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公開日2024.11.01

コンビニや本屋さんまで無人化へ!無人店舗の不正利用に対する対策とは?

現在、さまざまな分野で無人店舗ビジネスが広がっています。そこで、今回は業種ごとの無人店舗ビジネスへの取り組みをご紹介するとともに、ビジネスの重要なポイントとなる不正利用対策に焦点を当てて解説していきます。

どんな業種で無人店舗ビジネスが進んでいる?

Business woman using tablet with financial, cloud connectivity concept

無人店舗ビジネスは、2020年初頭から続いたコロナ禍の中で、人との接触を避けるという感染症対策の観点から注目を集め、その後も成長が続いています。この章では、いくつかの業種における無人店舗ビジネスへの取り組みをご紹介します。

コンビニ・スーパーマーケット

コンビニエンスストア各社は、新しい店舗運営技術を活用して、店頭にスタッフを配置しない小型コンビニエンスストアへの取り組みを進めています。

株式会社ローソンでは、ウォークスルー決済システムを導入した新しい形態の店舗「Lawson Go」の実証実験を開始しました。これは、オフィス内やホテル内の店舗などでの最短時間で買い物を済ませたいというニーズに応える試みです。事前登録した専用のスマホアプリからQRコードをかざして入店、商品を手に持って店外に出ると、事前に設定した決済手段で、レジを通さずに自動的に決済できる技術を取り入れた店舗になっています。店内設置のカメラでお客様の動きを確認し、商品が置かれた棚の重量センサーと合わせることで、お客様がどの商品をいくつ手にとったのかをAIが判別、店舗を出ると自動的に決済されます。

同様の取り組みはスーパーマーケット業界でもみられます。イオングループ傘下にある株式会社ダイエーは、株式会社NTTデータと組み、レジを通さずに商品の購入が可能なウォークスルー店舗「CATCH&GO」を、昨年10月横浜西口にオープンしました。お客様は専用アプリをインストールした自身のスマートフォンを入店ゲートにかざし、欲しい商品を手に取って退店するだけで、自動的にキャッシュレス決済が完了します。セルフレジ型の店舗とは異なり、商品バーコードをスキャンするなどの購入時の作業が一切不要なため、お客様は新しいスピーディーな購買体験を得ることができるというわけです。

アパレルショップ

一般的な小売店でも店内にスタッフを配置しない無人店舗が増加しています。中でも、アパレルショップでの取り組みが目立っています。アパレル業界でも無人店舗の増加が目立ちます。東方一永株式会社(本社大阪市中央区)が運営する「BRANDLET Re: (ブランドレットリー)」はブランドアパレル オフプライスストアです。すでに各地で無人店舗を展開していますが、こちらでは事前登録などの入店制限はせず店内カメラのみで防犯対策を行なっています。


利用者からの問い合わせには常時タブレットを利用したリモート接客を行なっている、支払いは賽銭箱スタイルで現金を基本としているなどといった点もユニークです。(キャッシュレス払いには有人対応を行なっています)
アパレル業界では、無人店舗は「店員さんから声をかけられない」ことから、若い世代からの支持が高い傾向があるとされています。

フィットネスジム

物販とは業態が異なりますが、フィットネス業界でも、近年無人店舗への取り組みに積極的な傾向がみられます。同業界では、新型コロナの流行を一つの契機に、マシンジム、スタジオ、プールなどの設備を揃えて多人数が利用するスタイルの総合型のフィットネスクラブから、個人個人がそれぞれ自分に適したトレーニング方法を見つけ、人との接触を気にせず、よりパーソナルに利用することのできる、小規模な施設(マイクロジム)に関心がシフトするようになりました。

現在全国に31店舗を展開する「ハコジム」では弊社のスマートロックシステムRemoteLOCKを採用いただいています。設置店舗では、利用者が予約をすると、施錠された個室へ入室するためのカギとなる暗証番号が自動発行されます。(この暗証番号は予約時間に限り有効です)利用者はRemoteLOCKによってセキュリティが確保された個室内で安心してトレーニングに取り組むことができます。

飲食店

調理や配膳といった機械やシステムによる代替がしづらい要素が多くの割合を占めるレストランや居酒屋といった飲食店では、他の業種と比べ無人化へのハードルが格段に高いといえます。

羽田空港に隣接した複合施設「羽田イノベーションシティ」内にある「AI_SCAPE(アイスケープ)」は、なんと調理から配膳、下膳まですべてをロボットが行うレストランです。メニューは、カレーライス、ミートソース麺)、パン&スープの3種類。テーブルのQRコードを読み取ってWebアプリを起動、アプリ上でメニューを選び注文します。支払いはキャッシュレス決済のみ対応しています。

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無人店舗における不正利用対策にはどのようなものがあるか?

