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公開日2024.11.29

無人で管理?変わる保養施設のカタチとは?

人手不足などで「保養施設」を手放す企業が増加する一方で、「無人管理」を導入すれば、保養施設の課題を解決することも可能になっています。保養施設の現状と、今だからこそ活用したい保養施設のカタチをご紹介します。

保養施設を取り巻く現状と課題

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近年、日本では企業の保養施設(保養所)が減少しています。
たとえば、健康保険組合の直営保養所は、2000年時点では1,581ヶ所ありましたが、2018年度末には284ヶ所(−1,297ヶ所)まで減っていました。(参考:中央社会保険医療協議会「第22回医療経済実態調査(保険者調査)報告」。

そもそも保養施設は、企業の福利厚生の一つとして、バブル期に一気に増加しました。従業員の会社への満足度を上げ、モチベーションを向上してもらうことを目的に、各地に豪華な保養所が作られたのです。では、なぜこれほどまでに減少してしまったのでしょうか。その理由として、次の4つの課題が考えられます。

保養施設が抱える4つの課題

  • 管理人確保が困難である
  • 従業員の利用率が低下している
  • 維持管理・修繕コストがかかる
  • 時代のニーズに合っていない

それぞれ解説していきます。

管理人の確保が困難である

まずは、管理人の確保が困難になっているということが大きな課題となっています。保養施設があるのは、多くの場合都市部から遠く、山や海などが近くにある自然豊かな場所です。

過疎化や高齢化が進んでいる所も多く、管理人はおろか、掃除や食事を提供するスタッフなど、保養所を維持できる人材が減少しているのです。どんなに良い保養施設であっても、維持していくのは困難でしょう。

従業員の利用率が低下している

次に、利用率が低下していることも、保養施設減少の一因です。というのも、旅行の「体験価値」に重きをおいている人が増えたからです。

たとえば、「保養施設があるから旅行に行く」のではなく、
「〇〇をするために旅行に行く」
「〇〇があるから宿泊する」
など、何を体験するのか、経験したいのかが明確になっているのです。
自分が体験したいものがない場所にはそれほど魅力を感じず、旅行先を自由に選びたいという人が増えたため、利用率が減少しているといえるでしょう。

維持管理・修繕コストがかかる

保養施設を管理する人材に加え、維持管理コストもかかります。先述したように、多くの保養施設は、バブル期に建てられた建物です。華美な装飾や無駄な施設も多く、修繕費や光熱費などにも多くの費用がかかります。

また、建物自体が古くなり、リフォームやリノベーションが必要となる場合も多いでしょう。売上が悪化している企業の場合、保養施設の維持費用が大きな負担となっています。

時代のニーズに合っていない

そもそも、保養施設が時代のニーズに合っていない場合があります。気軽に利用できる予約システムとは異なり、利用するために会社で書類手続きを行う必要があるなど、予約が面倒なケースがあるためです。

また、一般のホテルのような手厚いおもてなしや、楽しいアクティビティが期待できないこともあるでしょう。建物自体が古びている場合、若い従業員から敬遠されることもあります。

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【今だからこそ】保養施設を持つメリット

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1章では、保養所が抱えている課題を解説しました。
とはいえ、保養施設を持つメリットは、節税効果や企業の福利厚生アピールなど、まだまだ健在です。

その中で、今だからこそ保養所を持つことのメリットもあります。

いまだからこそ保養所を持つメリット

  • ワーケーションの拠点として有効活用
  • 従業員の利用を促して満足度向上

それぞれ解説していきましょう。

ワーケーションの拠点として有効利用

保養所を「ワーケーションの拠点」として活用することで、既存施設の有効利用ができます。ワーケーションとは、2000年のアメリカで提唱された働き方で、普段とは異なる環境で仕事をしながら、休暇を楽しむスタイルをさします。

「仕事」「休暇」を明確に分けるのではなく、ゆっくりと自然の中で仕事をしてもらうことで、従業員の満足度を上げ、生産性の向上や離職率の防止などに貢献します。社内の人間関係などが原因で、休職や離職を考えているスタッフに、ワーケーションを勧めてみるような利用法も考えられます。

ただし、実行するには、高速Wi-Fiやワークスペースなど、仕事環境の整備などが重要です。また、定着させるには、会社から積極的に利用の後押しも必要となるでしょう。

従業員の利用を促し満足度向上

1章では、保養施設の利用率の低下やニーズに合っていないことなどを解説しました。しかし、保養施設の良さを知ってもらうことで、利用を促進し、満足度を向上させることも可能です。それが、次の方法です。

保養施設の利用を促す施策

  • Webで予約できるシステムを導入する
  • 保養施設の良いところなど情報発信を強化する
  • 安く利用できることを積極的にPRする
  • 保養施設をリノベーションして刷新する
  • 社内イベントなどで積極的に活用する
  • 無人運営などで課題を解決する

