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公開日2024.03.12

【事例付き】成長する無人店舗ビジネスと成功のポイント

感染症対策という観点からコロナ禍において脚光を浴びた感のある無人店舗ビジネスですが、その後も急速な成長が続いています。今回は、そんな無人店舗ビジネスの現状を探るとともに、無人店舗経営の成功を支える最新のシステム、ならびに成功事例について解説します。

無人店舗ビジネスの現況

わが国における無人店舗ビジネスは、先進的な技術の導入により、急速に発展しているといわれています。実際、近年では大手企業や新興企業が積極的に参入し、コンビニやカフェから書店まで多岐にわたる業態が登場しています。本章ではその実態をさらに詳しく解説してまいります。

店舗

成長を続ける無人店舗ビジネス

無人店舗ビジネスは、2020年初頭から続いたコロナ禍において、人との接触を避けるという感染症対策の観点から注目を集め、急成長を遂げました。店内にスタッフを配置せずに物品販売やサービス提供を行なう無人店舗という形態は、古くは郊外の農村部における無人野菜販売所を連想しますが、現在ではセキュリティや代金の支払いなどの面でIT化が急速に進み、さまざまな業種において実現が可能なものとなっています。

新型コロナウイルスの感染が拡大する過程で、ロックダウンや外出自粛の影響により、従来の店舗が休業や営業時間の短縮を余儀なくされました。そのような中、数多くの業種において、システム化や機械化を進めることによって、スタッフを配置することなく、非対面・非接触でサービスを提供しようという取り組みが進められました。

そのような無人化への取り組みが特に目立った業種としては、以下のようなものが挙げられます。

無人化への取り組みが目立った業種

・ホテル・宿泊施設
・レンタルスペース
・コンビニエンスストア
・アパレルショップ
・書店
・フィットネスジム
・ゴルフ練習場
・個室サウナ
・ビューティーサロン

この無人店舗型のビジネスですが、コロナ禍が落ち着きを見せ行動制限がなくなった現在でも、下火になるどころか、ますます成長が加速しているといいます。ある統計によりますと、国内における無人店舗ビジネスの市場規模は2023年11月現在で約2.5兆円と推測されており、2020年時点の推計値1兆円と比較して、3年間でなんと2.5倍の規模となっていることがわかります。

次項と次々項では、コロナ後においても無人店舗ビジネスが急速な成長を続ける背景について述べます。

深刻な人手不足への対応

総務省統計局によると、2021年平均の労働力人口は6860万人と、前年に比べて8万人減少しました。2022年平均の労働力人口は6902万人で、前年に比べて5万人減少しています。また、別の民間シンクタンクの長期的な見通しでは、40年後の2065年には3946万人と、現在よりも約4割減少するという予測もあります。

人手不足

こうした慢性的かつ長期的な労働力人口の減少は、当然ですが、社会のさまざまな分野で深刻な人手不足を生じさせます。ビジネス分野において、この人手不足を解消する効果的な解決策の一つとして店舗を無人化するという方法が選択されていることは自然な流れであるといえます。

特に、労働生産性(労働者1人あたりまたは労働時間あたりの売上、利益などといった成果)が低いとされている小売業や一部サービス業においては、従来からコスト削減や人員の効率化による生産性の向上が急務であるといわれていました。この点から見ても、コスト効率を大幅に高めることが可能な無人店舗ビジネスは合理的な選択肢であると考えられます。

こうした人口構造や社会構造上の背景から、無人店舗ビジネスは、これからも長期にわたって成長を続けるであろうと予測することができます。

利用者にもメリットの多い無人店舗ビジネス

無人店舗ビジネスは、事業者だけでなく、利用者にもさまざまなメリットをもたらします。主なところでは、以下のような事項を挙げることができます。

メリット-2

利用者から見た無人店舗のメリット

  1. 時間にとらわれずに利用することが可能
    24時間運営への転換も可能になり、収益アップが望めます
  2. 従業員の介在がない
    商品やサービスが迅速かつ効率的に提供されるので、待ち時間の短縮に
  3. 新しい体験が得られる
    自動化されたシステムの操作が新鮮といった興味深い体験機会の創出へ
  4. 柔軟なロケーション
    スペース成約が少なく無人なので、郊外や路面など効率的に出店できます
  5. 非接触での利用が可能
    接触に敏感な消費者にも不快を与えないような運営が可能に

このように、最近では消費者が無人店舗ビジネスを好んで選択する現象も増えてきており、この傾向は今後も続くと予想されます。

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無人店舗経営における三種の神器とは?

