ホテルの自動精算機とスマートロックの連動とは。仕組みとメリット
近年、自動精算機を導入するホテルが増加しています。スタッフによる現金の管理がなくなることで、多くのメリットがありますが、 RemoteLOCKなどのスマートロックシステムと連動することで、物理的な鍵の受け渡しがなくなり、フロントの省人化や無人化さえ実現します。今回は、自動精算機とスマートロックの連動によるメリットや仕組みについてご紹介します。
ホテルに自動精算機を導入するメリット
最近、多くの業種で自動精算機が急速に普及しています。
スーパーや小売業、クリニックなどでは「セルフレジ」として一般化していますが、ホテル業界にもその波は押し寄せてきています。自動精算機は、カプセルホテルやビジネスホテル等では以前より使われていましたが、コロナ禍以降、支払いが「非接触」で行えることから、多くのホテルで導入が進むようになりました。
ホテルにおいて自動精算機を活用することは、さまざまなメリットがあります。
ホテルに自動精算機を導入するメリット
- お釣りの間違いや計算ミスなどの金銭トラブルや不正を防げる
- 現金の盗難や紛失などのリスク回避になる
- 非接触で支払いができ、衛生的である
- 正確な精算業務が短時間で済むようになる
これらのメリットによりフロント業務を効率化し、より少ない人数でも接客できるようになります。さらに、他のシステムと連携することでさまざまな業務をカバーできることも、ホテル業界で自動精算機の導入が進む理由といえるでしょう。
自動精算機を導入した後の課題
ホテルに自動精算機を導入した後にもいくつかの課題は残ります。例えば、支払いに関する対応を自動精算機にお任せできたとしても、チェックインやチェックアウトは基本的にスタッフが行うことになり、フロント業務を省人化したり、効率化するためにはまだ検討できることがあります。
特に、客室の鍵の受け渡しはフロント業務の中でも特に重要であるとともに、鍵の紛失や盗難などのトラブルにもつながりやすい業務です。ひとたび鍵の紛失などが発生すると、ゲストへのヒアリングや捜索、再発行手続き、さらにはドアのキーシリンダーの交換対応など、多くのスタッフの手間と業務時間が取られることになります。
自動精算機の種類の中には、カードキーを自動発行できるシステムもありますが、それでもカードの紛失や再発行などのトラブルは付きもので、そのたびにスタッフが対処することになります。
それらを一気に解決するのがスマートロックと連動できる自動精算機を導入することです。
自動精算機とスマートロックの連動とは?
スマートロックは電子キーとも呼ばれ、物理的な鍵の代わりに、「パスワード(暗証番号)」または「スマートフォン(アプリやWEBブラウザ)」などで鍵の開閉を行うシステムです。
パスワードさえあれば客室のドアを開けることができるので、ゲストはフロントで鍵を受け取る必要がありません。
自動精算機の一部の機種では、このパスワードを自動発行することが可能です。これにより、物理的な鍵の受け渡しが一切なくなるので、フロントの省人化が一気に進みます。
さらに、ホテル予約システムやサイトコントローラー、セルフチェックインシステムなど、いくつかのシステムと連携することで、予約受付や顧客管理、精算業務、客室や清掃状況の管理や売上日報までを自動化することができ、大幅な人的コストの削減や非対面運営も可能になります。
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セルフチェックインシステムだけでは無人化はできない?
