非対面需要が拡大中!ドミトリーの無人運営に必要なこと
近年注目が高まっている無人型ビジネス。コロナ禍で急増した非対面のニーズに応え、ますます多くの業種に広がっています。今回は宿泊事業、特にドミトリータイプの施設で無人運営を検討される方向けに、必要な設備やシステムについて解説します。ゲストだけでなく運営上もメリットの多い無人運営、この機会に検討してみてはいかかでしょうか?
コロナ禍で広がる無人型ビジネス
新型コロナウイルス感染症の流行により、非接触・非対面を推奨する「新しい生活様式」が広まっています。これに伴い、置き配・無人レジ・テレワークブース・キャッシュレス決済による無人店舗といった感染症対策が取りやすい無人型ビジネスが急成長しています。
また宿泊業界では2018年の旅館業法改正により、条件を満たせば無人営業の許認可取得が可能になりました。IT技術を活用することで、サービス業界が慢性的に抱える人手不足や施設運用の効率化といった課題の解決が見込まれ、実例も増えてきました。
消費者ニーズ・サービス産業の働き方改革と合致した無人型ビジネスは、今後宿泊事業でも拡大が進んでいくことが予測されます。ドミトリーにおける許認可のポイントや管理ツールを確認する前に、まず改めてメリットデメリットをおさらいしていきましょう。
ドミトリーの無人運営、そのメリット/デメリット
ドミトリーのメリット・デメリット(ゲスト)
・感染リスクが少ない
・チェックイン・チェックアウトがスムーズ
・決済が簡単
・電子錠であれば門限を気にしなくていい
デメリット
・トラブル時の対応、セキュリティ面に不安が残る
ドミトリーの場合、素泊まりで自由に時間を使いたいゲストのニーズと無人運営は非常に相性がよさそうです。コロナ禍でも利用してくださるゲストには、少しでも安心していただきたいですね。
ドミトリーのメリット・デメリット(運営)
・人件費削減
・従業員の感染リスク低減
・ヒューマンエラーを減らせる
・口コミで評価アップ、積極的に選ばれる
デメリット
・初期投資・リース料金がかかる
・イレギュラーなトラブルへの対応が必要
最大のメリットは何といってもコスト削減です。人頼みだったオペレーションを自動化することで、より正確に短時間で宿泊者情報を管理することができます。また非対面で宿泊できることがアピールポイントとなり、ウィズコロナ時代に積極的に選ばれるドミトリーとなります。
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ドミトリーは無人運営できる?クリアすべき4つのポイント
ドミトリーを含む簡易宿所営業の無人運営は、「旅館業法施行令」を根拠とし、厚生労働省が定める基準「旅館業法施行規則」を満たす場合に認められています。当該箇所の文言は以下の通りです。
旅館業法施行令
- 旅館業法施行令(施行日: 平成三十年六月十五日)
第一条一項 二 - 宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他当該者の確認を適切に行うための設備として厚生労働省令で定める基準に適合するものを有すること。
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旅館業法施行規則(施行日: 平成三十年六月十五日)第四条の三
旅館業法施行令(昭和三十二年政令第百五十二号。以下「令」という。)第一条第一項第二号の基準は、次の各号のいずれにも該当することとする。
一 事故が発生したときその他の緊急時における迅速な対応を可能とする設備を備えていること。
二 宿泊者名簿の正確な記載、宿泊者との間の客室の鍵の適切な受渡し及び宿泊者以外の出入りの状況の確認を可能とする設備を備えていること。
旅館業法の規制に加えて、各自治体が独自に条例を設けていることもあります。そもそも玄関帳場(フロント)の設置を義務付けているなど、法令より厳しい規制の場合があり注意が必要です。無人運営の許可申請前に、必ず自治体の保健所窓口に相談しましょう。
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ドミトリーの無人/省人運営に必要なことは?
さて、以上のデメリットを解消し、法令・条例に則った運営には何が必要でしょうか?
