公開日2024.01.24
シェアハウスの減らない鍵トラブル。スマートロック「RemoteLOCK」でどう解決できる?
堅実な成長が続いているシェアハウス市場ですが、シェアハウスを経営するうえで起こりがちなトラブルに「鍵の問題」があります。今回は、シェアハウス市場の現状とこれからの展望について解説するとともに、弊社のRemoteLOCKで実現する安全かつ効率的なシェアハウス経営について、最新の事例をまじえてご紹介します。
堅実な成長の続くシェアハウス市場
シェアハウスとは、自分の部屋とは別に、共同利用できる玄関、キッチン、ラウンジ、バス、トイレなどの共有スペースを持った共同住宅のことを指します。通常の賃貸住宅に比べ、初期費用や月々の家賃を抑えて比較的低価格で住めるところが大きな魅力のひとつです。また、共同住宅ならではの交流を楽しむこともできることから、新しい賃貸住宅の形態として、日本人だけでなく、外国人の間でも人気を集めています。
シェアハウスの現状
一般社団法人日本シェアハウス連盟の調査によれば、2023年度の全国のシェアハウス物件数は5,808棟で、2022年度から201棟の増加となっています。また、1棟あたりの全国平均ベッド数は10.5床と、小~中規模の物件が多くを占めています。シェアハウスの物件数は、2013年の調査開始時から増加を続けており、2014年には約300棟に過ぎませんでしたが、2018年には約3,000棟、2019年には約4,800棟と、着実な増加傾向にあります。
一方、少し前になりますが、国土交通省が2015年に実施したシェアハウス事業者に対するヒアリング調告では、入居者の年齢層は25 歳以上35 歳未満が全体の 7 割強を占めており、男女比では女性の比率が多いとする物件が 7 割弱を占めていることがわかります。入居者の国籍に関する調査では、日本人のみとする事業者が31%となっていますが、同時に、アメリカ、台湾、韓国、中国など外国人の需要が大きいことも分かります。また、物件の所在地を地域別にみると東京都が全体の6割強、これに埼玉・千葉・神奈川、近畿、中部を加えた大都市圏がそのほとんどを占めている状況です。
国土交通省の別の調査では、シェアハウスの居住期間は「1~2年」32.1%、「6カ月~1年」22.1%、「2~6カ月」16.1%という結果になっています。2年未満の人が約80%、1年未満が約45%となっており、一般的な賃貸住宅と比較して短期での居住が多いことが特徴長です。
シェアハウスの契約形態は物件によりさまざまですが、3ヵ月以上1年未満としているケースが一般的なようです。物件によっては、1ヶ月の短期で入居が可能な場合、逆に2年以上の契約が可能な場合もあります。住人のライフスタイルや都合に合わせた柔軟な契約もシェアハウスの特徴の一つであるといえます。
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シェアハウスの魅力とは?
本章の冒頭でも書きましたように、シェアハウスは玄関、キッチン、ラウンジ、バス、トイレなどの設備を共有化することにより、リーズナブルな費用で、気軽に入居でき、すぐに生活を始められる、というメリットがあります。学生を含め、資金的な余裕のない、地方から都会に出てくる若者の間では根強い人気があります。
シェアハウスは異なるバックグラウンドを持つ人々が交流し、異なる価値観を共有する場としての側面も重要です。これは、新しい友人を作り、異なる文化や経験を共有する場として、特に都会での孤立感やストレスの軽減に寄与しています。このような共同生活の魅力は、需要を支える重要な要素となります。
前述の国土交通省のデータでも利用者の女性比率が高いことが示されていましたが、実際、女性専用のシェアハウスも多く存在しており、都会でのひとり暮らしやストーカーの被害などを心配する若い女性にとっても魅力ある選択肢の一つとなっています。
また、賃貸マンションやアパートなどと比較して、契約がシンプル、保証人が不要であるなど、短期滞在の外国人にも利用しやすい条件が整っています。実際、日本に来る外国人がシェアハウスの主要顧客層になっていることはさまざまなデータが示しています。この特徴を活かして、逆に日本人に向けて、外国人と国際交流が体験できることをセールスポイントにしているシェアハウスも少なくありません。
シェアハウス市場の今後
コロナ禍がいちおうの収束をみせ、外国人を含めた人々の往来が活発化している現在、シェアハウスの需要はさらに拡大している状況にあります。この点について、もう少し詳しく解説します。
① コロナ禍の収束
コロナ禍が収束するにつれ、人々の意識の中では人との接触への抵抗感が薄れつつあります。また、観光だけでなく、留学や就労を目的とした外国人の来日が急増しています。そのような流れの中で、人との交流ができ、外国人にも利用しやすいシェアハウスに対する需要は、今後もますます高まるでしょう。
