セルフチェックインシステム導入後の鍵の受け渡し方法!4つのパターンを解説
セルフチェックインを導入するホテルが急増しています。オンラインでの本人確認や台帳の取得などフロント業務の効率化はもちろん、ホテル運営のコストダウンを図れるなどの様々なメリットがありますが、最近では特に「非対面・非接触」でのチェックインが可能になることから、感染症対策としても注目を集めています。とはいえ、気になるのが「鍵の受け渡し」事情。セルフチェックイン導入後の鍵の受け渡し方法について、4つのパターンをご紹介します。
宿泊施設におけるセルフチェックインとは?
セルフチェックインシステムは、単にフロント業務を軽減するものではありません。予約から到着時の本人確認や決済、部屋や鍵の案内、そしてチェックアウトまでホテル業務をトータルにサポートするシステムです。感染症対策の一環として脚光を浴びている「非対面・非接触」接客も、フロント業務の効率化を促し、人件費削減やホテル全体のコスト削減にも貢献します。これは、多くの宿泊事業者が抱える「人材不足」の問題解決にもつながるでしょう。
さらに、多くのシステムでは複数の言語にも対応していることから、アフターコロナで大幅回復するであろうインバウンド対策としても期待されています。
セルフチェックインはゲストにとっての利便性も高める
現地のタブレット端末や宿泊者自身のスマホ端末を使ったセルフチェックインは、ゲスト側にとっても、通常だと待ち時間の多いチェックインやチェックアウトの時間を大幅に短縮し、スムーズな手続きを可能にします。さらに、スタッフとの接触が少ないことで、コロナ禍では安心・安全なホテルという印象を持ってもらえる仕組みなのです。
セルフチェックインシステムは他にも呼び名がある?
では、このように利便性の高いセルフチェックインを導入したとして、肝心の「客室の鍵の受け渡し」はどうするべきなのでしょうか。実際にセルフチェックインを導入しているホテルの受け渡し方法をご紹介していきましょう。
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セルフチェックインシステムを導入時の鍵の受け渡し方法
上記のように、セルフチェックインシステムは、予約からチャックイン、チェックアウトまでをオンライン上で行うことで、フロントの無人化を可能にしたり、スタッフの負担を軽減できるシステムですが、「鍵の受け渡し」は別途、考える必要があります。
実際に運用しているホテルの代表的な方法をメリット・デメリットともに紹介します。
方法①物理キーを対面で受け渡し
客室の鍵の受け渡しの1つ目の方法は、セルフチェックインシステムを利用しながらも、鍵の受け渡しは従来どおりフロントスタッフが行う方法です。こちらが最もスタンダードな方法ですが、鍵の紛失や持ち帰りといったトラブルが発生するほか、受け渡しの手間を削減できないため、何かしら効率化を図りたいところではあります。
- 物理キーを対面で受け渡すメリット
- ゲストとスタッフが対面なので、確実に鍵を受け渡せる
- どんなゲストに対しても、臨機応変に対応できる
- 物理キーを対面で受け渡す際に注意したい点
- 鍵を受け渡すスタッフが常駐していなければならず、人件費がかかる
- 指定の場所に受け取りに来てもらう場合はゲストにとっての利便性が低下する
- 物理キーの紛失や持ち帰りなどのリスクがある
方法②物理キーをキーボックスや郵便受けで受け渡し
続いて、民泊や戸建て施設の1棟貸しなど、1室やごく少数の客室を運用する場合に多い鍵の受け渡し方法として、ドア付近にキーボックスを設置してその中に物理鍵を保管し、ゲストに鍵を取り出してもらう方法もあります。キーボックスの場合は、セルフチェックイン後に、キーボックスの暗証番号をタブレット上に表示することでキーボックスの解錠方法をゲストに伝えます。
キーボックスの代わりに郵便受けがある場合は、郵便受けにダイヤル式の南京錠を設置して、同様に南京錠の暗証番号をタブレットに表示させるような方法もあります。
- 物理キーをキーボックスや郵便受けで受け渡すメリット
- 導入コストはキーボックスの購入費用のみ
- どんなゲストにとっても視覚的にわかりやすい
- 物理キーをキーボックスや郵便受けで受け渡す際に注意したい点
- キーボックスを設置しておく(かけておく)ため場所に困ることがある
- 暗証番号の使いまわすと、宿泊期間外に悪用して不正侵入されてしまうリスクがある
