、宿泊施設(ホテル・旅館・民泊・グランピング施設)や、時間貸しスペース(レンタルスペース・コワーキングオフィス・テレワークブースなど)など、様々な施設に導入いただいております。特に宿泊施設はフロントの省人化への期待からお問い合わせいただくことが多いのですが、フロント省人化による経費削減・売上増収効果は実際どれくらいなのでしょうか?今回は50室規模のホテルを例に試算してみました。

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モデルケースとするホテルのイメージ整理・条件設定

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本ブログではRemoteLOCK(リモートロック)製品を紹介しています。その際に、「自分の施設に取付した場合の効果ってどんな感じなんだろう?」と思った方も多いのではないでしょうか。

今回は「RemoteLOCKを導入することで、宿泊施設のフロント人件費をどれだけ削減できるのか」、試しに計算してみたいと思います。なお、以前に貸し会議室のコスト比較をさせていただいたこともありますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

想定したホテルのイメージについて

まずはモデルケースとするホテルのイメージ整理をします。昨今、コロナ禍によるインバウンド需要の低下もあり、宿泊施設の客室稼働率は下がったままです。しかし、いずれはコロナ以前の比率に戻ると期待している方も多いのではないでしょうか。そこで、賑わいが戻ってきたときのために、フロントの省人化やセルフチェックイン、スマートロックのようなIoTの活用に興味を持っている施設運営者・ホテル向けを試算のモデルケースにしました。

今回特にイメージしている施設は30室~50室規模で、客室のカギ(物理鍵・カードキー)の受け渡しをフロントで行っているホテルです。このフロント業務をスマートロックとセルフチェックインシステムの利用で省人化することができます。弊社のスマートロックは暗証番号式なので、「フロントで鍵を物理的に受け渡す必要がなくなる」点が特徴として挙げられます。

(ちなみに客室が100~200室規模の大手チェーンホテルについては、チェックイン機でカードキーを自動発行する傾向があります。実際にヒアリングしてみたところ、既にそれなりに人件費を削減しているようです。)

今回の想定は「宿泊特化型ホテル」!

また、今回はいわゆる「宿泊特化型のホテル」を想定し、飲食に関する設備は特段持たない設定にしました。これは試算条件をなるべくシンプルにしたかったというのが一番の理由ですが、飲食設備付きの場合は提供する食事の原価等まで考慮すると、利益率の改善効果が少し薄まる点も理由の一つです。

非接触・非対面に対する期待が大きくなっている今、ゲストと対面するフロントスタッフの人件費を削減できれば、売上に対する利益率の改善はもちろん、チェックイン・鍵の受け渡しにかかっていた時間を他のサービス・内部の事務・企画業務に充てられるのではないかという期待が持てます。

客室売上の設定

さて、前書きが長くなりましたが、今回設定したモデルケースの売上設定は以下にしました。客室稼働率の設定についてはコロナ以前のような、比較的高めの50%とします。また、客室単価や同伴係数等については施設によって様々ですので、こちらは統計的な平均値ではなく恣意的に数字を設定しています。

最近の客室稼働率の統計については官公庁の公式ホームページからもご覧いただけますので、気になった方は下記のリンクもチェックしてみてください。
観光庁(宿泊旅行統計調査)公式サイト

客室売上 153,000,000円
 - 客室数 50室
 - 営業日数 360日
 - 客室稼働率 50%
 - 客室単価 8,500円
 - 1室あたり宿泊客数(*同伴係数) 2.0
 - 販売客室数/年 9,000室
 - 想定宿泊客数/年 18,000人

人件費の設定

売上の設定ができましたので、次は支出額を設定します。冒頭に述べたように今回は宿泊特化型のホテルをモデルケースにしたので、食事施設の調理スタッフやウェイター、駐車場等の誘導スタッフ等はいないものとします。

年間の人件費の設定ですが、支配人クラスが700万円/人・正社員は一律450万円/人とし、アルバイトについては240万円/人としました。深く考えずにアルバイトも高めに人件費を設定しています。(少しリアル感が薄いかもしれませんが、ご了承ください。)

こちらの費用設定をもとに、50室規模の人員をイメージすると以下のようになりました。だいたい売上高人件費率は40%~60%くらいです。正確には総務担当などは客室売上の原価とは言えないのでしょうが、こちらはご了承ください。笑

人件費合計 89,300,000円  計22人
 - 支配人 14,000,000円 2人
 - フロント 22,500,000円 5人
 - 予約・企画 13,500,000円 3人
 - 総務 22,500,000円 5人
 - アルバイト 16,800,000円 7人
(売上高人件費率) 58.37%

RemoteLOCKの導入費用の設定

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続いてスマートロックの導入費用です。RemoteLOCKは工事取付で設置するスマートロックですので、初期費用は「製品本体の費用と工事費」がかかります。また、クラウドで暗証暗号を管理するために月額の利用料も発生します。今回はRemoteLOCK 8jという製品を全客室に導入する想定で計算します。

スマートロック費用 7,140,000円 単価
 - 製品価格(8j) 3,950,000円 79,000円
 - 取付工事費 2,200,000円 44,000円
 - クラウド利用料(12か月) 99,000円 1,650円/月

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セルフチェックインシステムの導入費用の設定

フロントの省人化を実現するうえでは、鍵の代わりになるスマートロックと「チェックイン用のシステム」が必要です。大手チェーンホテルに導入されているようなチェックイン機・精算機は導入に1台あたり数百万円かかりますが、セルフチェックインシステムは非常に割安であることが多いです。

というのも、セルフチェックインシステムとは、実際にはipadの機器レンタル+チェックイン用システム(アプリ・Webブラウザなど)で構成されていることが多く、大がかりな初期費用がかからないためです。

今回は某社のセルフチェックインシステムを参考に、初期費用・月額費用を設定しました。

セルフチェックインシステム 467,600円 単価
 - 初期導入費 110,000円 110,000円
 - 利用費(12か月) 357,600円 29,800円

その他の販管費について

人件費とは別に、販管費は様々なものがかかります。具体的には客室等の清掃費や、OTAなどの媒体手数料、クレジットカード決済の決済手数料に加え、施設管理のための水道光熱費や通信費、消耗品費、ゴミ処理費用なども費用が掛かります。

こちらも年間収支や利益率の算定には必要な項目ですが、今回は簡略的に売上の25%程度(38,250,000円)とします。

フロント人件費の削減効果を試算してみると…?