② 人々の意識の変化
一方、コロナ禍を通じて、日本人の働き方や暮らし方に対する意識に変化が生じているといわれています。このことも、シェアハウスで暮らすというという新しい選択肢への関心が高まる一因となっていると考えられます。
③ 都市部への人口流入
コロナ禍によるリモートワークの普及で、一時期、都市部から地方への移住が進むという現象がみられましたが、結局大きなトレンドとはなっていないようです。昨年日経新聞が報じたところによると、地方から都会へ、特に東京へ、という流れが再加速しているといいます。東京都のデータでは、このような傾向は少なくとも2030年まで続くと予測されており、全国の人口減少が続く中、当面の間、東京への一極集中が進むと考えられます。したがって、都市部におけるシェアハウスへの需要は拡大を続けると考えてよいでしょう。
④ 規制緩和
2019年6月の建築基準法の改正により、200㎡未満の建物については用途変更の建築確認申請が不要となるなど、戸建て住宅をシェアハウスに転用する際の規制が緩和されました。また、自治体によっては、空き家対策の観点から、シェアハウスへの転用に補助金を支給するなどの施策を打ち出しているケースもみられます。
以上のことから、シェアハウスへの需要はますます高まると考えられますが、市場の成熟に伴い、今後は高機能で快適な共有スペースや専門的なサービスが提供されることが期待されます。最近の例では、仕事をするための共同オフィススペース、イベントやワークショップを開催するためのコミュニティスペースなどを取り入れられた事例があります。
ただし、シェアハウス市場には課題も存在します。例えば、住人同士のトラブルやコミュニケーションの課題、プライバシーの制約などが挙げられます。これらの問題に対処し、利用者にとって魅力的で快適な環境を提供することが求められるでしょう。
シェアハウスで発生しやすい鍵のトラブル
シェアハウスでは、住人が共同で使用するスペースや設備が多いため、鍵に関するトラブルが発生しやくなります。以下、具体的な例を取り上げながら、シェアハウスでよく見られる鍵のトラブルについて解説します。
鍵の紛失
シェアハウスに限りませんが、鍵のトラブルで最も起こりやすいのが鍵の紛失です。鍵を交換する費用が発生しますし、セキュリティに関わりますので迅速な対応が必要となります。玄関や共有スペースの鍵を紛失してしまった場合は特に重大な問題となります。他の住人の鍵も交換しなければならなくなるため、費用は高額なものとなりますし、管理者の即座の対応が求められます。
うっかりして鍵をどこかで失くしてしまうということは、慎重にしているつもりでも、誰にでも起こりうることだといえます。これは、物理鍵を使用している以上、避けられないリスクであると考えておいた方が良いでしょう。
鍵のかけ忘れ
ひとり暮らしの生活では外出する際は確実に鍵をかけていた人でも、シェアハウスでの共同生活では、他の人がいるという安心感から、近所のコンビニやゴミ出しのようなちょっとした外出では鍵をかけずに済ませてしまうという楽観的な人も少なくないでしょう。
また、外出の際に自分の個室には鍵をかけても、他の人がいるだろうと安易に考えてしまい、玄関の鍵をかけない、あるいはかけ忘れる、といったことも起こりがちです。鍵のかけ忘れは不正侵入や盗難の発生に直結するセキュリティ上の懸念事項です。これを防止するためには、管理者は常に住人とのコミュニケーションをはかり、注意喚起を徹底しておく必要があります。
鍵を複製される危険性
無断で鍵を複製される危険性があることもシェアハウスにおけるセキュリティ上のリスクです。合鍵はシンプルなタイプの鍵であれば、費用も安く簡単に作れてしまいます。悪意のある住人が、隙を見はからって他の住人の合鍵を作り、その住人の留守中に部屋に侵入するなどといったことが懸念されます。
シェアハウスの住人が退去する際、こっそりと鍵を複製し、鍵は返却したように見せかけつつ、合鍵を持ったまま退去することも考えられます。悪意のある人物であれば、退去後、頃あいを見はからって密かに部屋に侵入、盗みをはたらくなどの危険性が残ります。このトラブルを完全に防ぐには、住人が入れ替わるたびに鍵を交換する必要がありますし、個室とは別に玄関や共用スペースの鍵がある場合には、それらの鍵も全住人の人数分交換するといった大変な手間とコストをかける必要が生じます。
RemoteLOCKがシェアハウスに最適な理由
シェアハウスの鍵のトラブルを解消するためには、例えば、かけ忘れの問題であればオートロックを導入する、合鍵の問題であれば複製の困難なディンプルキーを採用する、などの方法も考えられますが、それでも部分的な解決にしかなりません。シェアハウスの鍵に関するあらゆる懸念を一発解消するのがスマートロックです。ここでは弊社の提供するスマートロックシステム、RemoteLOCKで実現するスマートなシェアハウス運営について解説します。