企業によっては、保養施設を所有しているものの、積極的に情報発信していないケースが多くあります。気軽に安く利用できることや、素晴らしい点をアピールするだけでも、利用者が増加する可能性は高いでしょう。

また、会社の総務などを通さずに、スマートフォンなどで簡単に利用できるようにすることも、ニーズを高めるために大切です。実際に保養施設を利用してもらい、良さを感じてもらえれば、従業員満足度の向上につながるでしょう。保養施設に課題を抱えている場合は、次に解説する「無人管理」がヒントになるかもしれません。

保養施設の課題を解決する「時代に合った無人管理」

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現在、保養施設で課題を抱えている企業では、「廃止を検討中」というケースも多いかもしれません。特に「管理者の人手不足」は、どんなに利用者が増えたとしても、簡単に解決できるものではないでしょう。そこで、新しい保養施設の管理体制として注目を集めているのが、ITシステムを利用した「無人管理」です。
下記の3つのITシステムを組み合わせることで、無人管理を可能にします。

無人運営を可能にするシステム

  • セルフチェックインシステム
  • スマートロックなどのスマートキー
  • 宿泊運営管理システム

セルフチェックインシステム

セルフチェックインシステムは、管理者やスタッフがいなくても、利用者が自分でチェックイン作業ができるシステムです。利用者は好きな時間にチェックイン・チェックアウトができるため、利便性も増すでしょう。人手不足解消や人件費削減にも貢献します。

セルフチェックインシステムが可能にすること

  • チェックイン・チェックアウトの無人化
  • チェックイン・チェックアウトが24時間可能
  • 本人確認、予約情報の取得・確認
  • 多言語対応
  • 決済機能

セルフチェックインシステムには、さまざまなタイプがありますが、簡単なものではタブレットを用意しておくだけで利用が可能です。

RemoteLOCKなどのスマートロック

実は、セルフチェックインシステムだけでは、受付の無人化はできません。RemoteLOCKなどのスマートキーを導入すれば、人による「鍵の受け渡し」が無くなります。

スマートキーは、事前に知らせておいた暗証番号やQRコードを利用して、部屋の解錠ができるシステムです。物理的な鍵がないことで、次のことが可能になります。

スマートロックが可能にすること

  • 鍵の受け渡しが不要になる
  • 物理的な鍵の管理がなくなる
  • 鍵の紛失や盗難、持ち帰りがなくなる
  • 入室管理が容易になる

他にも、暗証番号などの利用制限(有効期限)が可能になるので、不正入室や日時をオーバーしての利用などを防ぐことができます。

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宿泊運営管理システム

宿泊運営管理システム(PMS)を導入すると、遠方からでも保養施設を運営・管理することができるようになります。

宿泊運営管理システムが可能にすること

  • 予約管理
  • 利用者情報を一元管理
  • 売上、稼働率などの集計・分析
  • 施設の利用状況を可視化

セルフチェックインシステムやスマートキーなどのシステムをうまく組み合わせることで、フロント業務が自動化し、保養施設の人手不足を解消します。

【無人化管理システム】導入事例 SANU 2nd Home

では、実際にシステムを導入し、無人運営をしている施設をご紹介しましょう。
RemoteLOCK導入施設であるSANU 2nd Homeは、厳密には「保養施設」ではなく、「貸別荘」というカテゴリになります。とはいえ、保養施設でも取り入れることができる施策が多々あり、大いに参考になるはずです。

出典 :
SANU 2nd Home

SANU 2nd Homeは、都市から自然に繰り返し通える、暮らしを営むライフスタイルを提案するメンバーシップ制のセカンドホーム(別荘)サービスです。
管理人はおらず、システムを導入して、無人管理を行っています。当初は、自然の中に分散して立地する一棟独立型の施設(SANU CABIN)をどう管理するかが課題でした。弊社のRemoteLOCK(スマートキー)を導入することで、「だれがいつどの鍵で入室したのか」を履歴で追跡することが可能になりました。

常駐しているスタッフはおらず、旅館業法上の「10分で駆けつけることのできる体制」に対しては、現地の別荘管理事業者などに委託しています。トラブル発生時には、24時間365日稼働のコールセンターで対応し、必要に応じてスタッフが駆けつける体制になっています。このように、システムを導入することで、遠隔で施設を管理し、運営することが可能になっています。

【まとめ】無人管理で変わる保養施設のカタチ

いかがでしたでしょうか。保養施設の管理の「今」について解説いたしました。

保養施設は減少傾向にありますが、メリットも多い福利厚生の一つです。管理人不足などの課題で悩まれている方は、「無人管理」が可能となるシステムなどを検討してみてはいかがでしょうか。「セルフチェックインシステム」や「RemoteLOCKなどのスマートロック」、「宿泊運営管理システム」などのシステムが、人手不足を解消し、管理業務の効率化を促進します。これからの保養施設の「カタチ」といえるでしょう。この記事を参考にして頂ければ幸いです。

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