さて、とっても前置きが長くなってしまいましたが、設定した売上と各種支出から計算する利益が、RemoteLOCKとセルフチェックインシステムの導入でどのように改善するのかをご紹介します。今回は導入初年度・2年目の利益額を計算してみました。

導入初年度の人件費削減効果

まずは導入初年度の費用対効果を計算してみます。毎年の売上がある程度一定だと仮定すれば、「RemoteLOCKおよびセルフチェックインシステムの導入費用」が、フロント人件費の削減分に対してどの程度かによって利益の増加・減少分が決まります。

結論から言えば、RemoteLOCK等の導入費を加味しても、利益額の増加が見込めます。まず人件費についてですが、フロント対応のための社員・アルバイト人員を削減できますので、甘く見積もって約2,000万円程度の人件費圧縮が期待できます。

RemoteLOCK導入後のフロント人件費の変化
人件費合計 68,600,000円  計22人⇒16人
 - 支配人 14,000,000円 2人
 - フロント 9,000,000円 5人⇒2人
 - 予約・企画 13,500,000円 3人
 - 総務 22,500,000円 5人
 - アルバイト 9,600,000円 7人⇒4人
(売上高人件費率) 58.37%⇒44.84%

RemoteLOCK 導入のフロント人件費の合計:89,300,000円 (①)
RemoteLOCK 導入のフロント人件費の合計:69,600,000円 (②)
人件費の削減効果(①-②):20,700,000円 (③)

対して、RemoteLOCKとセルフチェックインシステムの導入費は、上に記載した通り約750万円程度なので、初年度から1,300万円の利益アップになります。

RemoteLOCKおよびセルフチェックインシステムの導入費: 7,607,600円(④)
利益額の増減(③-④):+13,092,400円

肌感覚的には、スマートロックを50台も取り付けるので出費が大きく感じるかもしれません。しかし、真面目に計算してみると、フロントの人件費が圧縮できるので、単年で導入コストを回収しつつ、利益額を増やすことができることが分かります。

ちなみに売上と、削減した人件費およびその他の販管費から利益率を計算すると、利益率も約8%改善するということになりました。

導入前の年間収支:+25,450,000円 (利益率:16.63%)
導入後の年間収支:+38,542,400円(利益率:25.19%)
⇒ 増収額:+13,092,400円(利益率の改善効果:+8.56%

2年目以降の人件費削減効果

続いて2年目以降の導入効果について計算します。2年目は初期導入費(本体費用・工事費など)がかかりませんので、以降は継続利用費(クラウドシステムの利用料など)のみが発生します。導入初年度と人件費がそう変わらないのであれば、2年目以降は利益額がより増加します。

初年度は1,300万円の利益アップでしたが、2年目以降は1,900万円の利益アップとなりました。

RemoteLOCKおよびセルフチェックインシステムの継続利用費: 1,347,600円(⑤)
利益額の増減(③-⑤):+19,092,400円

初年度と同様に利益率を計算すると、2年目は導入前と比べて約12%改善するということになりました。今回は有事を想定してフロント人員を0人に設定していませんので、フロント無人化まで実現できればさらに利益の増加が見込めるでしょう。

導入前の年間収支:+25,450,000円 (利益率:16.63%)
2年目の年間収支:+44,802,400円(利益率:29.28%)
⇒ 増収額:+13,092,400円(利益率の改善効果:+12.65%

数字が非常に多くて分かりにくいかと思いますので、グラフにまとめました。

定性的に得られる導入効果もある?

さて、長々と費用対効果の計算内容を紹介しましたが、実は費用面以外にも定性的な導入効果があります。それはずばり「時間の有効活用」です。というのもフロントではチェックイン・鍵の受け渡しの作業が発生します。ゲスト1組に対して発生する時間は数分かもしれませんが、客室の稼働率が高くなればなるほど、フロントでの対応時間も増えてしまいます。

繰り返しのご紹介ですが、RemoteLOCK+セルフチェックインシステムの導入であれば、対面でのチェックインの支援や鍵の受け渡し作業が発生しません。そのため、浮いた時間を使って、ホテルのマーケティング系の業務であったり、ゲストのおもてなしにより多くの時間を割くことができます。

宿泊ゲストにとっては、スマートロックを使った宿泊体験そのものにも価値を感じていただける方もおりますので、費用面だけでなく、提供サービスを充実化させるためにも、検討してみてはいかがでしょうか。

【まとめ】スマートロックとセルフチェックインシステムで、フロント業務を省人化!

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いかがでしたでしょうか。小難しい説明が多くて恐縮ですが、RemoteLOCKとセルフチェックインシステムによる、フロント業務にかかる人件費の削減効果をまとめました。実際にフロントを省人化・無人化しているホテル事例もどんどん増えてきていますので、興味を持った方はぜひ宿泊して体験してみるのはいかがでしょうか。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

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