非接触&非日常で人気のグランピング施設とは?
グランピングの人気が高まっています。そもそもグランピングとは何を指すのでしょうか?その施設にはどのような特徴があるのでしょうか? そして、今なぜ人気なのでしょうか?今回はグランピングに関する基礎知識を包括的にまとめていきます。
グランピング人気の背景
近年、テレビや雑誌などですっかりおなじみになった感のある「グランピング」。これは、英語で「魅力的な、優雅な」などを意味する「グラマラス(Glamorous)」と「キャンピング(Camping)」を組み合わせた造語で、直訳すれば「魅力的なキャンプ」という意味になります。今ではアウトドア愛好者だけでなく、一般の人々の間でも、「男女を問わず新しい旅行の形として大人気となっています。
グランピングとは
- ドーム型のグランピング用テント
キャンプとグランピングの一番の違いは、テントを持って行く必要がないこと、そして食事の準備から片付けにいたるまで、基本的には施設側がすべて対応してくれるということです。もちろん食材を持ち込んで自分たちでBBQなど自炊をすることもできますが、豪華な食事がついたプランを用意してくれる施設も少なくありません。もう一つの違いは、宿泊施設の豪華さと快適さにあります。大きなテントにホテルのようなベッドが用意されていたり、お風呂やトイレが完備されていたりするのはもちろん、天然温泉やプールを備えた施設もあり、リゾート感覚でアウトドアが楽しめます。
- グランピング用テント内部のイメージ
施設にも様々なタイプがありますが、大まかにいうと、アウトドアでありながらホテルのような心地よい空間で寝泊まりできるという快適さがキャンプとは大きく異なるところです。快適な環境で気軽にアウトドアライフを楽しみたいという現代人の願望にかなった宿泊形態であるといえます。
人気の背景
グランピングは、2000年代前半に英国で発祥したといわれています。その後、欧米をはじめ世界各地で非常に人気となりました。日本では2010年頃から急速に浸透し、現在ではグランピングブームともいえる活況を呈しています。
グランピングが人気を博している背景としては、キャンプに関する知識や経験を必要とせず、また、テントを設営したり食材を調達する手間ひまも不要で、気軽に、しかもシャワーやトイレ、空調も完備されている優雅な環境の中で非日常的な体験ができるという点でしょう。また、一部の豪雪地帯を除けば、通常のキャンプではハードルの高い冬期でも快適なアウトドア体験が可能で、四季を通じて自然に親しむことができる点も魅力です。
さらに、コロナ禍を経た今、ホテルなど通常の宿泊施設に比べて、自然の中のより開放的な空間で、人との接触を気にせず、自分たちだけで過ごすことができる点も、グランピングが支持されている大きな理由だと考えられます。
成長するグランピング市場
一般社団法人日本グランピング協会のレポート(2020年12月)によれば、全国には大小あわせて約350件のグランピング施設が存在するとされており、国内のグランピング業界の市場規模は600億円~800億円と推計されています。一方、日本経済新聞によれば、コロナの影響に大幅に縮小した昨年でもホテル・旅館を主体とする宿泊業全体の市場規模は1兆5320億円(前年比49.3%減)となっており、その中でグランピング施設の占める割合は4~5%にとどまっていることがわかります。また、施設の数から見ても、国内の宿泊施設総数は約5.4万件との統計があり、グランピング施設はまだまだ極めて少数派です。
- グループ客に人気が高いのもグランピングの特徴
現在宿泊業界では、グランピングに対する需要はリゾートホテルや旅館と競合するとの見方が一般的となっており、そのような意味で、グランピングの成長余地は相当に大きいとみることができます。また、グランピングの人気が高まっているといっても、まだ充分に周知がいきわたっているとはいえず、これからさらに認知が進むことは間違いないでしょう。コロナ禍をきっかけにアウトドア志向が強まったことも追い風となっています。前述した日本グランピング協会では、市場規模は遠からず2000億円~3000億円まで成長すると見込んでいます。
このような背景から、グランピング業界へは、宿泊事業者を中心に、不動産事業者やBtoB事業を本業とする事業者などからの新規参入が相次いでいます。また、これに呼応するように投資家やファンドの資金もグランピング施設への投資に向かいつつあります。
タイプ別にみるグランピング施設
ひと口にグランピング施設といっても、実際には様々なスタイルの施設が存在しています。ここでは、タイプ別に施設の特徴を見ていきたいと思います。
テント型のグランピング施設
一般に個人がキャンプで使用するテントと異なり、グランピングのテントはサイズも大きく、造作も頑丈で、ベッドや冷暖房を完備してより快適な滞在ができるような工夫が施されています。グランピングといえばテント型の施設をイメージする方も多いはずです。
テント型の施設のメリットとしては、草木の香り、鳥や虫の鳴き声、水の流れや波の音、満点の星空や差し込む朝日など、自然を五感で感じることができる点です。使用されるテントは、個人で設営するテントに近い形状のものから、モンゴルの移動式住宅パオを模したもの、またテント内に各種設備を配置しやすいドーム型などがあり、バラエティに富んでいます。ユニークなところでは、宙に浮いた空中テント型などもあります。
コテージ型のグランピング施設
- 出典 :
- 茨城県笠間市「エトワ笠間」公式サイト
コテージ型は、独立した戸建ての建物を貸し切るスタイルの施設です。このタイプのメリットは、規模にもよりますが、ベッドや布団などの寝具、冷暖房などの空調設備に加えてキッチン、シャワーやトイレなどの水廻りが整っていることです。また、複数の部屋を備えている場合が多く、グループでの滞在に適しています。まるでホテルで過ごしているような快適さですが、一方、部屋にいながら自然を感じられるよう設計に工夫を凝らした施設も増えてきています。
トレーラーハウス型
トレーラーハウスとは、自動車で牽引するタイプのキャンピングカーのことで、特にアメリカでは、一般の人々の間でも古くから普及しています。エンジンや運転席がなく、キッチン、ベッドルーム、リビングルーム、トイレ、シャワールームなどの設備が整っていて、室内は快適な居住空間となっています。最近、このトレーラーハウスを採用するグランピング施設が増えてきました。外観、内観ともアメリカ風のおしゃれな雰囲気を持っており、インスタ映えすると若者や女性を中心に人気を呼んでいます。
以上、主な3つのタイプの施設を見てきましたが、複数のタイプがラインアップされていて、好みのものを選ぶことのできる施設も少なくありません。また、最近ではグランピング人気を背景に、この分類に当てはまらない個性的な施設も次々と登場しています。これからのグランピング業界のさらなる進化に期待したいものです。
*テント型とトレーラーハウス型の2タイプの宿泊設備が揃った吹上浜フィールドホテルでは弊社のスマートロックシステム「RemoteLOCK(リモートロック)」を採用いただいています。
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【まとめ】非接触&非日常で人気のグランピング施設とは?
今回は注目のグランピング施設について紹介しました。このグランピング業界には新規参入が相次いでいるとのことですが、その一方で、新しい業態であるだけに、運営に関する悩みを抱える事業者の方々も少なくないようです。次回以降、グランピング事業者の皆さま、グランピング事業にご関心をお持ちの皆さまに向けて、施設の効率的運営に関するヒントについて触れていきたいと思います。引き続き本ブログにご注目いただければ幸いです。
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