コワーキングスペースの無人運営とは?
近年、コロナウィルスの影響で、店舗の無人運営が広がっており、その波はコワーキングスペースにも及んでいます。非対面・非接触での接客が可能になり感染症対策としても有効ですが、それ以上に店舗の運営コストの削減に大きく貢献します。通常のコワーキングスペースの運営コストを参考に、どのようなメリットやデメリットがあるのかを解説します。
コワーキングスペースとは
コワーキングスペースとは、起業家やフリーランス、テレワークなどの在宅勤務をしている人が利用できる、仕事をするための共有スペースを指します。コロナウィルスがきっかけで広まったテレワークという働き方は今後も拡大するとされ、同時にコワーキングスペースの需要はますます増加すると予想されています。
こういった、空間を貸し出すレンタルスペース事業は、遊休スペースや一時的に使用されない空間の有効活用法としても注目を集めています。物販などの店舗や宿泊業などと比べると、参入するためのリスクやコストも低く、比較的簡単に運営を開始することができます。
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コワーキングスペースの開業費用はどのくらいなの?
コワーキングスペースの開業費用は、他の商業店舗と比べると比較的安価で済みます。店舗の面積や内装をどの程度作りこむかにもよりますが、基本的に仕事ができるデスクや椅子、プリンター、Wi-Fi設備などがあれば、開業することは可能です。
とはいえ、他店との差別化を図るためにもいろいろと手を加えたくなるもの。もともとオフィスやカフェだった場合などは、さほど手を加える必要がないケースもありますが、開業にあたっての初期費用は規模や立地(賃料)、そして内装によっても大きく変わります。
一般的にコワーキングスペースの開業費用は100万円から1,000万円と言われています。
【参考】中規模店舗 初期費用の一例
自社保有のスペースを前提とし、コワーキングスペースを開業する場合の概算
内装工事費用:100万円
什器費用:100万円
Wi-Fi等の設備費用:20万円
防犯カメラ等のセキュリティ費用:10万円
広告宣伝費:50万円
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計:280万円
主な費用項目をざっと並べて見積もっても300万円程度は必要となることがわかります。当然、スペースの広さ、内装工事をどの程度施すか、什器や設備へのこだわりの程度によって、その額は抑えることも、さらに膨らむこともあるでしょう。
その他にも、初期コストはかかるものの、設置した方が施設の価値を高めたり、幅広いニーズを獲得し、結果的に収益に貢献する設備・サービスは次のようなものがあります。
個室テレワークブース
オンライン会議や配信、集中して仕事がしたい人向けの設備ですが、機密性が必要な士業や電話をしながらの仕事などをしている方の利用も見込め、広く集客することが可能になります。
ミーティングルーム・セミナールーム
会議や打ち合わせなどで、近隣の企業や組織からの利用も見込めます。定期的なセミナーやイベントが入ると、安定した収入にもなるでしょう。
セミナー・イベント開催
ターゲットを絞ったイベントなどを開催すると、今までコワーキングスペースを利用したことがなかった人が来店するきっかけとなります。また、積極的にイベントを地元紙やメディアに流すことで認知が高まり、コミュニティーも広がります。
コーディネーター(コミュニティーマネージャー)の設置
偶発的な異業種の出会いはコワーキングスペースの魅力の一つですが、仕事をしているお客様同士が自然に話すことは難しいもの。お客様の仕事をヒアリングし、関係ありそうなお客様とお客様のマッチングのサポートをするのがコーディネーターです。
信頼できるコーディネーターがいると、お客様の満足度もあがり、コワーキングスペースが活性化します。
ワーキングスペースのランニングコストはどのくらいなの?
コワーキングスペースはすぐに収益が上がるビジネスモデルではありません。地道に認知を広めながら新規顧客を開拓し、固定会員やリピーターを増やしていきます。つまり、安定した収益が上がるには、意外と時間がかかるのです。
そのため、毎月支払うランニングコストをいかに抑えるかが重要になります。コワーキングスペースのランニングコストには、人件費と運営経費、そして賃貸の場合は家賃も必要です。
【参考】コワーキングスペース(中規模)ランニングコストの一例
◆人件費:約30万円
営業時間10:00〜20:00・常時1人体制・時給1000円と想定
1000円×10時間×30日=30万円
◆運営経費:約10万円
通信費、水道・電気代、飲み物・コピー用紙などの消耗品等
(施設の規模やサービスの種類にもよる)
◆その他、システム使用料など:数万円
コワーキングスペースにおける人件費の割合は、ランニングコストのかなりの部分を占めています。店舗のクオリティを保つためにも運営経費は下げることはできません。2人体制であったり、最近では夜間の営業を始める店舗も増えていますが、それにつれて人件費もアップし、利益を圧迫する場合もあります。
そこで注目を集めているのが、コワーキングスペースの「無人店舗」です。
収益性を高めるために広がりつつある「無人店舗」という形態
無人店舗とは、店内にスタッフがいない店舗をさします。無人店舗は人件費の削減を可能にしますが、「人手不足解消」といった側面もあり、さまざまな業種で注目されています。
特に2021年は感染症対策もあって、完全な非対面・非接触で運営できる無人店舗が急増した年となりました。コワーキングスペースでも無人化を取り入れ、24時間営業を実現している店舗も増えています。
無人店舗が増えている業種
- レンタルスペース・パーティルーム
- 貸し会議室 ・シェアオフィス
- フィットネスジム ・ヨガ・ダンススタジオ
- シミュレーションゴルフスタジオ
- シェアサロン
- セルフエステ・セルフ脱毛
- 日焼けサロン
- ホテル・ゲストハウス
- カフェなどの飲食店
- アパレルショップ
- スーパー・コンビニ・小売店
こうした無人店舗を実現させるには、ITシステムの導入は欠かすことができず、有人店舗よりも初期費用は高くなります。とはいえ、人件費が安くなる分、毎月のランニングコストがかなり抑えられるため、長期的な目で見ることでかなりのコスト削減が見込めます。
システムとしては、店舗へのチェックインシステム、またはスマートロックなどによるカギの開閉や管理システムなどが必須になります。また、セキュリティとして監視カメラ(出入り口監視カメラや室内用360度カメラ)を導入し、遠隔監視やカスタマーサポートができる体制も必要となるでしょう。
コワーキングスペース無人運営のメリットとは?