ここからは設備・サービス・システムを一挙ご紹介します。
セルフチェックイン用タブレット端末
セルフチェックイン用タブレット端末は、ゲスト自身でチェックイン手続きができるように、エントランスに端末を設置します。オンラインでの事前決済が基本ですが、現地決済も受け付けるならば精算機能も必要です。導入するシステムについては後ほど詳しく説明します。
旅館業法のポイントのうち、②宿泊者名簿の取得、③出入りの状況の確認 をクリアし、非対面で感染症対策をとることができます。
スマートロック
ドミトリーは他人同士のゲストが一つの部屋を共有するため、鍵の管理が悩みの種です。ゲストの出入りの状況確認し、かつ確実に鍵の受け渡しを行うには、出入記録が取れるスマートロックを設置するといいでしょう。紛失や不正利用のリスクを防ぐだけでなく、予約管理と紐づけることも可能です。
旅館業法のポイントのうち、③出入りの状況の確認、④鍵の適切な受け渡しをクリアし、セキュリティー面での不安を解消できます。
清掃
無人とはいえ清掃は必須です。またコロナ禍で消費者意識が変化し、客室の清潔さ・感染症対策を重視するゲストが増えています。清掃担当スタッフを置くのが難しい場合、清掃業者に外注するという方法があります。スマートロックを活用することで、運営スタッフが駐在しなくても清掃業者の ③出入りの状況の確認をクリアすることができます。
電話対応
「部屋の仕様を知りたい」「場所が分からない」「設備にトラブルがある」など、時間帯・言語を問わず電話で問い合わせるゲストもいるでしょう。この場合も即時に対応できるスタッフがいなければ、運営代行会社に外注することができます。①緊急時の迅速な対応 をクリアし、ゲストの不安を解消できるようにしましょう。
セルフチェックインシステム
無人運営に不可欠なのがセルフチェックインシステムです。旅館業法遵守に必要な宿泊者情報の取得、ビデオチャットによる本人確認機能だけでなく、事前チェックイン機能やスマートロックの案内があると親切です。②宿泊者名簿の取得、③出入りの状況の確認 をクリアし、ゲストがスムーズに宿泊できるシステムを整えましょう。
最近は専用の端末がいらない低コストで導入できるサービスが充実しています。中小規模のドミトリーに導入しやすい、おすすめのシステムは以下の通りです。
おすすめセルフチェックインシステム
PMSとのシステム連携
無人運営に限らず、宿泊施設の運営に用いられるツールにPMS(ホテル管理システム)があります。ゲストの部屋割りや、清掃・空室の管理、売上や顧客管理、その他経営管理など宿泊事業の様々な情報を集約するもので、機能や価格もさまざまです。
セルフチェックインシステムを導入する際、ドミトリーと相性のいいPMSと連携することで、フロント業務の負担をより軽減することが可能です。すでにPMSを利用している場合は、相性の良いチェックインシステムを導入するといいでしょう。②宿泊者名簿の取得、④鍵の適切な受け渡し をクリアし、人件費を抑えた効率的な運営ができます。
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【まとめ】無人/省人化で効率的なドミトリー運営を!
いかがでしたでしょうか。既に非接触・非対面のニーズが増えているコロナ禍で、出会いや交流が魅力のドミトリーのあり方も大きな転換期を迎えています。一方でオンラインでのコミュニケーションが多くなるほど、リアルでの体験の価値が上がっていくのもまた事実です。
ゲスト同士の賑やかな交流の場が戻るまで、もうしばらくの我慢です。今できる感染症対策とコストを抑えた効率的な無人運営で、アフターコロナを見据えた仕組みづくりに取り組んでみてはいかかでしょうか。RemoteLOCKでは宿泊事業に関わる事業者向けのサービス紹介・事例の紹介資料をご用意しております。下記のバナーより、ぜひダウンロードをお願いいたします。