無人店舗には原則的にスタッフが配置されていませんから、当然のことながら不正利用対策は店舗運営上の非常に重要なポイントとなります。この章では、無人店舗におけるおもな不正利用対策の方法について解説いたします。

監視カメラの設置

監視カメラ

先にご紹介した通りひと口に無人店舗といっても、その形態はさまざまです。その中の多くで共通して利用されているアイテムが監視カメラです。監視カメラは、無人店舗において不正行為の抑止や検知、証拠記録などの重要な役割を果たします。監視カメラの映像をリアルタイムで遠隔地からモニタリングすることも可能になります。

最近の監視カメラはAI技術と組み合わせることで、顧客の行動をリアルタイムで分析することもできます。不自然な動きや異常な行動(例:商品を隠す、急に動きを止めるなど)を検知した際にアラートを発し、遠隔で監視しているスタッフに即時通知することも可能です。また、最近ではクラウド技術の進展により全体的に費用は削減されリーズナブルな製品も多くあります。

スマートロックなどITシステムを利用した入退店管理

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無人店舗の多くは、何らかの方法で事前登録をした利用者に限って入店を受け入れるという形態をとっています。そのような店舗ではスマートロックやITツールが店舗の安全性を確保し、不正利用を防ぐために非常に重要な役割を果たしています。これらのシステムを導入することで、特定の利用者だけが店舗にアクセスできるように管理し、また利用者の行動を分析することも可能になります。

さらに、スマートロックと事前登録のためのITシステムを連携させることができれば、顧客の事前登録から入店までのプロセスを一気通貫して効率化することができますので、顧客はスムーズに店舗を利用でき、店舗側も運営上の負担の環境を大幅に軽減することが可能となります。

安全なキャッシュレス決済の導入

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無人店舗の多くはキャッシュレス決済を採用しています。これは無人店舗においてスマートで安全な取引を実現するために不可欠なシステムです。具体的な方法としては、以下のようなものが選択肢となります。

キャッシュレス決済方法

  • クレジットカード
    クレジットカードやデビットカードによるキャッシュレス決済も一般的に採用されています。カードの情報を読み取るためのリーダーが店舗に設置され、PINコード入力やタッチ決済(NFC対応)で支払いが行われます。
  • モバイル決済(QRコード、NFC)
    モバイル決済は、スマートフォンを使ったキャッシュレス決済の一つで、QRコード決済やNFC(近距離無線通信)を用いた決済方法が主流です。
  • 事前チャージ型決済(プリペイド式)
    無人店舗では事前にチャージされた金額を使って支払いを行うプリペイド式の決済もよく利用されます。交通系ICカードや、特定店舗向けのプリペイドカードなどがこれにあたります。
  • 生体認証決済(顔認証・指紋認証)
    特にセキュリティが求められる無人店舗においては、生体認証を利用した決済に注目が集まっています。顧客の顔や指紋を使って本人確認を行い、支払いが完了する仕組みです。

センサーやAIを活用した商品管理システム

AI

不正利用防止を想定した商品管理システムを利用する無人店舗も少なくありません。そのような店舗ではシステムが商品の不正な持ち出しや在庫の異常をリアルタイムで把握し、適切な対策を講じるために重要な役割を果たします。以下、代表的なシステムをご紹介します。