- 物理キーの返却忘れや、持ち帰りのリスクがある
- 物理キーを複製される危険性がある
方法③物理キーの無人受け渡しサービスで受け渡し
無人受け渡しサービスというものもあります。Keycafe は、専用ボックスを活用して物理キーの無人受け渡しを可能にするサービスです。専用のボックスはフロントやロビーに設置して、ゲストはボックス内の各キャビネットから物理キーの取り出しを行います。
Keycafeと連動可能なセルフチェックインシステムを同時に使うことにより、鍵の取り出しを行うためのコードは、タブレット上に自動で表示されるため、ゲストはそのコードを使って部屋の鍵を取り出すことができます。有料サービスだけあって鍵を安全に保管することができますが、利用者がカギを取り出した後は、紛失や複製などのトラブルが発生する可能性は当然残っています。
- 物理キーの無人受け渡しサービスを利用するメリット
- 物理キーの無人かつ安全な管理が可能
- PMS連携により予約ごとに暗証番号が発行されるので、番号の使いまわしによる不正利用の心配がない
- 鍵の受け取り・返却をリアルタイムに把握できる
- 既存の物理キーがそのまま使える
- 物理キーの無人受け渡しサービスを利用する際に注意したい点
- 物理キーの返却忘れ、持ち帰りのなどのリスクがある
- 物理キー複製は防止できない
- ボックスを設置するためのスペースが必要
方法④スマートロックの暗証番号を画面に表示
最後に、宿泊施設向けのセルフチェックインシステムと親和性が高く、効率的な鍵の受け渡しができる代表的なIoTツールとして、「スマートロックの導入」があげられます。スマートロックとは、専用機器(電子錠もしくは、既存錠前を動かす機器)をドアに設置してWi-Fi接続することでオンライン上で鍵管理ができるシステムです。
セルフチェックイン後、チェックインタブレットやゲストのスマホ上に入室用の暗証番号(セルフチェックインシステムとの連携により、予約ごとに異なるオリジナルの暗証番号を自動発行)が表示されるので、ゲストは物理的な鍵の受け取りが不要で、そのまま部屋に直行することが可能になります。
テンキータイプのスマートロック『RemoteLOCK(リモートロック)』なら、ドアに設置されたキーパッドに暗証番号を打ち込むだけなので、ゲストは直感的な操作だけで迷うことなく客室の解錠ができます。しかも、物理キーのように鍵の持ち歩きの煩わしさや、紛失の恐れもないので、ホテルとゲスト側、双方にとって身軽で利便性の高い方法といえるでしょう。
- スマートロックの暗証番号を画面に表示するメリット
- 物理キーの受け渡しがないことで返却忘れや紛失が発生しない
- ゲストは鍵を持ち歩かずに済むことでホテル利用の利便性が高まる
- 予約ごとに暗証番号が自動採番されることで番号の使いまわしによる不正利用の心配がない
- ゲスト、スタッフ、清掃者など出入りがあるすべての人の入室権限をオンラインで管理できる
- スマートロックの暗証番号を画面に表示するする際に注意したい点
- ドアごとにスマートロックの購入と設置工事が必要
- 取り付けられないドアがある
- 電源工事を行わずに設置する場合は電池交換が必要
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【まとめ】セルフチェックインシステム導入後の鍵の受け渡し方法!4つのパターンを解説
セルフチェックインシステムを導入すれば、フロント業務はかなり軽減されますが、物理的なキーの受け渡しをスタッフが行っていると、人件費やスタッフの確保などの問題は解消できずに、セルフチェックインシステムのメリットをあまり感じられないかもしれません。
そこで、セルフチェックインシステムと連動可能な鍵の管理ボックスを用いることで、物理キーはそのままに無人で鍵の受け渡しができます。さらに、鍵自体をスマートロックにするという方法なら、キーレスでの施設運営を実現でき、物理キーにありがちな鍵の紛失リスクの回避や、鍵の持ち歩きが不要なことでゲストにとっての利便性の向上なども期待できるでしょう。
宿泊客が大幅に回復するであろうアフターコロナに向けて、セルフチェックインシステムの導入や、その際の鍵の受け渡し方法について、参考にしていただけましたら幸いです。なお、RemoteLOCKは、ホテルや民泊等の宿泊事業に関わる方向けにサービスの紹介資料をご用意しております。下記のバナーからぜひ資料のダウンロードをお願いします。