先述しましたが、無人店舗ビジネスの成長の大きな要因として、先進的な技術の発展に伴って、業務のシステム化や機械化が可能となったことが挙げられます。ビジネスを成功させるためにどのようなシステムや機材を導入すればよいかという問題は、もちろん取り扱う商品やサービス、店舗の形態によって異なりますが、その一方で無人店舗ビジネス全般に共通して重要になってくる要素があります。そこで本章では、無人店舗経営において重要な三種の神器といわれる「入退室管理システム」、「セキュリティカメラ」、「セルフレジ」について解説します。

その1:入退室管理システム

無人店舗経営において、業種によっては不特定多数の入店(入室)を受け入れた方が有利な場合も存在しますが、多くの業種では、利用者または利用希望者だけが入店できるような一定の制限をかける必要が生じます。そのような場合にぜひおすすめしたいのが入退室管理システムの導入です。

入退室管理システムは、利用者以外の侵入をシャットダウンするとともに、不正侵入や盗難を予防し、無人店舗内のセキュリティを確実に向上させます。またタイプによっては、同顧客の購買行動や滞在時間などのデータなど顧客情報を管理するシステムと容易に連携させることできます。経営者は、それらのデータを活用することで、店舗の運営効率を向上させたり、需要予測、マーケティング、在庫管理などを効果的に行ったり、といったことも可能となってきます。

利用者から見ても、セキュリティの確保された空間で、部外者の侵入を心配することなく、安心して商品を購入したり、サービスの提供を受けることができますので、顧客満足度が向上、リピーターの増加にもつながります。

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ここでいう入退室管理システムとは、入り口のドアの施錠や解錠をする際、従来型の鍵を使うのではなく、機械的に発行された暗証番号や、スマホに表示されたQRコード、個人を特定できるICカードなどをリーダーにかざして行うことのできるシステムのことを指しており、いわゆる「スマートロック」と同義語であるとご理解いただいて差し支えありません。

その2: セキュリティカメラ

入退室管理システムと同様、店舗内のセキュリティを確保する上で重要となってくるのがセキュリティカメラです。無人店舗という形態では、スマートロックによる入退室管理を行なっていたとしても、利用者自身の不正や盗難などのリスクにも備えておく必要があります。

このようなリスクを回避する方法として、セキュリティカメラの導入をおすすめします。カメラやシステムを単体で購入すると相当高価な出費となってしまいますが、幸い現在では、クラウド技術を活用したクラウド型のセキュリティカメラシステムが、月額ベースの比較的リーズナブルな費用で提供されています。複数のパソコン、スマホ、タブレットなどと映像を共有でますので、店舗運営者は離れた場所にいても、施設内の様子を常時チェックできます。録画もクラウド上で行われますので、そのための機器を別途購入する必要もありません。

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店舗内が無人であっても、常に監視が行き届いているという体制が整っていれば、利用者も不安なく施設を利用できるという安心感につながります。

その3:セルフレジシステム

顧客自身が商品のについたバーコードを専用の機械に読み取らせて支払いを完結するセルフレジは、近年ではスーパーや量販店などを中心に、一般の有人店舗でも多く見られるようになりました。ここでは、無人店舗に適したセルフレジシステムについて解説します。

スタッフのいない無人店舗では、会計も自動化、機械化しておく必要があります。その方法として、多くの場合、利用者自身が支払い処理を完結する手段としてセルフレジが導入されています。セルフレジシステムには、多種多様なスタイルのものが存在していますが、無人店舗においては、現金を取り扱わないキャッシュレスのタイプが主流となっています。

現金払いに対応しようとすると、釣銭の支払いまで可能な多機能なシステムが必要となります。その場合、システムそのものの費用が大きくなる上、メンテナンスの手間ひま、盗難のリスクなどを勘案すると、無人店舗の多くの業態においてはキャッシュレス対応のみに限った方が効率的であると考えられます。日本全体で見ると、まだまだ現金決済の比率は低くはありませんが、近年ではキャッシュレス決済が急増しており、多くの消費者には抵抗なく受け入れられる環境が整ってきています。

セルフレジシステムは、キャッシュレスタイプのものに限っても、数多くのメーカーからさまざまななシステムが提供されています。システムの選択にあたっては、次のような支払い形態を考慮して判断するとよいでしょう。

セルフ決済システムの種類

・クレジットカード決済
・スマートフォン(バーコード・QRコード)決済:PayPay 、d払い、auPAY、楽天ペイなど
・交通系ICカード決済:Suica、Pasmo、Icocaなど

セルフレジ-1

一部の先進的無人店舗では、顧客の顔認識技術を活用して支払いを行うことができる仕組みが導入されている事例もありますが、広く普及するにはまだ時間がかかりそうです。

セルフレジシステムは、特に初期費用については、無人店舗に必要なする他のシステムと比較して、高額な投資になります。ある調査によれば約100万円~(月額のメンテ費、システム費などを除く)ともいわれておりますので、店舗の顧客構成や経営方針に沿って、慎重に選択したいものです。

先進事例「ほんたすためいけ」とこれからの無人店舗経営

本章では、2023年9月、東京メトロ銀座線・南北線 溜池山王駅構内にオープンした、完全無人書店「ほんたす ためいけ 溜池山王メトロピア店」をご紹介するとともに、その事例を参考にしながら、これからの無人店舗経営について考察してまいります。

「ほんたすためいけ」とは?