では、コワーキングスペースの無人運営には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
コワーキングスペース無人運営のメリット
- 人件費が抑えられる
- スマートロックなどの導入で人の出入りを管理できて安心・安全
- 営業時間を拡大しやすい(24時間営業も可能)
- キャッシュレス決済により会計などの間違いがなくなる
- キャッシュレス決済により精算処理が素早く済む
- 入会申込・登録の半自動化が可能
- バイトのシフト管理などの業務がなくなる
無人運営はレジ係がいないので、必然的にキャッシュレス決済となります。そのため、人的コスト削減の他にも「釣り銭を用意する手間がない」「精算処理が楽になる」などのメリットも多大に受けることができます。
さらに、24時間営業が可能となるため、夜に仕事がしたい方のニーズを満たしたり、他の店舗との差別化を図ることもできます。また、システムに情報が蓄積されるので、リピーターなどの顧客管理が効率的にできるでしょう。
コワーキングスペース無人運営のデメリットとは
無人運営はもちろんデメリットもあります。
コワーキングスペース無人運営のデメリット
- システムの導入費用や利用料などがかかる
- 利用者同士のトラブルなどにすぐに対応できない
- システムを理解していないお客さまに敬遠される
- コミュニティの形成がむずかしい
- 簡単な清掃や消毒などの感染症対策がお客さままかせになる
店舗の無人化には大きなメリットがある反面、コワーキングスペースの特性でもある「コミュニティの形成」や「異業種とのマッチング」などのサポートができなくなります。また、お客さま同士でトラブルなどが起きた時はすぐに解決できなかったり、機材や備品の貸し出しや頻繁な清掃などには対応しづらいこともあるでしょう。
そういったことが積み重なると、スペースとしての魅力が下がり、お客さまを惹きつけることが難しくなる場合もあります。
それらを回避するためには、昼間や繁忙時にはスタッフを配置するなど、有人と無人を柔軟に使い分けることも検討しましょう。また、セミナーやイベントを積極的に行い、人や情報を集めることも、活発なコミュニティを作る上で有効となるでしょう。
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2-3.無人店舗を利用するお客さまの動き
無人店舗を利用するお客さまはどのような動きになるのでしょうか。スマートロック(電子キー)とセルフチェックインシステムを導入した場合の例をご紹介しましょう。
無人店舗の利用例
- お客さまが予約サイトやアプリから利用したい施設に予約を入れる
- 施設からの返信メールに入室用の暗証番号が送られてくる(予約ごとに異なるオリジナルの暗証番号が自動発行)
- 当日、無人店舗の入り口に設置されているテンキーリーダーに暗証番号を入力し、ドアを解錠して入室
- 時間になったら退出
最近では、スマートロックと自社アプリをシステム連携してアプリ上で予約・鍵・決済を一元管理し、利用者は自分のスマホでスムーズにスペース利用ができるコワーキングスペースも登場しています。
具体的にはアプリ上で予約を受け付け、現地ではQRコードを認証してチェックイン。そのままアプリ上で入口の自動ドアを解錠でき、決済もアプリ上のキャッシュレス決済という仕組みです。コワーキングスペースの利用あたり必要な機能がアプリに集約されおり、管理者と利用者の双方にとって非常に利便性が高いシステムだと言えるでしょう。
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このように、無人運営でもITシステムを取り入れることで不正な侵入を防ぎ、セキュリティアップと利便性も高めることができます。
【まとめ】コワーキングスペースの無人運営とは?
いかがでしたでしょうかコワーキングスペースを開業し安定した収益を得るには、意外と時間がかかるものです。そのためにはいかにランニングコストを抑えるかを考える必要があります。ランニングコストの約半分をしめる人件費を削減するには、コワーキングスペースの無人化がおすすめです。
無人店舗を実現するシステムを導入することで、スタッフがいなくても安心で安全な運営を実現できます。24時間営業が可能になり、夜間でも効率よく収益化することができるでしょう。
もちろんスタッフがいないことでのデメリットもありますが、作業にかかる人的コストを抑えた分をセミナーやイベントに回したり、おもてなしや決められた時間だけコーディネーターを配するなど、工夫次第ではコミュニティをより活性化し結果的に集客アップも可能になります。
コワーキングスペースの無人運営について参考になれば幸いです。