物理鍵が不要
RemoteLOCKは暗証番号を利用したスマートロックです。Wi-Fiを通じてインターネットにつながることで、クラウド上で暗証番号の変更、追加、削除が可能であるという点が大きな特長となっています。5i、7i、8jの3つの機種および8jの兄弟機種があり、施設の取り付け条件などによって選択できるようになっています。いずれのタイプもオートロック機能(5iは簡易オートロック)を備えており、シェアハウスにおける鍵のかけ忘れの心配も起こりません。
何よりも、物理鍵が不要となりますから、鍵を紛失したり、鍵と複製されたりという危険性も皆無です。したがって、RemoteLOCKを導入すれば、前章で見てきたようなシェアハウスでの鍵のトラブルや鍵に関わるセキュリティ上のリスクは100%回避することができます。
入居者が入れ替わっても鍵の取り換えが不要
さらに、RemoteLOCKがシェアハウスに適している理由として特に挙げておきたいのが、コスト面でのメリットです。前章で述べましたように、シェアハウスでは住人が入れ替わるたびに個室の鍵を交換する必要があります。玄関や共有スペースの鍵がある場合はそれらの鍵も全住人の人数分交換しなければ万全とはいえません。
シェアハウスは、2年未満の人が約80%、1年未満が約45%と、短期での入居が大きな特徴となっていますので、住人の入れ替わりの頻度は高く、そのたびに鍵を交換するためのコストは、きわめて大きなものとなります。その点、RemoteLOCKは暗証番号を変更するだけですべての鍵の交換が完了します。暗証番号はインターネットにつながったパソコンから簡単な操作で変更できますので、手間もかかりません。そのために追加の費用が掛かるということもありません。
また、スマートロックには、専用のスマホアプリを使って解錠するタイプのシステムがありますが、暗証番号を利用するRemoteLOCKの場合は、アプリをダウンロードしたり設定したりという必要もありませんので、住人側に負担をかけることもありません。
コクヨ株式会社様の導入事例にみるRemoteLOCKの入室管理
弊社のRemoteLOCKは、2023年9月、コクヨ株式会社が品川区戸越にオープンした生活実験型集合住宅 & 地域拠点「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI(ザ・キャンパス フラッツ トゴシ)」に採用いただきました。この施設は、同社の社員寮をリノベーションしてオープンした集合住宅で、全39戸の賃貸住宅と、8つのスタジオ、フードスタンドを併設した、いわば複合型進化系シェアハウスともいえる施設です。スタジオとフードスタンドは、入居者以外も利用可能な、街に開かれた施設となっており、同社が「豊かな生き方を創造する企業」として取り組む新しい事業の一つです。賃貸住宅への入居期間は最短3か月から、居室は5つのルームタイプに分かれています。
この「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI」には、39戸の賃貸住宅部分と共有スペースの一部に、計47台のRemoteLOCKが導入されています。同施設は、短期滞在も可能な賃貸住宅を軸に、住人だけでなく、地域のさまざまな人が利用する、料理教室を開催できるクッキングスタジオや、フィットネス(ヨガ・ダンス)やサロン仕様のスタジオなど、8つのスタジオ(レンタルスペース)、その他シャワールームやパウダールームなどの共有スペースから構成されているため、複雑かつ柔軟な入退室管理の体系を構築する必要がありました。そのような中、同社に選択いただいたのがRemoteLOCKです。
また同施設は、単身者だけではなく、パートナーと複数人で利用するシェア契約(最大4人まで)も受け付けていますが、この点でも、RemoteLOCKは鍵の受け渡し・合鍵の共有などの手間がかからないので便利であるとの高い評価をいただいています。
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【まとめ】RemoteLOCKで実現するスマートなシェアハウス運営
今回は、シェアハウス市場の現状、そこでありがちな鍵のトラブルとそれを解消するRemoteLOCKの利便性について解説しました。特に、コクヨ様のの事例では、賃貸住宅と複数のレンタルスペースが共存する進化形シェアハウスにおいて、RemoteLOCKの特徴が最大限に活かされている、ということがおわかりいただけましたでしょうか?本記事が、シェアハウス事業者の皆さま、これからシェアハウス経営を検討しておられる皆さまのご参考になれば幸いです。