「ほんたすためいけ」は、東京メトロ(東京地下鉄株式会社)、株式会社メトロプロパティーズによる新しい取り組みで、運営は日販(日本出版販売株式会社)が行なっています。入退店はシステムで管理し、会計はセルフレジによるキャッシュレスとすることで、完全無人でも安心して利用できるまったく新しい形態の書店です。

東京メトロでは、全国的に書店軒数が減少し、人々の生活動線上から本とのリアルなタッチポイントがなくなるという課題を抱える中、現代の人々のライフスタイルに合った本との新たな出会いを提供し、人々のニーズを満たす、「完全無人」かつ「ライトユーザーにもやさしい店舗設計」の書店モデルへの挑戦である、としています。

都心のビジネス街に位置し、多くのビジネス客でにぎわう銀座線・南北線 溜池山王駅に立地するこの「ほんたすためいけ」は、利用者が通勤や移動の合間でもスマートに知識や情報を得ることができる空間となっています。

「ほんたすためいけ」利用の流れ

「ほんたすためいけ」を利用するには、まずスマホのLINEアプリからQRコード(下記)を読み取って会員登録を行ないます。「ほんたすためいけ」ホームページにこのQRコードが掲載されていますので、事前に登録しておくこともできますし、店舗の壁面や自動ドアに掲載されているQRコードを読み取って、その場ですぐに登録することもできます。登録はニックネームだけでも可能となっています。

登録が完了すると、LINE上で会員証が発行されます。会員証にはQRコードが付与されており、このQRコードを入口ドアの横に備え付けてあるリーダーにかざと自動ドアが開いて、入店が可能となるという仕組みです。ここでの入退室管理には、弊社の自動ドアアクセスコントロールシステム「TOBIRA」が導入されています。

「ほんたすためいけ」では、店内にもさまざまな工夫が凝らされています。壁面に接していない什器は外からも店内が見通せるよう高さが抑えられていて、通行者の関心を喚起するとともに、防犯にも役立っています。また、店内の利用者が外からの視線が気にならないよう、書棚の配置も工夫されている、書棚の高い部分に手の届かない利用者のために踏み台が用意されているなど、利用者目線に立った店舗づくりがなされていることがわかります。また、ノートや筆記用具などの文房具も販売されています。

会計はキャッシュレスのセルフレジが導入されていて、各種クレジットカード、交通系ICカード、QR決済、図書カード(金券、図書券、QUOカードは使用できません)など、複数の支払い方法に対応しています。
また、店内にはセキュリティカメラが複数台設置されていて、盗難などの犯罪抑止、トラブル抑止、災害など緊急事態の際の状況把握などに役立てられています。店内の利用者からの緊急の問い合わせにも、利用者のスマートフォンから、ほんたすサポートセンターがチャットやビデオ通話で対応可能となっており、万全の態勢が整っています。

これからの無人店舗ビジネス~経営のポイント

「ほんたすためいけ」は、オープン後3カ月で会員数が6,000人を突破、一方で盗難やトラブルもなく、順調なスタートを切っています。そこに取り入れられている顧客管理・入退室管理の仕組み、店舗の空間構成、セキュリティ対策などには、業種を超えた無人店舗ビジネスの参考とすべき点も多いと考えます。

そこで、あらためて「ほんたすためいけ」の好調の背景となっている経営のポイントを簡潔に要約してみます。

「ほんたすためいけ」経営のポイント

  • LINEを利用した簡単かつスピーディな利用登録と会員証発行の仕組み
  • 会員証(QRコード)と連動したスムーズでストレスのない入室管理
  • 利用者が使いやすく、周囲の通行者にも親しみやすい、配慮の行き届いた店舗デザイン
  • セキュリティカメラとサポートセンターによる安心のセキュリティと緊急時対応
  • 複数の支払い方法に対応したセルフレジ(キャッシュレス)の導入

このように、「ほんたすためいけ」では、無人店舗に必要とされる条件を備えながら、利用者の視点に立ったさまざまな工夫と配慮が凝らされていることがわかります。これからの無人店舗ビジネス経営の指針として、ぜひ参考としてみてはいかがでしょうか?

【まとめ】進化を続ける無人店舗ビジネス

今回は、コロナ後も急速な成長が続いている無人店舗ビジネスの現状、無人店舗経営をサポートする各種のITツール、ならびに最新の成功事例から見る無人店舗ビジネス成功のポイントについて解説してまいりました。

いうまでもありませんが、ひと口に無人店舗ビジネスといっても、その業種、業態は極めて多岐にわたります。また、ここではご紹介できませんでしたが、最近では最先端のAI技術を導入したまったく新しい試みに取り組んでいる無人店舗も出てきています。

本ブログでは、これからも多様な視点から無人店舗ビジネスに焦点を当ててまいりたいと存じます。引き続きご注目いただければ幸いです。

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