代表的な商品管理システム

  • REIDタグ
    RFIDタグは、電波で情報を非接触で読み取る技術です。専用リーダーで在庫をリアルタイムに把握し、不正持ち出しを即座に検知できます。商品追跡が可能で、盗難や不正のリスクを減らします。
  • 重量センサー
    棚に重量センサーを設置し、商品の動きを監視することで不正防止が図れます。商品が取られるとセンサーが検知し、支払いがなければ警報を発したり、管理者に通知する仕組みです。
  • カメラとAIによる画像認識在庫管理
    監視カメラとAIを使い、商品や棚の状況を映像で分析し、不正を防ぎます。カメラが商品を撮影し、AIが解析して商品が棚から取られたかを認識、在庫に反映され、不正時には警告や通知が行われます。

完全無人書店「ほんたすためいけ」に学ぶ無人店舗の不正利用対策

この章では、無人店舗ビジネスの事例として第1章で取り上げた完全無人書店「ほんたす」について、より詳しくご紹介します。

「ほんたす」が生まれた背景

第1章で述べた通り、「ほんたす」は約1年前に東京メトロ 溜池山王駅にオープンした完全無人書店です。日本の出版流通の大手である日本出版販売株式会社(以下「日販」)が運営を行なっています。

日販では、「ほんたす」をオープンさせた背景として、全国的に書店軒数の減少が続く中で、人々の生活動線上から本とのリアルなタッチポイントがなくなることによって、読書習慣が失われてしまうことに対する危機意識をふまえて、現代の人々のライフスタイルに合った本との新たな出会いを提供し、人々のニーズを満たす、“完全無人”かつ“ライトユーザーにもやさしい店舗設計”の書店モデルの開発に挑戦した、と説明しています。

LINEで簡単に会員登録

「ほんたす」の店舗へは、不正利用防止の観点から、会員登録をした利用者のみが入店可能となっています。こう言うと会員登録が面倒で利用を躊躇する人がいるのではないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。そのような心理的なハードルを下げるために「ほんたす」で導入されているのが、LメンバーズカードというLINEアプリを活用したシステムです。

Lメンバーズカードは、合同会社Oblivionが提供する、LINE上で完結するデジタル会員証サービスです。手もとにスマホさえあれば、LINEさえ使っていれば、「ほんたす」の店頭に掲示されたQRコードを読み込んで簡単に会員登録を行なうことができます。LINEの友だち登録を許可した後、名前(ニックネーム可)、生年月日など、最小限の項目を入力するだけで会員登録ができます。比較的高齢の筆者でも30秒程度で会員登録することができました。

スマートロックによる正確な入退店管理

「ほんたす」の入り口のドア(自動ドア)は常時施錠されています。ドアにはQRコードが掲示されており、初めての利用者は前述した手順で会員登録を行えます。LINE上に発行される会員証にはQRコードが表示され、そのQRコードをドア横のリーダーにかざすとドアが開く、という仕組みになっています。

この自動ドアに組み込まれているのが弊社の提供するアクセスコントロールシステムTOBIRA(トビラ)です。TOBIRAは、弊社が提供するスマートロックRemoteLOCKのシリーズ製品で、クラウドを活用してネットワーク上で自動ドア、ゲート、エレベーターなどの遠隔操作や管理を行うことができます。

「ほんたす2号店」では有人営業と無人営業のハイブリッド化の試み

日販では、本年9月26日、「ほんたす」2号店となる「あゆみBOOKS杉並店 supported by ほんたす」をオープンしました。こちらの店舗は、1号店で培った完全無人営業のノウハウを活かしつつ、有人・無人のハイブリット型営業を実現しています。

従来は、10時~22時の12時間営業の通常の有人書店でしたが、早朝の8時から10時と、深夜22時から24時の4時間を無人営業時間とすることで営業時間を延長し、無人営業時間は、1号店と同様のLINE会員証での入店の管理を行っています。人員を増やさずに、顧客の利便性の向上と収益改善を両立するこのモデルは、書店業界内でも既存書店の省人化ソリューションとしても注目されています。

【まとめ】業態に適した不正利用対策を!

今回はいくつかの業種における最近の無人店舗ビジネスへの取り組みをご紹介するとともに、不正利用対策のポイントについて解説してまいりました。加えて完全無人書店、「ほんたす」が実際にどのように運営されているかをご紹介しました。

本文でも触れましたように、無人店舗ビジネスにも様々な業種、業態があります。不正利用対策も、それぞれの商品の内容や店舗のスタイルに適した手法を賢く組み合わせて利用することが重要だと考えます。

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