ここ数年で、タブレット端末を活用したセルフチェックインシステムを導入する宿泊施設が増加しています。カメラ機能を使った本人確認やパスポートの撮影などができ、スタッフがいなくても非対面・非接触でチェックイン・チェックアウトが可能になります。
しかし、セルフチェックインシステムには基本的に現金での精算機能がないため、現地精算を行う場合は、精算機(もしくは精算機能を持ったセルフチェックインシステム)がないと無人化は不可能です。スマートロックと連携可能な自動精算機と組み合わせることで、フロントの完全な非対面化や無人運営が実現できるのです。
自動精算機をスマートロックと連動させるメリット
スマートロックで使われるパスワードは有効期限付きで、チェックアウトした後は破棄されるため、同じ番号の使いまわしがなく不正侵入などのリスクもありません。また、ゲストがパスワードを忘れてしまった場合も、すぐに新しい番号を発行して電話やメールで伝えることができるので、手間や時間がかからず迅速に対応できるでしょう。
また、ゲストにとっても、待ち時間の少ないスムーズなチェックインが可能になる上、鍵の持ち歩きがないことで利便性がぐんと高まるでしょう。結果、便利で使いやすいホテルとして競合との差別化を図ることもできるでしょう。
自動精算機で客室のパスワード(暗証番号)を通知する方法
スマートロックのパスワードをゲストに通知する方法として、スタッフがパソコンやモバイル上で確認してゲストに伝える方法もあります。
しかし、スマートロックと連携できる自動精算機なら、簡単にパスワード(暗証番号)の発行を行うことができます。さらに他のシステムと組み合わせることで、ゲストの情報を予約からチェックイン、チェックアウト、精算まで、クラウド上で一元的に管理することも可能になります。
ホテルでの利用イメージ
- ゲストが予約サイトを使って宿泊予約を入れる
- 宿泊当日、ゲストはフロントにある自動精算機端末でセルフチェックイン
- チェックイン完了後、端末のモニター上に部屋番号と有効期限付きのパスワード(暗証番号)が表示(機種によってはレシートに印字されて出力されます)
- ゲストは表示された暗証番号を、客室のドアに取り付けられているスマートロック端末に入力することで、入室できるようになります
RemoteLOCKと連携できるシステム・自動精算機
当社が展開するスマートロック「RemoteLOCK(リモートロック)」は、各種ホテル向けシステムと連動することで、物理的な鍵の受け渡しをなくし、フロントの作業効率化や省人化を推し進めます。自動精算機を使ってRemoteLOCKのパスワードを発行することが可能なシステムなどをご紹介しましょう。
RemoteLOCK(リモートロック)の特徴
- 予約者ごとに異なる暗証番号を発行可能
- 予約期間外は入室不可に!期間外の不正入室の心配はなし
- PMSやセルフチェックインとの連動で番号を自動発行
アルメックス社の自動精算機「KIOSK」
ホテル向け自動精算機やホテル管理システムなどでトップシェアを誇るアルメックス社が提供している宿泊管理システム(PMS)の「innto」は低価格でありながら「フロント業務」「客室管理」「予約管理」「顧客管理」「帳票/レポート」などPMSの主だった機能が装備されています。
このinntoとRemoteLOCKはシステム連携できるため、inntoを導入すれば、予約に合わせた暗証番号が自動で発行できます。同時にアルメックス社の自動精算機(セルフチェックイン機)の「KIOSK」を導入すれば、inntoとKIOSKが連携できるため、KIOSK上でパスワード(暗証番号)の出力ができます。
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POSSIBLE社の自動精算機「RONT」
パスポート撮影などの電子宿帳機能を備えた多機能精算機である「RONT(ロント)」は、フロント業務の自動化を促進することに特化しており、ホテルの省人化オペレーションを強力に支援します。
RemoteLOCKと直接連携することも可能で、連携をするとRONTを使ってセルフチェックインをした際に、レシートに客室のドアを開けるためのパスワード(暗証番号)が印字されます。
システムギア社の自動精算機
ナバック社が出しているオンプレミス型PMS「フロント ゲートウェイ」ならびにクラウド型PMS「ビズサイト・ナフェイス CLOUD」は、どちらもRemoteLOCKと連携することが可能なホテル管理システムです。
「フロント ゲートウェイ」「ビズサイト・ナフェイス CLOUD」は、システムギア社の自動精算機とシステム連動できるため、PMSは「フロント ゲートウェイ」もしくは「ビズサイト・ナフェイス CLOUD」、自動精算機はシステムギア社の自動精算機、鍵はRemoteLOCKという組み合わせであれば、暗証番号の自動発行と精算機からの出力が可能になります。
【まとめ】自動精算機とスマートロックの連動とは?
ホテルに自動精算機を導入することで、現金の取り扱いを減らしフロントの業務を効率化できます。しかし、物理的な鍵の受け渡しがある以上、フロントの省人化はさほど実現しないでしょう。そこで、自動精算機とRemoteLOCKを連動させたり、セルフチェックインシステムなどを導入することで、フロント業務の多くを機械化(自動化)することが可能になります。
アフターコロナを見据え、観光客やビジネス利用、インバウンド需要などの回復が予想される今こそ、業務の効率化や人的コストの削減、さらに人手不足の解消にもなるシステムの導入を考えてみてはいかがでしょうか。参考にしていただけましたら幸いです。
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